ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

バス

2014-01-22 00:48:05 | Weblog
今朝、通勤でバスに乗ろうとしたら、
乗車口から、よぼよぼのおばあさんが降りて来た。

上海のバスは運転が荒いので、きっと後ろの降車用ドアまで回る勇気がなかったのだろう。
そう思ったので、おばあさんが降りてくるまで戸口で立っていたら、
後ろのおじいさんに突き飛ばされた。

おじいさんは、おばあさんの存在など気にせずバスに乗り込み、
おばあさんがおびえてしまったので、私はまた少し待った。

そのとき、乗車を待っていたのは、おじいさんと私の2人だったので、
それ以外にはさして混乱もなく、私は乗り込んでから、運転手さん付近の座った。

近くに、当該のおじいさんもいて、少しイヤな感じだったけど、
まあ上海のじじいなんて、そんなものだから、気にしまい、と思った。

おじいさんは、乗り込んですぐに、運転手さんの近くまで行って、
「このバスは○○に行くのか、着いたら声をかけてほしい」という話を、
すごい訛りで話し始めた。
どうやら上海人ではないようだし、標準語もあまり話せないらしい。

特に地名は、少し訛ると通じない。
運転手さんになんども聞き返され「わかった、そこについたら声をかけるから」と言われても、
何回言われてもおじいさんは納得できず、同じ話を繰り返した。

しまいに運転手さんは困ったような顔で、私のほうに「やれやれ」という視線を投げて来た。
でも、おじいさんへの応対は丁寧だった。
私は中国人ではないし、
正直言って、おじいさんが何を言っているのか、具体的な内容はほとんど聞き取れなかったから、
何もフォローしてあげることはできない。
運転手さんに、「お疲れさま」という意味を込めた笑みを返してあげることしかできなかった。

こういうとき、日本人も中国人も何ら変わりはない、と思う。
老いも不安も、そしてめんどくさいという気持ちも、でもお年寄りには親切にしようという誠意も、
誰もが平等に持っている。

今日の運転手さんは、運転ほどは、乱暴な性格じゃなかったようだ。