『古典文学の常識を疑う』という本が出た。「学問は最新の知見を周知しなければ意味がない。ところが、情報過多により、正確な情報の根拠が行き渡ってわたっていない」ことに危機感を抱いて、上代から近世までの研究者が結集して編まれたのが本書である。
つまり、この本には、古典文学の知にかかわる人たちによる知識の「編集」がある。「編集」というのは、重みづけと焦点化ということで、それには一定の批評的な見識が要求される。現下の日本の古典に関する学問の世界の最大の問題のひとつは、そのような知識を共有するための土台となる共通基盤が消滅してしまっているということである。
かつては「国文学」や「解釈と鑑賞」、それから岩波の「文学」などという雑誌があった。それらの知の編集工具(ツール)は、次々と廃刊になってしまった。たまりかねて、今回の本が企画されたということである。こういうところに現下の日本の文化政策の貧困が、如実にあらわれている。
全国の図書館、学校で国語を教えている先生方必携の本である。
勉誠出版刊 2800円+税
つまり、この本には、古典文学の知にかかわる人たちによる知識の「編集」がある。「編集」というのは、重みづけと焦点化ということで、それには一定の批評的な見識が要求される。現下の日本の古典に関する学問の世界の最大の問題のひとつは、そのような知識を共有するための土台となる共通基盤が消滅してしまっているということである。
かつては「国文学」や「解釈と鑑賞」、それから岩波の「文学」などという雑誌があった。それらの知の編集工具(ツール)は、次々と廃刊になってしまった。たまりかねて、今回の本が企画されたということである。こういうところに現下の日本の文化政策の貧困が、如実にあらわれている。
全国の図書館、学校で国語を教えている先生方必携の本である。
勉誠出版刊 2800円+税
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます