日本経済新聞社が作成した2024年の弁護士ランキングで、国内主要企業に「今年活躍した弁護士」を分野別にきいたところ、「AI・テック・データ」分野は、殿村桂司弁護士がトップだった。
テクノロジーに関わる幅広い領域を手掛けるのが強みで、生成AI(人工知能)など最先端の論点に関する企業への助言をはじめ、スタートアップ支援、M&A(合併・買収)まで多岐にわたる案件に携わった。
弁護士ランキングは、日経が毎年実施している「企業法務税務・弁護士調査」の結果をもとに作成。今年は「企業法務全般(会社法)」「国際通商・経済安保」「税務」「AI・テック・データ」「消費者対応」の5分野で集計した。277社からの回答をもとにした「企業が選ぶ弁護士ランキング」と200人の弁護士からの回答も合わせた「総合ランキング」の2種類をまとめた。
殿村氏はルール形成にも積極的に関与した。政府や自民党などの会議に多数参加し、AIに関わる企業向けの包括的指針である「AI事業者ガイドライン」の策定などに関わった。「企業からの相談を通じて感じた問題意識をルール形成に反映させ、ルール形成の場で得た知見や経験を顧客に還元したい」と話す。
2位の石川智也弁護士はグローバルでのデータ越境移転規制への対応や、プライバシーガバナンスの体制構築、不正アクセス事案やEUデータ法への対応などに関する助言を多数手掛けた。
20年からはドイツを拠点に、欧州で整備が進む各種デジタル法制の最新情勢をカバーする。継続的に寄り添って各社の取り組みを理解したうえで、対応の勘所を指南する助言を望む企業が多いという。
3位は田中浩之弁護士と中崎尚弁護士が並んだ。
田中氏は世界各国での個人情報保護規制に対応する企業から要望が強い、効率的な対応につながる助言を心がけたという。中崎氏は、サイバー攻撃を受けた企業からの相談が多く、当局・取引先への対応や再発防止策検討などを支援した。
弁護士からの票を合わせた総合ランキングでは、上位2人の顔ぶれは同じで、中崎氏が単独3位になった。4位に増田雅史弁護士、5位に福岡真之介弁護士が続いた。
日本経済新聞は毎年、主要企業の法務部門や有力な弁護士にアンケート調査を行い「今年活躍した弁護士」などのランキングを発表しています。過去のランキング記事や上位の弁護士へのインタビュー記事などのまとめページです。
日経記事2024.12.16より引用