リンムーの眼 rinmu's eye

リンムーの眼、私の視点。

映画『カポーティ』

2006-11-08 | movie
映画『カポーティ』を観た。
作家の業を感じさせる映画だった。
トルーマン・カポーティが『冷血』執筆時の取材過程を題材にした映画である。
カポーティは殺人事件の取材の中で、殺人犯と心を通わすが(私は君の友達だ、とも言う)、死刑にならなければ小説が完成しないと苦悩する。
懇意になった刑事に作品のタイトルが決まったんだ、と告げる場面がある。
「『冷血』っていうんだ」
「それは、あんたが取材する相手のことか?それとも取材するあんたのことか?」
「…私は前者のつもりだが」
作品完成がもたらす作家としての栄光と、人間としての欠落が描かれていた。

この映画を観て、また新たな視点でカポーティの作品を読み返してみたいと思った。
カポーティについて、村上春樹は「文章の秘密」があって、どれだけうまく綺麗に訳せるかやりがいがあると言っている。

いつか原文で読んでみたいが…。


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