映画『フラガール』を観ました。
フラダンスが題材ということで、『ウォーターボーイズ』(女性+方言という点では『スイング・ガールズ』により近い)系の、軽妙なコメディだと思っていましたが、予測は快く裏切られました。
笑いだけではない、泣ける人間ドラマでした。
舞台はいわき市、傾き始めた炭鉱の町に「常磐ハワイアンセンター」設立の話が持ち上がります。
そこにハワイアン・ダンスを指導しに、東京から流れてきたダンサーが、現れて…。
このダンサーを松雪泰子が演じています。
女優というよりも、“きれいなお姉さん”的なモデル系タレントのイメージが強いですが、見事な演技をみせています。最近目立った活動がなかったので、カムバック作と言ってもいいでしょう。
登場人物の描き方が大変巧い。主役格の蒼井優、脇を固める豊川悦司や岸辺一徳など、また飛び道具的なキャスチングのしずちゃんも、観る者の共感を誘うキャラクターを演じています。
物語に引き込まれ、感情移入して観ていると、後半は感動的なシーンの波状攻撃です。
私は、映画を観て、泣くということはないんですが、それでもウルウルきました。
最近は、「泣ける映画」というふれこみが多く、それだけが絶対的な映画の価値になっているような気がします。
この映画の畳み掛ける「泣けるシーン」も、そういう流れで作られているんでしょう。
ただ、「泣き」に重点が置かれることで、印象的な、映画的なシーンが観客の印象に残らなくなってしまうとしたら、残念なことです。
「映画的」とは、はっきり定義できない言い方ですが、「ああ、今、映画を観てる」「映画を観る、という体験をした」という実感のことです。なかなか伝えにくいんですが、映画独特の“あのカンジ”のことです。
この映画では、映画ならではの“あのカンジ”をいくつかのシーンで味わえました。
また、『ウォーターボーイズ』系の企画も、そろそろ飽和状態ではないでしょうか。このテの映画で演目がハイライトにならなくなってきていると思います。
『フラガール』でも、大円団のダンス・シーンの前で、物語としては終わっています。タイトルを冠している演目が、エンドロール的な場面になってしまっているのは、本末転倒ではないでしょうか。
企画ありきで、映画が製作される弊害を感じます。
監督の李相日には確かな実力を感じました。
できればこの人に『パッチギ2』を作ってもらいたいです。
フラダンスが題材ということで、『ウォーターボーイズ』(女性+方言という点では『スイング・ガールズ』により近い)系の、軽妙なコメディだと思っていましたが、予測は快く裏切られました。
笑いだけではない、泣ける人間ドラマでした。
舞台はいわき市、傾き始めた炭鉱の町に「常磐ハワイアンセンター」設立の話が持ち上がります。
そこにハワイアン・ダンスを指導しに、東京から流れてきたダンサーが、現れて…。
このダンサーを松雪泰子が演じています。
女優というよりも、“きれいなお姉さん”的なモデル系タレントのイメージが強いですが、見事な演技をみせています。最近目立った活動がなかったので、カムバック作と言ってもいいでしょう。
登場人物の描き方が大変巧い。主役格の蒼井優、脇を固める豊川悦司や岸辺一徳など、また飛び道具的なキャスチングのしずちゃんも、観る者の共感を誘うキャラクターを演じています。
物語に引き込まれ、感情移入して観ていると、後半は感動的なシーンの波状攻撃です。
私は、映画を観て、泣くということはないんですが、それでもウルウルきました。
最近は、「泣ける映画」というふれこみが多く、それだけが絶対的な映画の価値になっているような気がします。
この映画の畳み掛ける「泣けるシーン」も、そういう流れで作られているんでしょう。
ただ、「泣き」に重点が置かれることで、印象的な、映画的なシーンが観客の印象に残らなくなってしまうとしたら、残念なことです。
「映画的」とは、はっきり定義できない言い方ですが、「ああ、今、映画を観てる」「映画を観る、という体験をした」という実感のことです。なかなか伝えにくいんですが、映画独特の“あのカンジ”のことです。
この映画では、映画ならではの“あのカンジ”をいくつかのシーンで味わえました。
また、『ウォーターボーイズ』系の企画も、そろそろ飽和状態ではないでしょうか。このテの映画で演目がハイライトにならなくなってきていると思います。
『フラガール』でも、大円団のダンス・シーンの前で、物語としては終わっています。タイトルを冠している演目が、エンドロール的な場面になってしまっているのは、本末転倒ではないでしょうか。
企画ありきで、映画が製作される弊害を感じます。
監督の李相日には確かな実力を感じました。
できればこの人に『パッチギ2』を作ってもらいたいです。