さいかち亭雑記

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柄谷行人の『日本精神分析』&「群像」1月号全卓樹「わたしたちの世界の数理」連載第5回「多数決の数理(3)」

2025年01月04日 | 寸感
 今日は昼過ぎからパソコンの周囲に積んであった本を片付けた。掘り出した本のなかで時宜にかなう内容と思われたものが、柄谷行人の『日本精神分析』の第三章にあるナポレオン三世の政権獲得と民主主義についての記述である。昨今の国内外の情勢と照らし合わせて読むことができるような先取性と、菊池寛と小林秀雄についての簡潔な記述を通して昭和の思想を概観する見通しの良さに舌を巻いた。
この小論の眼目は、将来の民主主義の在り方として、それが独裁政治に傾斜することを防ぐてだてとして、くじ引きの原理を取り入れることの有効性を論議している点にある。

 これと併せて「群像」1月号の全卓樹による「わたしたちの世界の数理」連載第5回「多数決の数理(3)」にみえる、
「多数決はやり方次第で、単純な多数意見の反映にとどまらず、少数派の意見の確率的な反映や、知識と確信を持った人々の意見の強い反映を行うことができる。それは諸刃の剣ながら、単純多数決の欠陥を補う手段を自らのうちに内包していたのである。」
というような論考も参照するといいだろう。

 いまかかっているのは、ロッド・スチュアートの「Tonight`s the Night」。そのあとにジェフ・ベックの「The Pump」。その前はトム・ペティのアルバム「Full Moon Fever」だった。

 このところエアコンのせいもあって乾燥がひどくて、加湿器をつけていないと喉の奥がひりひりする。家の中でもマスクをしていると、いいようだ。


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