さいかち亭雑記

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7月2日の 新学習指導要領 高校国語科科目再編について に追記しました。

2018年10月07日 | 大学入試改革
7月2日の「新学習指導要領の高校国語科科目の再編について」に追記しました。
11月4日の項に詳細な情報を得て書きましたので、そちらもごらんください。

※ 追記 10月6日。

 そののちの続報によれば、「現代の国語」(主として一学年対象で週二時間が必修)や、「論理国語」は「エビデンス」を重視した文章を収録したものであるべきで、夏目漱石の「私の個人主義」や、山崎正和の「水の東西」などは、科目の目標とする教材としてはふさわしくない、という説明が担当官によってなされたようである。

 そうすると、従来の教科書の「評論」は、多くが「論理国語」から排除されるわけで、担当官がいったいどういう教科書を考えているのか、まったくわからない。

 いっそ「商業国語」とか、「経済団体忖度国語」とでも名前をつけてみたらどうかと思う。PISA対策として発想されたものかもしれないが、現実に担当官が提案するような教科書を作ろうと主張している理論も個人も教育団体も管見では存在しない(一部それに近いものがあるが、こんな極端なことを主唱していない)のだから乱暴である。これは担当者の頭の中で勝手に作り上げた妄想的な「国語」教科書である。

 文科省の担当官はきっと宇宙人なのだろう。たとえば。
現場では、六月にやって来る教育実習生のためには、一年生の教科書で「羅生門」がなくなると、とても困る。ただでさえ陸上競技大会や、学校によっては体育祭や運動会で忙しい時期なのだ。

 そういうことについての感覚がゼロの、まったく現場を知らないひとの机上の空論で教科内容まで一度に勝手に変えられるのは、本当に困る。と言うよりも、そこに民主主義的な手続きがまったくなく、上意下達ですべてが進行してゆくのが、本当に困る。

(※アリバイとしてパブリック・コメントをとっていた、と言うかもしれないが、でも、その時にこれだけの内容だという事をあらかじめ示していただろうか?)



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