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ロシア当局がトルコ人絨毯工場労働者15人を拘束

2015年12月03日 | 国際
12月3日 ロシアは、モスクワの北西の町ロストフのカーペット工場で働いていたトルコ市民15人を、みな有効な居住・労働許可を持っているにもかかわらず、拘束しました。
 Hurriyet

ロシア当局と軍隊が、トルコ最大のカーペット製造会社「メリノス」が所有する「メリノス・ロシア」を手入れしました。同社の作業員15人が手入れで拘束されました。自宅から工場に呼び出され、拘束された人もいました。

工場のエルドアン・シェケル事務長によると、作業員たちは全員、有効な居住・労働許可を取っていたにもかかわらず、移民局に連行されました。同社は「わが社は従業員と会社に対する威嚇政策と不当な処置に、あるゆる法的対策を取って努力している。これは両国間の争いによるロシア当局の過剰な反応だ」という声明文を出しました。 

作業員たちは10日間の猶予期間の後、追放されると思われます。工場所有のコンピュータもロシア当局に押収されました。ロシアは、11月24日のロシア機撃墜後、広範な制裁を発表し、ロシア国内で操業するトルコ企業の妨害を始めています。

ロシア政府が課した制裁には、両国間のビザ・フリー協定の終結やトルコの農産物輸入禁止などが含まれています。ロシアはまた、国民にトルコ旅行を止めるよう呼びかけ、トルコと南欧へガスを送る共同事業「トルコ・ストリーム」プロジェクトに関する交渉も中止すると発表しました。


トルコとロシアの外相が3日、ベルグラードで会談する

ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外相と、12月3日、現地時間3時半に、ベルグラードで行われるヨーロッパ安全協力機構の会合で会談するだろうと、トルコ外交情報源がHurriyet 紙に語りました。

Hurriyet
会談でなにを言う気か、ロシアのラヴロフ外相


会談は、ロシア機撃墜以来、ロシアとトルコの要人の初のハイレベル会談になります。ラヴロフ外相は12月2日、今週末、ベルグラードでトルコ外相と会談することを“拒否しない”と言いました。チャヴシュオール外相は11月27日、ベルグラードでの会談を提案しましたが、そのときはロシア側は、会談に応じるとは明言しませんでした。

べルグラードの会談には、アメリカのジョン・ケリー国務長官も立ち会うでしょう。
 

カマン・カレホユクはアナトリアの中心

 アナトリアは長きにわたって文明の十字路であったが、アナトリアのまさに中心に位置するカレホユクは、アナトリア全土の中心だったと、考古学者たちが主張しています。

 Hurriyet

クルシェヒル県カマン地区の遺跡で作業している考古学者たちは、この30年間で7つの異なる文明の痕跡を発見しています。
「最上層はオスマン人です。オスマン人は、セルチュク、ビザンティン、ローマ、フリギア、ヒッタイト、アッシリア文明の後に、ここに来ました。また、3000年代のこれら文明の下に、ミケニア文化や、その他の文化もあるはずですが、私たちはまだそこまで達していません。カレホユクは中央アナトリアのまさに中心なのです」と、1985年以来、この地域でヒッタイト史を研究してきた日本の大村幸弘教授は言っています。

Hurriyet
カレホユクを30年間、掘りつづける大村幸弘教授


大村教授は、1985年、カレホユクの発掘を始め、この地域の5500年昔の文化遺産を発見したと言っています。「ここは世界史の故郷です」と大村教授は言いました。「ここで遺物を発掘する作業は、世界史を読んでいるようなものです。アナトリアは世界史上、きわめて重要だというのが私の意見です。例えば、私はエジプトでも発掘しましたが、エジプトはアナトリアやギリシアと違って、ひとつの文明だけです。アナトリアにはヒッタイト以前の歴史もあります」

Hurriyet

少なくとも5000人のツーリストを期待
大村教授は歴史的遺物について語り、「これまでに何百万個の陶器の破片を掘り出しました。アッシリアの貿易植民地で使われた鉄器時代の武器や封印、オスマン時代のコイン、中国製の磁気の破片などもあります」と言っています。

