リンムーの眼 rinmu's eye

リンムーの眼、私の視点。

「超ブルー」と「根なし草」

2006-06-23 | music
どんなつらい時でさえ歌うのはなぜ? (さあね) 「BLUE」より

宇多田ヒカル『ULTLA BLUE』を聴く。
百万枚売れるような音楽を、ふだん聴かないのだが、何となく気になった。
これまでの宇多田の唄のなかでは、「Traveling」が好きだ。
最近のシングル「Keep Tryin'」はこの系譜の曲であった。
メロディの素晴らしさと歌詞のお気楽さに、余裕を感じる。
憂いを帯びた曲調が多いなか、この曲の軽やかさが一際映えている。
「これが唄だ(これが宇多田)!」という貫禄を感じさせるアルバムだ。

ソウル・フラワー・モノノケ・サミット『デラシネ・チンドン』を聴く。
彼らを知ったのは、何年前だったか、寿町のフリー・コンサートに行った時だ。
日雇い労働者と聴くチンドン…。カルチャー・ショックを受ける体験だった。
去年、古本屋のBGMで流れていて“再会”し、改めて聴いてみようと思った。
このアルバムには、「竹田の子守唄」の元唄が二曲収められている。
「竹田の子守唄」の背景は、森達也著『放送禁止歌』(知恵の森文庫)に詳しい。私はこの本を読んで、目からウロコが何枚も落ちた。
唄い継がれてきた曲の歴史の強さを感じさせるアルバムだ。

あなた上から下がり藤
あたしゃ下から百合の花
そこで電気をけしの花
こんなよいこと梨の花
ストトンストトン…
「ストトン節」より