エンジェルメイカー(ニック・ハーカウェイ/ハヤカワ文庫)
ハヤカワ文庫。SFではなくNVに分類されている作品。
この本は、3年以上、積読状態にあった。なかなか読む覚悟ができなかったのは、上・中・下3巻という分量だけでなく、この作者独特の、読みにくさのせいもある。
この作者の前作『世界が終わってしまった後の世界で』もそうだった。大きな戦争で文明社会が崩壊した後の世界を舞台としているのだが、いくらかスチームパンクの香りがする饒舌な文章が延々と続き、話の全体が見えてくるのが中盤以降。好き嫌いがはっきり分かれそうな作品だった。
ギャングだった父親ではなく、時計職人の祖父の仕事を受け継いだ主人公は、奇妙な機械の修理を依頼されたことから、奇怪な陰謀に巻き込まれていく。彼にその修理を依頼したのは、老いた女スパイ。設定が複雑で見通しが悪く、上巻を読み終えるのはしんどい。しかし、中巻の中ほどに、化学廃棄物輸送列車をめぐるエロティックな描写があり、それを過ぎたあたりから、物語は加速し、かなり読みやすくなる。
怒涛のスパイ・スリラーとか、傑作サスペンスとか評価されているようだが、私はほとんどSFだと思っている。
なお、作者は、あのジョン・ル・カレの息子。
ハヤカワ文庫。SFではなくNVに分類されている作品。
この本は、3年以上、積読状態にあった。なかなか読む覚悟ができなかったのは、上・中・下3巻という分量だけでなく、この作者独特の、読みにくさのせいもある。
この作者の前作『世界が終わってしまった後の世界で』もそうだった。大きな戦争で文明社会が崩壊した後の世界を舞台としているのだが、いくらかスチームパンクの香りがする饒舌な文章が延々と続き、話の全体が見えてくるのが中盤以降。好き嫌いがはっきり分かれそうな作品だった。
ギャングだった父親ではなく、時計職人の祖父の仕事を受け継いだ主人公は、奇妙な機械の修理を依頼されたことから、奇怪な陰謀に巻き込まれていく。彼にその修理を依頼したのは、老いた女スパイ。設定が複雑で見通しが悪く、上巻を読み終えるのはしんどい。しかし、中巻の中ほどに、化学廃棄物輸送列車をめぐるエロティックな描写があり、それを過ぎたあたりから、物語は加速し、かなり読みやすくなる。
怒涛のスパイ・スリラーとか、傑作サスペンスとか評価されているようだが、私はほとんどSFだと思っている。
なお、作者は、あのジョン・ル・カレの息子。
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