日本では、外国に留学したと言うと、
その国に興味があり好きだから行くのだ、と思うだろう。
ということで、中国に住んでいるなんて言うと、親中派と見られることもある。
最近の日中関係の影響を受けて、
日本人から、中国に住んでる日本人は売国奴だと言われることもあるらしい。
まあ、主にネット上でだ。
そういう話に触れるたびに、日本人は純粋だなあ、と思う。
私が知っている中国人で、日本留学経験および就業経験がある人たちは、
決して親日派ではないし、周囲の中国人もそんなふうには思っていない。
だから「この人は日本への留学経験もあるし、きっとフェアだ」と期待して、
支那事変の話を始めようものなら、その中国人からは猛烈にイヤな顔をされ、
日本ってさ~と悪口をさんざん聞かされるハメに陥る。ただし、過去のではない。今の悪口だ。
「あの人、日本人なのに、約束守らないよ!」と。笑える。
ただ、中国人の反応は当たり前だ。
彼らは「海外留学経験くらいないとね」という層に属し、
たまたま中国よりも日本のほうが進んでいる部分があるから、
見栄えがいいので日本に行っただけであり、決して、心底日本が好きなわけではない。
たまに、日本人になりたいと言う中国人もいるにはいるが、
理由を聞くと、社会福祉がしっかりしてて老後の不安がないから、と現実的な答えが返ってくる。
だから、私はもう中国人と過去の話をする望みは捨てたし、謝る気も全然ない。
なんか言われたら「そっか~歴史に詳しいんだね」と切り返してごまかす。
1949年よりも前の歴史は、中国にとっては古代史だ。
勝った人たちがいいように歴史を書く習慣を作って、かれこれ2000年以上。
中国人ほど歴史を信用していない人たちもいないし、
歴史に詳しいんだね、と言われた瞬間の彼らの顔を見ているうちに、
これは最高の皮肉になるのだと気がついた。
つまり、そういうことを言う人は、実体験ではないことに言いがかりをつけている。
単に、俺はお前より上だ、と言いたいがための方便として活用してくるだけだから、
相手にしないに、こしたことはない。
それよりも、ようやく労働者階級ができた彼らと、同じ目線で話すほうがいいだろう。
共産党よ。むかしは無理矢理に階級闘争を自作自演してきたけれど、いまこそ出番だ!
というときに、共産党幹部は資産家の仲間入りをしていたのでした、というオチ。
これほど中国人と盛り上がれる話題はない。
ただ、そういうとき、たまに中国人がポツリと質問してくる。何気ない感じでだ。
おそらく、おじいさんやおばあさん、またはその上の代の人が、戦前の日本人と接したことがある。
どうやら家の中でこっそりと伝わっている日本人評には、
表向きの歴史とは全然違う好意的なものもあるようだ。
それに、80年代以降の若者は、日本のアニメにも触れているので、日本のよさも結構知っている。
で、聞かれたこっちが、左翼で歪められた日本史しか知らないのだから困ったものだ。
一度、距離感がつかめず、私が戦前の日本人をあまりよく言わなかったら、
本当に困った顔をされたので、じゃあ、ちょっと日本を弁護していい?と話を繋ぐと、
うんうん、そういう話が聞きたかった。だって、日本人は約束を守るし、きちんとしてるし、
それは過去の日本人もそうだったと思うから、と。
こんなときに、GDPが、なんて言うと、いい感じにヒートアップする。
日本を抜いたなんて言ってるけど、私の生活水準は、明らかに日本の平均水準より低い!
中国人の態度なんて、非文明的もいいところじゃない! みんな政府の嘘!
