最終回文庫◇◇雑然と積み上げた本の山の中から面白そうなものが出てきた時に、それにまつわる話を書いていきます◇◇

※2011年9月以前の旧サイトで掲載した記事では、画像が表示されないものがあります。ご容赦ください。

阿部知暁 絵画展 *会期終了*

2016年10月27日 | 気になる作家/画家

       ~会期は終了しました~

絵本を作る仕事を一緒にさせていただいたことがあった作家さんから、展覧会の案内状をいただきました。
ご本人は、ゴリラ以外にも描けるのに……と当時はちょっと不満げにおっしゃっていましたが、今や、ゴリラといったらこの方です。

  「推薦のことば」を人類学者、霊長類学者でゴリラ研究の第一人者の山極寿一さんが寄せています。















追悼 井上洋介さんとの思い出 つづき

2016年04月29日 | 気になる作家/画家






前記事で紹介したボールペン画と同じ封筒に入っていたので、同時期にプレゼントしていただいたものだと思います。

     
     この作品だけ、けっこうシミが出ているので、もっと前にいただいたものかもしれません。
     サインの中にS60とあるのは、制作年かもしれません。


     


     


     
     

     


     


朝顔市や羽子板市にも連れて行っていただきました。










追悼 井上洋介さんとの思い出

2016年04月28日 | 気になる作家/画家








先日、4月7日に井上洋介さんを偲ぶ会「春の闇を喰べる会」が浅草の「釜めし春」で開かれ、それに参加する前、洋介さんによく連れて行ってもらった「捕鯨船」の前まで行ってみようと、確かこっちだったよなぁ…と思う場所のあたりを歩いても、どうしても見つけられませんでした。



捕鯨船のご主人は「春の闇を喰べる会」に参加されて、洋介さんの思い出を語ってくださいました。

調べてみると、「捕鯨船」は平成12年に浅草六区通りの今の場所に移転したんだそうです。……ということは、移転してからは行っていなかったということになります。……十数年、行っていなかったのかぁ……。


洋介さんといえば、飲まないのに何軒もハシゴして食べていたころの有名な豪傑話は「伝説」のように語られていましたが、私がご一緒させていただいたころからは、お腹がいっぱいで閉口しているのに次のお店に連れていかれたというような記憶はありません……食事後に浅草の甘味処の「梅園」で粟ぜんざいを食べたということはありましたが、そんな程度では「伝説」にもならないですからね。

晩年は、喫茶店「金龍」で待ち合わせて、原稿の受け渡しを終えると、浅草を歩いて食事場所に移動することが多かったです。
締めは喫茶店「ローヤル」でした。そういえば一度、皆が押しとどめようとしたのにホットサンドを注文したのには驚かされたことがあったっけ。(その時は、人数分の注文ではなかったのが幸いでした)「ローヤル」ではコーヒーか、コーヒーゼリーをいただくのが常でした。

記憶が時系列に並ばず、脈絡もない断片的な思い出になりますが……。

向島百花園にも何度か行きました。
……最初に行った時だったか、降りる駅を間違えたことがありました。降りてすぐに気づき、乗ってきた電車は後から来る特急電車の通過待ちでまだ停車中で、また乗れば良いだけだったのに、発車ベルもなっていないうちから「ドアが閉まって挟まれると危ないから」と、次の電車を待った”事件”もありました。

浅草で行ったお店は、「餃子の王さま」、メニューに「チャプスイ」があった洋食「リスボン」、喫茶店「ローヤル」、甘味処の「梅園」、「釜めし春」、天ぷらの「大黒屋」、京成浅草駅近くの……あれはなんていうお店だったか……グルメ地図を頼りに記憶をたどると名前が判明しました。「元祖やきかつ桃タロー」でした。喫茶店「金龍」の隣の中華「金龍」にも一度だけ入ったことがありました。ご自分で下見して、気に入ったお店に編集者を連れていったのでしょう。乙にすましていて気位が高い印象を受けるお店は、お眼鏡にかなわない店として失格だったのだと思います。同じお店に頻繁に行った時期もありましたが、行かなくなるとパッタリということも多かったように思うので、何かお気に召さないことでもあったのかもしれません。

20数年前は、浅草周辺をあちこち歩き回った時期もありました。今戸橋のたもとに今戸焼という焼き物が残っていることを教えてくれたのも洋介さんで、お店を訪ねて行ったことがありました。
会社近くから都電荒川線に乗って、終点の三ノ輪まで行ったことがあったなぁ。三ノ輪に着いた後はどうしたんだったか……。昔の手帳を引っ張り出してみたら、偶然にもその日がいつだったのかが判明しました。1988年3月28日のことでした。28年も前!!
三ノ輪から浅草に出て、「元祖やきかつ桃タロー」に行き、帰宅は終電と書いてありました。

