米Gartner(ガートナー)は、2024年の半導体売上高ランキング(暫定値)を2025年2月3日(現地時間)に発表した。1位は韓国Samsung Electronics(サムスン電子)で、2年ぶりに返り咲いた。
2位は米Intel(インテル)である。同社は2023年に3年ぶりに1位になったが、1年でポジションをSamsungに明け渡した。

2024年の世界半導体市場のけん引役はAI(人工知能)と言って間違いないだろう。実際、今回ランクを上げたのは、AI半導体の代表格であるGPU(Graphics Processing Unit)とHBM(High Bandwidth Memory) DRAMの売り上げが好調な半導体メーカーだ。
例えば、生成AIの学習用GPUで独り勝ちの米NVIDIA(エヌビディア)は2023年の5位から今回3位へ上昇した。HBM DRAMで好調の韓国SK hynix(SKハイニックス)と米Micron Technology(マイクロンテクノロジー)もそれぞれ、6位から4位へ、12位から6位へと順位を上げた。
AI半導体がランキングの変化に大きな影響を与えたことは確かだが、それだけでは、HBM DRAMが必ずしも好調とは言えないSamsungが1位だったり、GPUで出遅れたIntelが2位だったりすることを説明できない。
その理由は、AI半導体の代表格のGPUとHBM DRAMは、AIの一部であるニューラルネットワーク処理を担うだけで、AIアプリケーションの処理にはマイクロプロセッサー(MPU)や既存のDRAMが必要だからである。
成長率で言えば、AI半導体が勝るものの、売上高で言えばMPUや既存のDRAMの方が大きい。
Gartnerによれば半導体需要が最も大きなアプリケーションは2024年もスマートフォンであり、これはNANDフラッシュメモリーの売上高が大きいことを意味している。
Gartnerによれば、スマートフォンに次いで2024年に2番目に半導体需要の大きなアプリケーションはデータセンターである。生成AIの学習処理がデータセンターでの半導体需要を旺盛にした。2023年のデータセンター向けの半導体売上高は648億米ドル(約9兆8500億円:1米ドル=152円で換算、以下同)だったが、2024年には1120億米ドル(約17兆240億円)へと急増した。
日経記事2025.2.12より引用