豚も杓子も。

私にすれば上出来じゃん!と開き直って、日々新たに生活しています。

花田少年史

2006年09月05日 | Weblog
難解で深遠な幽玄の世界に浸るはずだったのに・・。

本当は「死者の書」という映画を見るはずでした。少し遠い、こだわりの作品を単館上映する映画館に出かけ、切符売り場で「死者の書二枚ください。」と告げました。すると、係りの方が申し訳なさそうに「昨日までだったんですよ・・。」。
あらら・・・。

映画を見たい気持ちを満足させるべく、代わりに見ることにしたのが「花田少年史」。この作品は、尾道と同じく瀬戸内海に面した、忠海(ただのうみ)という小さな港町が舞台です。
死者の書が幽霊の話なら、花田少年史はお化けの物語といえるでしょうか。ポルターガイストあり、ホラーあり、普通なら絶対に見ようとも思わない超常現象てんこ盛りの作品です。これを笑いながら鑑賞するというのもなかなか得がたい経験でした。

花田少年役の須賀健太くんが、悪がきっぷりを思い切り見せてくれるのに対して、純情方面を一手に引き受けていた村上壮太役の松田昂大くん。二人ともとてもかわいかったです。モダンチョキチョキズだった濱田マリさんの女医さんもかなり良いです!
ともかく、このメンバーで面白くないわけがないという配役ですから、きっちり笑って、きっちり泣きました。

パンフレット買ってきたのに・・見当たらない。
しょうがない、詳しいことはここで。ともかく、随所にくすくす感いっぱいの、怖いけど(いろんな意味で)温かい家族の話でした。


この映画の監督は、広島出身の水田伸生さん。
同じく「はちみつとクローバー」の監督、高田雅博さん、「タイマグラばあちゃん」の監督の澄川嘉彦さん、オダギリジョーさん出演の話題作「ゆれる」の女性監督西川美和さんも当地の出身。「いま、会いに行きます」の土井裕康監督もそうです。まもなく公開の「出口のない海」の監督、佐々部清さんはお隣の山口の方です。
特につらくも厳しくも無い気候でのんびり育つといわれている瀬戸内の子達がこうして世に問うべき映画、広く受け入れられる作品を生み出す才能を開花させているのは頼もしくてうれしいことです。

前売り券を買うと、結局見に行かない・・・というジンクスはどうなるのか?という問題が「花田少年史」にはありました。今年に入って、前売り券を買った映画は全部見逃していたのです。
しかし、今回は、セーフ。それもそのはず、観るつもりもなかったので、前売り券は家の引き出しに入れたままだったのです。せめて、お財布に入れて置けばよかった。虎子にでも譲りましょう、ということで、ジンクスはまだ生きていました。
前売り券を手にしている11月公開の「デスノート(後編)」は、いかに?
告知の映像良かったです!期待大です。獄に繋がれた竜也君・・、ツボです。