怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

一日書道教室

2012年07月23日 | 文化
一日だけの書道教室が開かれることになり、特別に興味も無かったのだが誘われたので行ってきた。
2時間だけで毛筆を持ったことさえないドイツ人たちにどうやって指導するのかと思った。
用意されたのは草書の本(のコピー)。ええっ!いきなり草書!?


「気に入った字を選びなさい」「上手に書こうとせず、心を無にして一気に書き上げなさい」
などと、初心者には斬新に思えるくらいの指導法だ。
ところが周囲を見渡すと、みんな、それなりにさまになっているものを書いているのでこのやり方は効果があると判明。
以前、私は某欧州人に筆を持たせたことがあるのだが、自分が子供の頃習ったとおりに楷書できちんとしたものを要求したのは無理があったのかもしれない。

指導者の台湾人男性の講義は鈴木大拙にまで及んだ。書道も精神世界に通じるのだなっ。


先生がその場で書いてくれたもの。左上は確か「愛」右上は「好」、下は明らかで「禅」。
「できるだけ速く書きなさい」と指導していたが、彼の書き方も一瞬のうちだった。
この三枚、ちょっと欲しかった。特に「禅」。これはかっこいい。なかなか言い出せなかった私の代わりに他の人が持って帰ったことだろう・・・・



しばらく練習した後、一人づつ皆の前で気に入った一字を書き上げた。
私は「好」を選んだのだが・・・

師匠が私に尋ねた。「これは『ぬ』ですか?」うううっ、先生は日本語の教養もあるのかっ
書き直したのが右なのだが、やっぱり『ぬ』にしか見えない・・・
だって「心を無にして、できるだけ速く書く」って、脳みそを働かせないで書き殴るのだから、多少めちゃくちゃなのが出来上がっても当然ではないか、と言い訳したいぞ~

清書した二枚は家に持ち帰った。ドイツでの斬新な書道指導を受けて、ちょっと満足。
手持ちのりす落款を押してみたらけっこういい感じになったので、りす部屋にしばらく掲げることにした。
「なんだかウサギみたいねぇ」と私が夫に言うと、彼は「あ、ホントだ」と答えたのでびっくり。
ドイツ人にもウサギに見える「ぬ」。
毎日いい日でありますように、という願いをこめて選んだ「好」、ま、ウサギに見えてもいいかな。