「カマンカレホユク遺跡は、シルクロード上にあると言うことがでます。遺跡には古い道路がありますが、道路をたどれば、25~30キロ離れた他の遺跡に行けます。この道をたどれば、中央アジアまで行けるのです」

日本人ツーリストも、カマンカレホユク考古学博物館に展示された出土品に興味を示しているので、展示品には日本語とトルコ語の説明をつけているそうです。大村教授は、将来、5000人のツーリストが訪れることを期待していると言っています。

 Hurriyet

カマンのチャーウルカン村の人々も発掘のために働いていると、教授は言いました。「ここに住んで、私といっしょに働いている人が大勢います。ここで学んで専門家になった人も大勢います。私たちはここで働いている人たちに感謝しています」

この30年間、大村教授は、1年のうちの11か月はクルシェヒルで過ごし、日本で過ごすのは年に1か月だそうです。教授はこの遺跡の遺物を集めて本にまとめることを計画しています。


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「プーチン大統領は私を勇敢で大胆だと言っていた」エルドアン大統領

2015年12月03日 | 国際
12月3日 「11月24日のロシア機撃墜で両国の関係がむずかしくなる前は、プーチン大統領はつねづね私を“勇敢で大胆”だと言っていた」とエルドアン大統領は言いました。

 Hurriyet
12月1日、パリでオバマ大統領と会談したエルドアン大統領。首脳たちは終わりのないシリアの危機とイスラム国〈ISIL〉との戦いについて討論した。


「プーチン大統領はいつも、私の勇敢さと大胆さを語っていた・・・彼はまた、私を誠実な政治家と何度も言っていた」と、エルドアン大統領は、パリで開催された国連の気象変動サミットの後、カタールに向かう途中、記者団に語りました。

エルドアン大統領はまた、「“すべての国”が、ジェット機撃墜事件に関して、トルコが正しいことを認識している」と言いました。「私にとって、サミットでの話題の多くは、トルコとロシアの今後の進展についてだった。私はサミットの初日に、フランスのオランド大統領、ドイツのメルケル首相、ウクライナのプロシェンコ大統領と話し合い、パリを発つ前に、アメリカのオバマ大統領とも話し合ったが、4人とも、この事件に関してトルコの正当性に同意し、NATOはトルコの側に立つと言った。彼らは、“今後も貴国の側に立ちつづける”と言っていた」

「この事件の後のロシアの態度は外交的ではなく、扇動的だった。事件後ただちに制裁をいいだすのはどうかと思う」とエルドアン大統領は語りました。


トルコ政府はロシアの制裁を心配していない。他の市場を捜す

「トルコ政府はロシアの貿易制裁について、それほど心配していない」と、ダウとオール首相は言い、「ロシア市場の損失はそんなに厳しいものではないから、他の市場を探せばすむ」と付言しました。

 Hurriyet

ロシアのメドヴェジェフ首相は12月1日、ロシア機撃墜に関して、トルコに制裁を科す政府命令に調印しました。ロシア政府の公式ウエブサイトにも、2016年1月1日から、ロシアがトルコから輸入しなくなる農作物のリストを載せています。

「わが国はただちに、ロシアの制裁から予想される損失を克服する対策を取ります…トルコは生鮮野菜とフルーツを売るのに、なんの問題もありません。トルコはこれら産物をロシア以外の他の国々に売ることができます。わが国は代替の市場を持っています。わが国民にとって、心配はなにもない。観光分野でも同じです。ひとつのドアが閉まれば、もうひとつのドアが開きます」と、ダウトオール首相は12月1日夜、テレビのインタビューで言いました。

トルコのGDPの1パーセント
メフメト・シムシェク副首相もまた、政府にはロシアとの緊張で起こりうる影響のために、2016年の予算を修正する計画はないと言いました。「わが国のロシアとの取引は、わが国のGDPの1%くらいにすぎません。これは他の国々との貿易を増やすことで損失を補填できるだけの額です」


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