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お宝本!?

2007-08-07 21:50:00 | 朗読あれこれ
仕事場に、映画と本に滅法詳しいAさんという人がいます。
何をきいても答えるAさんに、いつも私は
「その知識と分析力でなんか商売できないかねぇ」
と悪知恵をふっかけるのですが、いつも彼は
「そうですねぇ」
などと云って、飄々とうまくかわしてしまうのです(^^;

Aさんがきょう私に
「こんなのがウチに送られてきました。見ます?」
と差し出したのは、
東京・神保町の古本屋さん『玉英堂』の
「こんなのありますよ」オススメ一覧本でした。
(こんな軽いタイトルでは勿論ありません
 きちんとタイトルがついてましたが忘れました)

見ていると、まるで博物館を覗くよう。
『春と修羅』初版、百万円、
など、お値段につい目がいくのも悲しいけどホント。

でももっと面白かったのは、その本についての
エピソードが書かれているものもあって、
『三四郎』の表紙と背表紙担当者が何度も手直しし
作り上げたのに、最終版をみて漱石は
やはりまた文句を云った・・・とか、
『伊豆の踊子』の中で、踊り子の版画を合計12版刷って仕上げた
すばらしいものがあるそうで、その版画家が
「自分は生涯これ以上のものはできないのでは」と云うほど
精魂込めたものらしい・・・とか、
ごめんなさい、その一覧本は借りるわけにはいかなかったので
うる覚えで書いていることをご了解ください、ただ
本の中味や作家による価値、プラス、
見た目の芸術性や希少価値に重きをおいた
その感じが新鮮だったのです。

こんなこと、古書巡りをされている方には何の驚きもないでしょうが
普段、文庫本を買うことが多い私には、
作家が本を出すときの“気概”(気合い?)たるものは
相当なものであるということを改めて思い知りました。
そしてその注がれた“愛と執念”を
時には知っていたいと感じました。

下世話な話で恐縮ですが、Aさんが云うには
海外のプレミア付きの本の値段は桁が違っていて
エドガー・アラン・ポーの本などは数億円するそうです。
たはっ。