特に上海人最悪!と言い出す。
上海人は、気の毒になるほど、本当に嫌われている。
だから、中国人のおかげで、私は本格的に自虐史観を捨てることになった。
日清戦争からすでに百年以上が経過したのだし、そろそろ比較的近い「古代史」を
違う眼で眺めてもいいじゃないか。
この土日に読んだ2冊。
『真実の中国史 1840-1949』『真実の満洲史 1894-1956』(宮脇淳子著)
宮脇さんへのインタビューを編集部がまとめたものなので、文体は話し言葉に近く、
大学の講義を聴いているようにわかりやすい。
ただし、ところどころに、某国を「本当にひどい」と言ったような、
話の流れに出てくる感情的な主観が織り交ぜられており、
きっと編集部の方針なんだろうとは思ったが、内容がいいだけに、すごく残念だった。
こういう感情的な言葉は、ブログで出すならいいけど、書籍では大人げないと思う。
むかし中国の書籍は、読み手は書き手よりも博学で賢いという立場で編まれた。
みんなが当然知っていることや、当然もつ感情は省略された。
だから、行間を読む、という言葉ができたんだ。
最近、日本で発刊される脱自虐史観の本は、それなりに面白いし、
内容もよく調べてあって、全体的な方向性としては賛成なのだけど、
この「行間を読む」部分に触れるあたりが、ちょっと下品だと思う。
その国に興味があり好きだから行くのだ、と思うだろう。
ということで、中国に住んでいるなんて言うと、親中派と見られることもある。
最近の日中関係の影響を受けて、
日本人から、中国に住んでる日本人は売国奴だと言われることもあるらしい。
まあ、主にネット上でだ。
そういう話に触れるたびに、日本人は純粋だなあ、と思う。
私が知っている中国人で、日本留学経験および就業経験がある人たちは、
決して親日派ではないし、周囲の中国人もそんなふうには思っていない。
だから「この人は日本への留学経験もあるし、きっとフェアだ」と期待して、
支那事変の話を始めようものなら、その中国人からは猛烈にイヤな顔をされ、
日本ってさ~と悪口をさんざん聞かされるハメに陥る。ただし、過去のではない。今の悪口だ。
「あの人、日本人なのに、約束守らないよ!」と。笑える。
ただ、中国人の反応は当たり前だ。
彼らは「海外留学経験くらいないとね」という層に属し、
たまたま中国よりも日本のほうが進んでいる部分があるから、
見栄えがいいので日本に行っただけであり、決して、心底日本が好きなわけではない。
たまに、日本人になりたいと言う中国人もいるにはいるが、
理由を聞くと、社会福祉がしっかりしてて老後の不安がないから、と現実的な答えが返ってくる。
だから、私はもう中国人と過去の話をする望みは捨てたし、謝る気も全然ない。
なんか言われたら「そっか~歴史に詳しいんだね」と切り返してごまかす。
1949年よりも前の歴史は、中国にとっては古代史だ。
勝った人たちがいいように歴史を書く習慣を作って、かれこれ2000年以上。
中国人ほど歴史を信用していない人たちもいないし、
歴史に詳しいんだね、と言われた瞬間の彼らの顔を見ているうちに、
これは最高の皮肉になるのだと気がついた。
つまり、そういうことを言う人は、実体験ではないことに言いがかりをつけている。
単に、俺はお前より上だ、と言いたいがための方便として活用してくるだけだから、
相手にしないに、こしたことはない。
それよりも、ようやく労働者階級ができた彼らと、同じ目線で話すほうがいいだろう。
共産党よ。むかしは無理矢理に階級闘争を自作自演してきたけれど、いまこそ出番だ!
というときに、共産党幹部は資産家の仲間入りをしていたのでした、というオチ。
これほど中国人と盛り上がれる話題はない。
ただ、そういうとき、たまに中国人がポツリと質問してくる。何気ない感じでだ。
おそらく、おじいさんやおばあさん、またはその上の代の人が、戦前の日本人と接したことがある。
どうやら家の中でこっそりと伝わっている日本人評には、
表向きの歴史とは全然違う好意的なものもあるようだ。
それに、80年代以降の若者は、日本のアニメにも触れているので、日本のよさも結構知っている。
で、聞かれたこっちが、左翼で歪められた日本史しか知らないのだから困ったものだ。
一度、距離感がつかめず、私が戦前の日本人をあまりよく言わなかったら、
本当に困った顔をされたので、じゃあ、ちょっと日本を弁護していい?と話を繋ぐと、
うんうん、そういう話が聞きたかった。だって、日本人は約束を守るし、きちんとしてるし、
それは過去の日本人もそうだったと思うから、と。
こんなときに、GDPが、なんて言うと、いい感じにヒートアップする。
日本を抜いたなんて言ってるけど、私の生活水準は、明らかに日本の平均水準より低い!
中国人の態度なんて、非文明的もいいところじゃない! みんな政府の嘘!
特に上海人最悪!と言い出す。
上海人は、気の毒になるほど、本当に嫌われている。
だから、中国人のおかげで、私は本格的に自虐史観を捨てることになった。
日清戦争からすでに百年以上が経過したのだし、そろそろ比較的近い「古代史」を
違う眼で眺めてもいいじゃないか。
この土日に読んだ2冊。
『真実の中国史 1840-1949』『真実の満洲史 1894-1956』(宮脇淳子著)
宮脇さんへのインタビューを編集部がまとめたものなので、文体は話し言葉に近く、
大学の講義を聴いているようにわかりやすい。
ただし、ところどころに、某国を「本当にひどい」と言ったような、
話の流れに出てくる感情的な主観が織り交ぜられており、
きっと編集部の方針なんだろうとは思ったが、内容がいいだけに、すごく残念だった。
こういう感情的な言葉は、ブログで出すならいいけど、書籍では大人げないと思う。
むかし中国の書籍は、読み手は書き手よりも博学で賢いという立場で編まれた。
みんなが当然知っていることや、当然もつ感情は省略された。
だから、行間を読む、という言葉ができたんだ。
最近、日本で発刊される脱自虐史観の本は、それなりに面白いし、
内容もよく調べてあって、全体的な方向性としては賛成なのだけど、
この「行間を読む」部分に触れるあたりが、ちょっと下品だと思う。