復活!やまがたの四季と暮らし

東北を転勤し13年間続いた仙台勤務が終了し現在は毎日が山形県人。前タイトル名「山形弁で青森暮らし」から継続のブログです。

SLさくらんぼ号

2007年06月09日 22時49分40秒 | くらし
山形左沢間を通るJR左沢線に今年もSLさくらんぼ号が走りました。
C11型蒸気機関車
このC11は国鉄の前身の鉄道省と呼ばれた時代に製造されたもので、
昭和7年~昭和22年の間に生産されたものです。
まだ自分が生まれるどころか、母親の誕生年です。
Cのチョンチョンという愛称があったのを子供の頃に覚えています。

そんで今回走った蒸気機関車C11325について
この型番で機関車の製造年、製造工場、履歴が解ります。
C11325は1946年に日本車輛製造というところでC11の4次形として作られています。
61歳です。写真も白黒の時代ですからモノクロとセピアで表現しました。

チョット興味が湧いてきたので、もう少し詳しく調べたら面白いことが解りました。

1946年(昭和21年)3月28日に日本車輛製造熱田工場で落成しました。
終戦直後のため物資不足や熟練工が不足した上に、生産設備が劣悪など過酷な生産環境の中で作られました。このため戦争設計とか戦争工程と呼ばれる大幅な簡素化が図られた製造だそうです。
最初は東海道本線に配属され幾つかの機関区を経て、21年後の1967年(昭和42年)3月、奥羽本線の米沢機関区に配属され米坂線や左沢線で使用されていました。
(もしかすると、この頃SLに乗った記憶ありますから、当時この機関車に乗っていたかもしれません)
1972年(昭和47年)左沢線でSL運行が終了されるにあたり、本機が「SLさよなら列車」を牽引しその後廃車となっています。
翌年に新潟県内の中学校に無償譲渡され静態保存されていました。
1996年(平成8年)真岡鉄道と言う所が使用するため、3月27日に中学校から真岡駅前に移設され、翌1997年11月よりJR東日本大宮工場で動態復元工事が行われました。
このときに元の設計だった1次型にならい、戦争設計だった、角(かまぼこ)型ドームを通常の丸型ドームに替えています。(当時を知る人には形が変わった訳です)
翌1998年(平成10年)9月に復活を果たし、10月に真岡鉄道に引き渡されました。
早速試運転が繰り返され、11月に初の営業運転に投入されました。
ホームグランドは真岡鉄道ですが、2001年(平成13年)JR東日本に貸し出され出張運転が実現しました。
そしてついに、2004年7月1日に左沢線山形~左沢間においしい山形キャンペーン「SLおいしい山形号」として実に32年ぶりの里帰り運転としてオープニングを飾っています。
翌年もキャンペーンが行われ、好評のため翌年にも「秋祭り号」として臨時運転され、今年の臨時運転「SLさくらんぼ号」となるわけです。

調べてみて驚きました。蒸気機関車にも人生の歴史があったんです。
まさか、さよなら運転した機関車が32年後にイベントで復活運転して戻ってくるなんて、当時だれも考えていなかったと思います。

このC 11は小型で扱いやすいことから、日本の動態保存中の蒸気機関車では最多の6両が各地で保存運転を行っているそうです。
        

撮影場所は中山町羽前金沢駅付近。
各駅停車と思って、スピードを落とすから撮影しやすいと考えて駅の手前にいたらそのままのスピードで通過していきました。イベント列車なんで直行のようです。
でもギャラリーを意識してか踏切のためか、迫力ある汽笛を数回鳴らしながら通過して行きました。



61年前の機関車ですから、その時代に合わせセピアとモノクロで表現してみました。
        
        


遠く富神山をバックに左沢線を走るC11。モノクロだと時代を勘違いします。
        





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