emotion

多分、俺は独りで生きていくんだろうな


季節がまた変わる


そして、俺はまた何も代わり映えのしないロックを弾いて誤魔化してる


若さと音楽が言い訳なんてバカげてるだろ？


好きな時に海に行ってその気になってるんだからさ



それでも


時間は平等に流れてるんだ


俺が好き勝手やっている間も



どれだけ


遠回りしたって後悔しないさ


それに


もう何も言えないし



一度だけ時間を巻き戻せるなら


俺と同じ歳だった親父に会わせてくれ




５８号から続くテールランプを眺め


ため息溢したところで


昨日の酒は抜けない


どこまで走ればたどり着くだろう



過ぎ去った日々に追われるのは


もう嫌なんだ


一つだけ願いが叶うならアイツを忘れさせてくれよ




時間が全てを解決してくれるなら


ロビンソンクルーソーにだってなるさ



どれだけ濃厚な蒸留酒を飲み込んだって


頭のネジは飛んだままなんだ



もう明日は木曜日だってのに


ギター弾かないで


ギター眺めて酒煽ってる


大して飲めないくせにさ



楽しいことって何さ？



だから教えてくれよ


俺と同い年の親父よ



俺はどこに行けばいい





コスタリカから眺める北カリブの海は



夢に溢れていたはずだけど



このままパナマに抜けて行こうか


それとも


カリブの海を渡ろうか



８０年、９０年、００年、１０年・・・


確かに


求めるものは変わるだろう



それでも


アイツだけは変わらないんだ




俺は何を期待しているんだろう



何のためにこの曲を作っているんだろう



Ｃコードのブルースハープ


Ａコードの音叉


オープンチューニングのアコースティック





『道があるからそこに行くんじゃないんだぞ



道がないけどそこに行くんだ



いつかきっと


そこが見えてくる時がくるから


そうしたら家族を持て


すべてが変わるから


きっと一番大きい仕事になるけど


躊躇するな


それが唯一



お前が男として生まれてきた証になるから』


そんな親父に唯一貰ったものは


ビリージョエルのベストだけさ



今じゃ針が飛んで聴けたもんじゃないけど




それでも


このまま時間が止まるなら


俺は家族の傍にいるから



アムトラックに乗って行けるとこまで行って



そこからは


考えるよ



行きつくところは家族のもとだから