集まった編集者が何人いても、浅草から千葉方面に帰るのは、たいてい洋介さんと私だけでした。都営浅草線から京成線へは、途中で乗り換えが必要でした。洋介さんが下車する駅は特急や急行が止まらないので、各駅停車を待ってということになり……来た電車が混んでいると、「混んでますね、次にしましょうか」となって、何本かに1本しか来ない各駅停車の電車を待つ……という具合で、遅くても10時前には散会しているはずなのが、洋介さんを見送った後、JRと接続する途中駅で乗り換えて、千葉駅から乗る電車は終電になるというのは、この日に限ったことではありませんでした。
話題に事欠いて、星新一の初版本を集めていることなどをこの時におしゃべりしたんだと思います。「もう持っているでしょうけど、古本屋で見つけたから」と、星新一の本を2度もいただいたことがありました。

「ヒルコノウシュウ」という漫画家について熱く語っていた時期もありました。変なペンネームの漫画家だと思っていたら、テレビによく登場するようになった蛭子能収(えびすよしかず)さんのことだと知ったのは、しばらく後でした。なるほど音読みすれば「ヒルコノウシュウ」ですね。

たくさんの思い出がある井上洋介さんですが、洋介さんがボールペンでサラサラと描いてくださった絵が手元にあります。
なぜその時にカラー墨流しで作ったマーブル模様の紙を持っていたのか、まったく記憶がありません。

     



     



同じ時期にいただいた木版画を次記事で紹介します。













「井上洋介油彩展 猫 ねこ ネコ…」 ~会期終了~

2016年04月24日 | 気になる作家/画家





今年2月に画家井上洋介さんが亡くなられました。
4月7日に洋介さんが大好きだった浅草で偲ぶ会「春の闇を喰べる会 4.7」が開かれ、大勢の方が集まりました。


遺作展が開かれていますので、ご案内します。

ART SPACE 繭 (東京都中央区京橋37-10 ℡03-3561-8225)
会期4月23日~30日(無休)11:00~19:00










どうぞお運びください。

     ~会期は終了しました~




回想 「クリちゃん」の作者 根本進さん

2016年03月10日 | 気になる作家/画家





ある資料を探していたら、書棚にあった、この本の存在に気づきました。



ある年代以上の方は、朝日新聞の夕刊に連載されていた4コマ漫画の「クリちゃん」を覚えておいでだと思います。

調べてみると、連載されていたのは1951年10月1日から1965年3月31日で、作者は根本進さん。
当時、我が家では「朝日新聞」を取っていて、ひとつひとつの作品は覚えていませんが、載っていたことは覚えています。


この本は1965年に出版した私家版の海外版。海外版と言っても、「まえがき」に相当する一文が日本語、英語、フランス語、ドイツ語で表記してあるだけで、この漫画には吹き出しは無く、絵だけでわかってもらえるのですから世界共通ですね。

この本には2001年1月12日付の自筆署名と私宛の献辞があります。
献辞にはこう書かれています。

ちょっとした思いつきから……
貴社に伺い、貴兄にお眼
にかかれたのは、本当に幸せだ
ったと思います
これははじめて自分一人で作った本ですが
今になってみると僅かながら(数冊ながら)よくとっておいたものだと思
っています
不備だらけ(特に外国文字)
 いつも慌てていますし不勉強ですし不熱心でした

おそらく本を送っていただいた前年の2000年かその前の年のことだったか……ある日、私が勤めていた出版社に、背丈ほどもある杖を手にした老人が訪ねてきました。最初に応対した総務課員からの内線電話を受けたのが私でした。
質問内容が何だったか覚えていませんが、社の出版物に直接かかわる質問というよりは、一般的な自然科学の領域の質問だったように思います。調べることは嫌いではなかったので、調べた範囲でまとめた資料を後日お送りしたんだったと思います。
その後、頼りになると思われてしまったのか、何度か電話があり、こちらからも電話をかけた記憶があります。
その時に何を話したんだったか……。その老人が「クリちゃん」を描いていた根本進さんだということがわかったのはいつだったか……。記憶が定かではありません"(-""-)"

この本は会社に郵送されてきたのですが、数日おいて同じ本がまた届きました。ほとんど同じ内容のことがしたためてあったと思います。
「と思います」というのは、仕事をお願いしていたデザイナーに「根本進さんから同じ本が2度届いたんですよ」という話をしたら、彼が根本進さんを敬愛しているというので、それならとダブった1冊をプレゼントしてしまったので手元にないのです。
後日知ったことですが、晩年の根本さんは物忘れが激しかったらしく、雑誌の連載にも支障が出て続けられなくなったようです。
尋ねられたことを調べてコピーを送ったはずなのに、届いていない(手元にない)と言われことがありましたっけ。

