ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

中国人との語らい

2012-11-10 14:10:46 | Weblog
中国人の友人と、どんどん仲がよくなるのはいいんだけど、
彼らは、語りたいことがたくさんある人たちなので、話が終わらない。

昨日は、私以外の3人は中国人。
そのうち1人は初対面の人だったけれど、まあ、語る語る。
テーマは「中国の黒社会について」。

中国語の黒社会とは、マフィアや暴力団のことなんだけど、
もちろん中国には「黒社会」なる組織はない。
まあ、つまりは共産党が中国の黒社会だ、というようなことだった。
全人代が開かれているので、やはりみんなの政治に対する関心が
高まってるんだろうと思う。

共産党の腐敗の問題から、格差や私有財産、超高齢化社会と農村のありかた、
そして、もうすでに学ぶだけ無駄になっている
マルクス・レーニン主義と毛沢東主義についてなどなど、いろんな話が出た。

最後のほうでは、日本人の私が、
「いやいや、一党独裁にはいいところもあるよ。
 若くて純粋なときに、共産主義の理想を学ぶのも価値があるよ」
とフォローを入れるくらい、すごく白熱した。

どこの国も同じで、国民の不満が高まりそうになると、お金をばらまく。
中国ではいま、かつて中原と呼ばれた地域の農村が貧しく、
むかしの人民公社のような制度を復活させ、管理し、そのかわりに補助金を渡している。

上海で競争しながら、物価高にあえぎながら暮らしている若者からすると、
労働もしないのに、不満をもっているから、という理由だけでお金をもらえるなんて、
そんなのおかしい!となる。
むかしの人民公社のころは全員が貧しかった。
でもいまは、格差の是正のために、働かない人にお金をばらまくようになった。
お金をばらまくときは、必ず利権がからみ、汚職が出てくるでしょ!と。

どこかの国でも聞くような問題が、ある。

日本と中国の対話というと、なぜかみんながプチ政治家になって、
領土問題を語り始めるんだけど、
本当に議論すべきは、人が組織をつくるときに、
その時代が共通でもっているある種の脆さを
どう克服していけるのか、ということなんじゃないだろうか。
そして、それが共産主義の世界同時革命のような失敗するための試みにならないように。

むかし、中国語を話せても、なんにもいいことなんかない、
矢面に立たされるだけだ、と思っていた時期がある。
いまでもそういうときはあるのだけど、
でも、いまは、中国語を学んで本当によかったなあ、と思うようになった。

母が過労で倒れるまでして入れてくれた大学で、中国語を学んだ。
私はそれをずっと後悔しながらきた。
中国語を話せるようにはなったけど、中国語を使いたくないんです、なんて。

今回、中国に来て、ようやく胸をはって、母の気持ちに向き合う準備が
できてきたような気がする。
言葉はどこの国の言語でも、人の魂が生きるためにあるものなんだ。