日本を代表する写真家のひとり、篠山紀信。
アイドルや俳優、女優、作家、スポーツ選手、伝統芸能、ヌード、建築・・・
さまざまなものを写し、時には論争の火種となりながらも
その活動は常に注目を浴びてきました。
今回の展覧会では60年代から現在に至るまでの彼の作品の数々から
写真の持つ力=「写真力」が感じられるポートレート作品を本人がセレクト。
壁面を占めるほどの巨大プリントも交えつつ、
5つのセクションに分けての展示が行われています。
最初のエリアは「GOD」。「鬼籍に入った有名人」の写真であり
きんさん・ぎんさん、夏目雅子に続いては三島由紀夫のヌード写真が2連続、
他にも和装のバルテュスや座頭市姿の勝新太郎、寅さん姿の渥美清、
そして中村勘三郎や美空ひばりといった綺羅星の数々が出迎えます。
続くエリアは非日常の夢の世界。「SPECTACLE」。
中村勘九郎に片岡仁左衛門、中村獅童たち歌舞伎役者の鮮やかな写真は
まさに現代に蘇った東洲斎写楽の役者絵のように見えます。
そして自身を「シノラマン」というキャラクターに転じて撮影した、とされる
閉園後のディズニーランドのキャラクターたちの素顔のポートレイトに
パノラマ撮影と合成、そして奇抜な衣装で異世界を作り上げた後藤久美子の「夢少女」も。
続いては舟木一夫、キャロル、山口百恵からAKB、ももクロ、佐々木希まで。
誰もが知る有名人たち「STAR」。
アクターズスクール時代の満島ひかり(今から約20年前!)や
篠山の妻となった南沙織、さらには渡辺謙と小林旭(渡り鳥シリーズ時代)、
王・長嶋と内村航平・羽生結弦といった新旧対比で見せる構図もおもしろいです。
原田知世・福山雅治といった地元民にアピールする顔も(内村航平もですね)
そして篠山の名を高め、多くの論争や事件も呼んだ肉体美への賛歌「BODY」。
樋口可南子、宮沢りえ、橋本マナミ、カルメン・マキ、黒柳徹子(!)といった
芸能人やモデルを撮影した数々のヌード作品の中で一番大きなスペースを割いているのが
貴乃花・曙が活躍した95年の大相撲力士たちの集合写真であり
そこに並ぶ力士たちの顔を見て、直前コーナーのAKBの2010年の写真と同じ刹那さを感じました。
最後を飾るのは、東日本大震災で被災された人々の肖像「ACCIDENTS」。
瓦礫の被災地をバックに、あの災害を生き延びた一般の人たちのポートレートが並び
その表情はここまでに見てきた有名人やモデルとはまた違うような、
それでいて共通するような「力強さ」を感じさせるものとなっています。
非現実から現実へとグラデーションを描く構造の展覧会。
被写体のもつ魅力を的確に切り取る篠山の「腕」を感じる作品の数々でございました。
長崎歴史文化博物館で5月29日まで開催中です。
アイドルや俳優、女優、作家、スポーツ選手、伝統芸能、ヌード、建築・・・
さまざまなものを写し、時には論争の火種となりながらも
その活動は常に注目を浴びてきました。
今回の展覧会では60年代から現在に至るまでの彼の作品の数々から
写真の持つ力=「写真力」が感じられるポートレート作品を本人がセレクト。
壁面を占めるほどの巨大プリントも交えつつ、
5つのセクションに分けての展示が行われています。
最初のエリアは「GOD」。「鬼籍に入った有名人」の写真であり
きんさん・ぎんさん、夏目雅子に続いては三島由紀夫のヌード写真が2連続、
他にも和装のバルテュスや座頭市姿の勝新太郎、寅さん姿の渥美清、
そして中村勘三郎や美空ひばりといった綺羅星の数々が出迎えます。
続くエリアは非日常の夢の世界。「SPECTACLE」。
中村勘九郎に片岡仁左衛門、中村獅童たち歌舞伎役者の鮮やかな写真は
まさに現代に蘇った東洲斎写楽の役者絵のように見えます。
そして自身を「シノラマン」というキャラクターに転じて撮影した、とされる
閉園後のディズニーランドのキャラクターたちの素顔のポートレイトに
パノラマ撮影と合成、そして奇抜な衣装で異世界を作り上げた後藤久美子の「夢少女」も。
続いては舟木一夫、キャロル、山口百恵からAKB、ももクロ、佐々木希まで。
誰もが知る有名人たち「STAR」。
アクターズスクール時代の満島ひかり(今から約20年前!)や
篠山の妻となった南沙織、さらには渡辺謙と小林旭(渡り鳥シリーズ時代)、
王・長嶋と内村航平・羽生結弦といった新旧対比で見せる構図もおもしろいです。
原田知世・福山雅治といった地元民にアピールする顔も(内村航平もですね)
そして篠山の名を高め、多くの論争や事件も呼んだ肉体美への賛歌「BODY」。
樋口可南子、宮沢りえ、橋本マナミ、カルメン・マキ、黒柳徹子(!)といった
芸能人やモデルを撮影した数々のヌード作品の中で一番大きなスペースを割いているのが
貴乃花・曙が活躍した95年の大相撲力士たちの集合写真であり
そこに並ぶ力士たちの顔を見て、直前コーナーのAKBの2010年の写真と同じ刹那さを感じました。
最後を飾るのは、東日本大震災で被災された人々の肖像「ACCIDENTS」。
瓦礫の被災地をバックに、あの災害を生き延びた一般の人たちのポートレートが並び
その表情はここまでに見てきた有名人やモデルとはまた違うような、
それでいて共通するような「力強さ」を感じさせるものとなっています。
非現実から現実へとグラデーションを描く構造の展覧会。
被写体のもつ魅力を的確に切り取る篠山の「腕」を感じる作品の数々でございました。
長崎歴史文化博物館で5月29日まで開催中です。