根本進さんが亡くなられたのは2002年1月で、85歳だったそうです。

亡くなるひと月前、2001年の12月、銀座の伊東屋でのこと。
伊東屋のエレベーターは年末で特に混んでいて、途中階からは乗れないことが多々あったので、最上階まで上がって、階段を下りながら面白そうな階を覗いて下りていた時、独特の大きな声が聞こえてきました。「あれっ? 根本さんの声では?」と声がした方を見ると、エレベーターホールの人ごみの中に、長い杖を手にした根本さんの姿が見えたのです。

ですから、新聞の訃報欄を見た時にはにわかに信じられませんでした。
訃報を聞く直前に銀座で姿をみかけたことがあったはず(いつだったか記憶はなかったものの、その状況だけは克明に覚えていました)と、当時の手帳を探し出して日付を辿ってみたら、訃報欄を見た日に「先月お姿を見かけたのに」とメモしてあり、その日が2001年12月の何日だったということがわかりました。

最初にお会いしたのは、おそらく根本さんが83歳の頃だったのでしょう。その歳で、亡くなる直前まで都内のあちこちをひとりで闊歩していたのですから、大したものだと思います。


10年と少し前のことなのに、これほど記憶がアヤフヤとは、いやはやなんとも情けない限りです(^_^;)





没後50年”日本のルソー”横井弘三の世界展 ~会期終了~

2015年09月21日 | 気になる作家/画家






横井弘三の著書のについての過去記事にコメントをいただいたことがある方からお知らせをいただきました。

 没後50年”日本のルソー”横井弘三の世界展 が開催されています。どうぞ足をお運びください。


(画像は「横井弘三とオモチャン会」の公式HPより)


会期  2015年9月12日 (土) - 2015年11月8日 (日)

休館日 毎週水曜日 ※9/23は開館、翌9/24休館開館時間9:00~17:00(入館は16:30まで)

会場  長野県信濃美術館 (第1・2、小展示室)

観覧料大人 800(700)円、大学生 600(500)円、高校生以下無料※( )内は20名以上の団体料金
*東山魁夷館との共通料金 大人 1,000円、大学生 700円、高校生以下無料

クーポン長野信濃美術館 観覧料割引クーポン2015 もあります。



 ※ この展覧会は2016年4月17日~6月5日の日程で、練馬区立美術館で開催されます。 

   
   (画像は「横井弘三とオモチャン会」の公式HPより)


私のコレクション 気になる画家/横井弘三

2014年03月02日 | 気になる作家/画家






横井弘三の名前を知ったのは、宮沢賢治の『グスコーブドリの傳記』で、児童文学に造詣の深い同僚が熱く語ってくれたからでした。
その名前が耳に残り、古本屋の棚や古書展目録でその名前を見つけると、値段と相談で購入してきました。どんな著書があるかもわからず、評伝を読めばわかるかと思ったようで、飯沢匡著『脱俗の画家 横井弘三の生涯』を購入したのが平成2(1990)年でした。しかし、買っただけで読んだ記憶が無いので、いつものように「資料を揃えておいて、まあ、そのうちに」と思っていたのでしょう。

それから25年も経つのに、気合を入れて集めようと思わなかったこともあって、増えないものですね~。

宮沢賢治の『グスコーブドリの傳記』は重版のイタミ本を入手したものの、自分でルリユールするつもりでバラバラに解体してしまい、ほるぷ版の復刻本しかありません。


手元の本を発行年順に並べると、以下のようになります。

『油絵の手ほどき』大正15年10月31日初版 昭和6年3月12日8版
神保町田村書店 購入時期:不明 購入価格:不明




表紙



『東京近海 島の写生紀行』 博文館 昭和3年8月4日発行 初版
通販 旭川市古書むらた書店 購入時期:平成8年 購入価格:3,500円




表紙



『楽しきスケッチ画法』 博文館 昭和4年9月10日発行 初版 裸本
通販 呉市古書籍BOX 購入時期:平成6年 購入価格:1,000円






『露店研究』 出版タイムス社 昭和6年6月15日発行 初版
購入店:古書展 購入時期:1991年12月26日 購入価格:20,000円




『童話のお蔵』 新日本の子供文庫6 北信書房 昭和21年9月15日発行 初版  表紙ヤブレ、記名あり
通販 購入時期:平成6年 購入価格:3,000円



標題紙



一番最初に購入したと思われる評伝。今だともっと安い値段で入手できます。
『脱俗の画家 横井弘三の生涯』 飯沢匡著 筑摩書房 1976年11月30日発行 初版
通販 福島県平読書クラブ 購入時期:平成2年 購入価格:4000円




【参考】復刻版が見つかったので、画像を追加します。
『グスコーブドリの傳記』名著復刻 日本児童文学館第二集 ほるぷ出版昭和51年の函



同書の表紙