とても寒い夜明け前
ぬくぬくのシュラフから簡単には出れなかった
それもそのはず
標高2860mの朝の気温は
6度と凍てつくほど寒く
平地の酷暑が嘘のように感じた

本日の天候は晴れ
絶好の登山日和だ
日の出前に殺生ヒュッテから東鎌尾根に登り
御来光を迎える事にした
寝ぼけ眼を擦りながら
冷えた体が程よく温まった頃
東鎌尾根分岐点に着いた
尾根からの眺めは息をのむ美しさが広がっていた



雲海に浮かぶ富士も見えました


新しい一日の始まりです

最も山が美しく見える瞬間のモルゲンロート
今日はほんの数十秒の間だけ
色濃く染める瞬間があった
鋭く尖った槍が真っ赤に染まり
一段と精悍な表情を表していた




朝日の光を全身に浴びパワーを頂き
テン場に戻りテントを回収して槍ヶ岳に向った

殺生ヒュッテから30分程で
槍ヶ岳の肩にある槍ヶ岳山荘に着いた
ここから更に30分程で槍ヶ岳の山頂に着きます

登る前に槍ヶ岳山荘のテン場を視察する事に
テン場からの槍ヶ岳の眺めは絶景です
この時気持ちが揺らいでしまい予定を変更
今日はここにテントを張ることにした
明日の天気予報も晴れ
風が17mと少し気になりますが...
縦走を一日先延ばしにしてしまった
この判断ミスで縦走が出来なくなりましたが...

山荘でテント泊の受付を済ませて
トンガリの先端へと目指しました
核心部は梯や鎖がしっかり設置してある為
難しい場所も少なく楽しめます

標高3180m槍ヶ岳登頂
頂には龍のような雲が舞っていました

槍ヶ岳山荘を見下ろすと
山荘の大きさがよくわかります
自分のテントもよく見えます

穂高連峰を結ぶ天空の尾根もよく見えます
本来は登頂後にこの尾根を歩き大キレットを越え
北穂高小屋に向かう予定でしたが...
この時の自分は明日この尾根を歩ける喜びに
胸を熱くしていました

今朝の東鎌尾根もよく見えます


テン場に戻って絶景を眺めながら
珈琲を淹れたり食事をとったり植物を見たりと
優雅な時間を贅沢に過ごします




午後になると風が強くなってきました

それから15時を過ぎた頃には更に風は増し
富山側から流れてくる雲により一面真っ白に
天候が急変してしまいました
綺麗な夕焼け空を望める時間帯には
雨のないものの視界ゼロの嵐と化していました

爆風にテントを煽られながら一夜を明かし
翌朝の天候回復を期待のしたのですが
風は更に勢力を増し台風状態
おまけに視界ゼロ
後ろ髪を引かれる思い出で下山する事にしました

下山途中の涼しい渓流沿いに腰を掛け
北穂高小屋で食べる予定だった
絶品カレーを噛みしめて
今回の旅を締めくくりました。

またいつか挑戦します。

camera
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III
lens
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO