読書感想文【町長選挙】

直木賞を受賞した人気シリーズの第3弾。奇特人間で神経科医師の伊良部がとんでもない治療をするのだが、今回は実在の人物をモデルにした患者が登場。



ストーリー：
収録されている4編のうち、3編はパニック症候群に陥って、カメラのフラッシュやせまい空間、暗い部屋が苦手になった球団オーナー（ナベツネがモデル）の話と、ひらがなを忘れてしまったIT長者（ホリエモンがモデル）の話と、美容に必死になるカリスマ女優（黒木瞳がモデル）の話。球界再編騒動やニッポン放送買収の話などがバックグラウンドにあり、まぁ面白いというか、こんなこと書いて大丈夫か？と思う話であったりした。
最後の「町長選挙」は、過疎地の離島で行われた島民を二分する町長選挙の真っ最中に伊良部が赴任してきて、特養老人ホーム誘致に利用される形で巻き込まれる、という内容のもの。

感想：
伊良部と助手のマユミのキャラがたっているのでどれも無難に面白かった。前作空中ブランコほどではないにしても、実在の人物をモデルにしたのはそれはそれでおもしろい。最後の町長選挙も含めて、癒し的な部分が薄くなった気はするが今後も続いてほしいシリーズ。