いつまでもデブと思うなよ (新潮新書) | |
岡田 斗司夫 | |
新潮社 |
泉ピン子さんがテレビの企画でやっていたレコーディング・ダイエットです。ダイエットということばにはもともと<見直す>という意味がありますので、そういう意味では本書は正にダイエットの本だと思います。
本題に入る前の著者の<見た目論>が面白い。近年、ことに21世紀に入ってからの日本は見た目国家、得にめがねをかけてる人はこうだ・・・マッチョな人はこうだ・・・デブはこうだ・・・といった見た目カテゴリーに一度分類されてしまうと、後で何をアピールしても「所詮デブはデブじゃないか」と意味をなさない。やや強引だが何気に納得させられてしまう。
現代社会ではいわゆる見た目がきれいな人のほうが、自分の容姿だけでなくあらゆることに自信を持っていて、地味な人は自信が持てないといったことを聞いたことがある。見た目よりも中身が大切だということは誰でもわかっている概念なんだけど、今時は中身がわかるくらい他人と付き合わないのでどうしても見た目が重要視されてしまうのだとか。
一口に見た目といっても容貌そのものから、メイクや服のセンス、立ち居振る舞いや言葉遣いなどいろいろあるのだけど、著者の分析によると、
第1層:肉体そのもの・・・家に例えると土地
第2層:ファッション・・・家に例えると建物
第3層:言動・・・・家に例えると内装
髪型や服装、言動やしぐさなどでイメージは変えることはできるけど。何よりも第1層の肉体がよくないと難しい。インテリアがどんなにお洒落でも建物がもろいと住宅としての価値は落ちるし、どんなに広くて立派な建物でも駅からの距離が極端に遠くて利便性の悪い場所に建っていたら誰も住もうと思わない。
さて本題だが、まず最初はとにかく食べたものを片っ端から手帳に書いていく。著者は書くだけで10kgほど体重が落ちたんだそうです。書くことによって食べているものを意識するようになるのだとか。それを2週間つづけたら次は食べたのものカロリーを計算してみる。それをしばらく続けてから具体的なダイエットをはじめるのだそうです。
とにかくやっちゃえ!!と見切り発車させるのではなく自分は今どういう状態かということをじっくり見据えた上でダイエットを始める。ダイエットでなくても何をやるにも本来大切なことですよね。ただ、なかなかできることじゃない。
著者は楽して簡単だと述べてましたが・・・これはこれで結構根気がいるんじゃないかと思いました。ただ、やってみる価値は充分ありそうです。
もうひとつ面白いなと思ったのは、順調に体重を落として行ってある時期にはいるとなかなか痩せなくなる、いわゆる停滞期。その停滞期は実は人間の本来もっている恒常性によって、もとの体重を維持しようとする働きによるものなんだそうです。恒常性は健康を守るだけでなく場合によっては非健康な状態も維持してしまうんですね。
これまでにもいろいろなダイエット本は読んできましたが、本書は最も説得力があって納得させられ、且つ読んでいて面白かった。しかも自分もやってみようかなという気持ちにさせてくれる有り難い1冊です。
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