最終回文庫◇◇雑然と積み上げた本の山の中から面白そうなものが出てきた時に、それにまつわる話を書いていきます◇◇

※2011年9月以前の旧サイトで掲載した記事では、画像が表示されないものがあります。ご容赦ください。

オークションに出品された『雨亭歌集』

2019年01月15日 | 私家版





この年末年始のネット・オークションに、ここで紹介したことがある本が3冊出品され、その動向に注目していました。

1冊は和田誠さんが私家版絵本として出版した7冊のうちの5冊。
その中には星新一『花とひみつ』、谷川俊太郎『しりとり』が含まれていました。
単品での出品で、『花とひみつ』は終了直前に高値更新が繰り返されて、最終的には151,000円で、『しりとり』も46,010円で落札されました。

この私家版絵本は『和田誠 私家版絵本ボックス』として7冊セットが復刊ドットコムから完全復刻されていて、現在でも入手可能(分売は不可)なのですが、やはりオリジナルが人気なのです。

そしてもう1点、坂本一敏さんに頼まれて、私が作成した限定17部の私家版家集『雨亭家集』も開始価格1,000円で出品され、こちらの落札価格は驚きの5,060円でした。歌人としては素人同然、製本したのも素人なのに高値が付いた訳は?


出品されたものは坂本さんの手元に残してあった著者本で、手書きの正誤表が入っているものでした。
しかし、これが高くなる理由というのは考えにくいのです。

17部作製したうちの他の16冊とは違っている点がありました。それは、この著者本には人間国宝の芹澤銈介氏作の二葉の書票(蔵書票)が貼ってあったのです。
それが、落札価格が高くなった理由と思われます。
本から書票をはがしてしまえば、書票としての価値があると判断されたからなのでしょう。

だとすると、ちょっとガッカリです(-_-;)



  表紙裏に貼られた一葉。





  奥付の上部余白部分に貼られた一葉。