「何か1つ」を見つける毎日(⌒‐⌒)

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ブランコ、、。さとおばちゃんちの事2

2020-08-18 00:56:17 | 岩手🎇
大好きな「さとおばちゃんとその孫である三姉妹がいる家」に遊びに行くことは子供の頃の楽しみの一つだったが、さほど離れていない事もあり、日帰りが定番だった。泊まるなんて事はまずなかったし、泊まりたいとも特に思わなかった。
さとおばちゃんの住んでる場所の名は、通称「曽山」。母もフツーに「曽山のさとおばちゃん。」と言っていたので、私もそれに習い「お母ちゃん、曽山さ行きたいじゃー」と言えば、それはイコール曽山のさとおばちゃんちの事だとすぐに話が通じるのだ。 しかし、あとになって知ったが、曽山という名前は本当の地名ではなく、正式には鬼柳、という地名だった。曽山と鬼柳、全く異なる名称だが、それが何故なのかは、未だによくわからない。全く関係ないが、曽山から少し離れた場所に、数十年前「鬼の記念館」なるものが建ち、鬼柳っつーくらいだから、もしかして、このあたりは、昔本当に鬼👹が出た場所なのかもね。と本気で考えた事がある。更に、この土地には古くから伝わる「鬼剣舞👹」と言う郷土芸能まであるのだ。👹と深く関わりのある土地なのだ。

さて、話を戻しますと、その、行けばただただ楽しいだけの「さとおばちゃんち」であったが、2度ほど、やや怖い経験をした。本当はややではない、当時は本当に怖かった。そのどちらも、私はその時誰にも話さなかった。話せる話ではないと自分で何故か思っていたので。

一度目の出来事は、三姉妹の長女、つまり、私と一番仲の良かった「ゆかり」との間で起きた。

三姉妹の年は、微妙に離れていて、一番上のゆかりが私と一番年が近く、自然一番仲良くなった。サツコちゃん、サツコちゃん、と懐いてくれてたから、わたしも、ゆかりゆかり、とかなりベッタリに近い仲の良さ。普段は一番上の姉だから、下から「姉ちゃん」として頼られ甘えられる方だから、唯一乗年上である私には甘えたかったのだろうな。

そして、私自身、ゆかりと遊ぶのが楽しいので、下の二人とも遊ぶには遊ぶのだが、まあサラッとね、という感じだった。何しろ当時一番下の子はまだ2、3歳だから、遊ぶと言うよりはお守りをするという感じだったし。そして、、私は、今、ゆかり以外の名前を思い出せない🤔。どうしても思い出せない。二番目はまゆみ、だったような、、いや、違うか、、。
一番下に至っては、もう、全く思い出せない🙅。
外遊びも、中での絵描きも、テレビ見るのも、ゆかりと一緒だった。ゆかりは、静かだが、キリッとした性格の持ち主だった(気がする)。歌がうまかったし字も上手だった。

そんなゆかりとはケンカなんて、まずしない。私が変な事をしても、ゆかりが我慢してくれてたのだと思う。

そんな優しいゆかりと、何がきっかけだったか忘れたが、一度だけ、激しくケンカした。どうせ、私がまたろくでもない事をして、あの優しいゆかりを怒らせたのだろう。

とにかく、ゆかりは珍しく、怒った。
それも、ワーワー文句を言ってくるのではなく、静かに怒ってるから、逆にこちらは辛い。
ゆかりは、ムッとした表情のまま外に出た。私も、何故かすかさず後を追う。ゆかりは、あの、玄関の横にある、私も大のお気に入りのブランコに乗った。大きく足を上下に揺らし、ブランコを漕ぎ始めた。
少し離れた所から、うらめしげな顔でゆかりを見つめる私。

「ゆかり、、わたしもブランコ乗りたい!変わって。お願い、私も乗りたいんだってば!」
そう目で訴えた。ブランコを漕ぐゆかりが、ちらっとこちらを見た。目が合った。
声に出して、「ゆかりごめんね、謝るから、ブランコ乗せて。」と言えば、あの優しいゆかりのことだ「わたしも、ごめんね。ブランコ、いいよ、変わるよ」と言ったに違いない。
しかし、ごうじょっぱりの私は、どうしても謝ることができず、相変わらず恨めしげな表情で、ブランコを無言で漕ぐゆかりを見つめるだけ。見つめるというか睨むというか。、、( ´Д`)=3。

「ふんっ、、ゆかりの意地悪!」私は心で叫んだ。
私だって乗りたいのに!ゆかりのバカ!
怒りと悲しみでメラメラと燃えたぎる私の心🔥。
と、その時、、突然ブランコのロープの片方が木から外れた!(゜o゜;!エッ?!うそだべ!
今まで一度も解けたことのないロープが突然外れたのだから、心底驚いた。当然ゆかりはバランスを崩し、ゴロゴロと地面に転がった。
あまりの出来事に、私はその場に固まってしまった。転がったゆかりは、一瞬私を見上げたが、唇を固く結び、何も言わず立ち上がり、そのまま家の中に駆け込んでいった。直後、中からゆかりの泣き声が聞こえてきた。さとおばちゃんがなだめる声も聞こえてきた。私は依然として同じ場所に立ちすくんでいた。ブランコを支えていた木の枝はビクともしない。折れもせず、そのまま、片方のロープが結び付けられたままブラブラしていた。怖かった。もし私が乗っている時だったらら、、。

その日は、その後おばちゃんの家の中には入らず「帰るー!」と中に向かって小さく叫んだあと、急いでバスに乗り、家に帰った。
あの時の後味の悪さ、気味悪さ、、。別に、私は、もちろん、「ブランコの紐が切れればいい」なんて念じたりはしなかったけど、、相当怒っていたのは確かで、、。そのせいで紐が、、などと変なことを考えてしまった。そして、急に怖くて仕方なくなった。

しばらくさとおばちゃんちには行かない。そうしよう、、そう決めた。

でも、、それから少し経った頃、さとおばちゃんから電話がかかって来た。「サツコちゃん、うぢさ遊びに来ねが?しばらぐ来てねっちゃ。ゆかりがサツコちゃんと遊びたいって言ってるがらよ、電話したんだじゃ。

私は涙が出るほど嬉しかった。そして、ゆかりに心から侘びた。「ごめんねゆかり、もうけんかはしねべしな。」
そして、またバスに乗り、曽山の家に向かった。
さとおばちゃんの家について、ふと横を見る。
あの、ブランコはなくなっていた

家に入ると、聞きもしないのにさとおばちゃんが、私の気持ちを察したかのように言った。

「あのブランコな、おめだちもだんだんおっきぐなってきて重ぐなってきたがら、まだ紐外れだりしたら危ねがらって、あんちゃ(ゆかりの父)が外してしまったじゃ。サツコちゃん、好ぎだったどもな、んでも、しかだねな。ほがのごどしてあそべばいいっちゃ。いろいろあるべ、遊ぶごどはな。」さとおばちゃんの後ろでゆかりがこちらを見てニコニコしている。そして、小さな声で行った。「サツコちゃん、絵、描ぐべ!」
「うん!描ぐべ描ぐべ!早ぐ始めッペ!」

今でも夏になるとあの時のことを思い出す事がある。と言うか、必ず思い出すのだ。







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