最終回文庫◇◇雑然と積み上げた本の山の中から面白そうなものが出てきた時に、それにまつわる話を書いていきます◇◇

※2011年9月以前の旧サイトで掲載した記事では、画像が表示されないものがあります。ご容赦ください。

【ご案内】 「日本SF展・SFの国」展

2014年07月31日 | 展覧会





世田谷文学館では7月19日~9月28日までの予定で、標題の展覧会が開かれています。

パンフレット(表)


パンフレット(裏)



図録。 
販売価格1500円(税込)通販扱いアリ。



文学館のミュージアムショップでしか買えない限定ミニブック。通販扱いナシ。
販売価格500円(税込)


日本SF御三家の作品 ― 筒井康隆「きつね」、
星新一「ネコ」、小松左京「アリ」― を集めたもの。
68㎜×52㎜


私のコレクションの中から、星新一原作で、1960年9月~1962年3月までNHKテレビで放映された
人形劇「宇宙船シリカ」の「かるた」と「えあわせ」を展示しています。


世田谷文学館/世田谷区南烏山1-10-10 ℡03-5374-9111 
京王線「芦花公園駅」南口から徒歩5分、
小田急線「千歳船橋」から京王バス(23系統)千歳烏山駅行きで「芦花恒春園」下車徒歩5分。

観覧料は一般/800円、高校・大学生・65歳以上/600円、障碍者手帳がある方/400円、中学生以下/無料
開館時間は10時~18時。入場、ミュージアムショップは17時半まで。
毎週月曜日休館(9月15日(祝)は開館で、9月16日は休館)



寄贈本 『序文検索 2箇目 序文跋文あれこれ』

2014年07月24日 | コレクション




今回は寄贈していただいた本を紹介します。

拙宅に届いた本は……。
『序文検索 2箇目 序文跋文あれこれ』かわじ もとたか 編著 2014年7月15日 発行/杉並けやき出版 
発売/星雲社 本体4500円+税

 
624ページの労作です。「古書目録にみた~」シリーズの第5弾で、2010年10月に発行した前著『序文検索 古書目録にみた序文家たち』の続編にあたるそうです。



著者の川地素崇さんは「最終回文庫」をガリ版やコピーで発行していた時の会員です。
会誌発行が46号で途絶えたのが1993年5月ですから、それから21年!も経つのに、こうして忘れずにお贈り頂けるのは、とても嬉しいことです。

本と一緒にお手紙をいただきましたが、私より2つ歳上の方でした。会員組織の時に知っていたのは、「住所・氏名・蒐集分野」だけでしたから、年齢は把握していませんでした。本冊をもって最後になさるそうです。

本書は書名に「検索」と入っているのに、624ページもあるのに、巻末に「索引」というものがありません。著者名のアイウエオ順にも並んでいません。目次を見ると、古書展の販売目録で目にした事のある著者名が躍っています。本文では書名の後に古書目録から拾い上げた販売価格が「800~2000」というように書き添えられています。もちろんその値段で今も手に入るわけではないものもあれば、今は値崩れしているものもあるけれども、それにしても、多くの古書目録から拾い上げていく、気が遠くなるような作業が繰り返されているのです。

この本の著者の川地さんが、本書の冒頭「はじめに」で「昔の古本屋の棚に似せた」とおっしゃるように、これは古本屋のガタつく硝子戸を開けて、足を踏み入れたところの棚から順に背文字を追っていくが如く、頭からか開いたところからかは好きにして、とにかく読み始めて、興味の湧かない所は飛ばしていけば良いということなんでしょう。
どんな本かと尋ねられても、ひとことで表現できません。検索という書名に惑わされてしまいますが、「引く」のではなく「よむ」本で、著者の付箋があちこちに付けられている……そう表現しただけではまだ足りない感じがします。

興味が湧いた方は、AMAZONで著者名のひらがな表記「かわじ もとたか」で検索してください。
これまでに出版した5冊のうちの3冊がヒットしました。
本書は「一時的に在庫切れ; 入荷時期は未定です。」と表示されますが、
以下の3冊は新刊もしくはマーケットプレイスで古本として入手可能です。

★『古書目録にみた「すごろく」』(2003年)
『装丁家で探す本―古書目録にみた装丁家たち』(2007年)
★『序文検索―古書目録にみた序文家たち』(2010年)

日本の古本屋(http://www.kosho.or.jp/top.do)のサイトでも著者名をひらがなで検索すると、
上記のうち★を付けた2冊と、最初に出版された『追悼號書目―古書目録にみた追悼號書誌―』(1991年)が出てきました。
いずれも古書ですから、売り切れてヒットしなくてもご容赦ください。
   
(2014年7月24日現在)




私のコレクション 気になる装幀者 *田村義也さん(3)

2014年07月09日 | 気になる装幀者




田村義也さんが亡くなられたのは、2003年2月でした。

その年の12月に刊行されたのが『田村義也 編集現場の115人の回想』(田村義也追悼集刊行会 頒価3000円)
12月13日に開かれた「田村義也さんを偲ぶ会」で配られました。装幀は桂川潤さん。私も一文を寄せました。


本書には田村義也さんが岩波新書の編集者として担当した「岩波新書」の主要書目一覧が載っていて、それを見ると……
『モゴール族探検記』『南極越冬記』『アユの話』『ゴリラとピグミーの森』『アメリカ感情旅行』『南ベトナム戦争従軍記』など、印象に残っている本が並んでいます。ひとりの読者として、私が高校生の頃に既に田村義也さんと出会っていたことになります。

当日、本と一緒に配布された「あなたのお好きな田村義也装幀本/集計一覧」


『のの字ものがたり』がダントツ1位です。


田村義也さんのご著書『のの字ものがたり』を前に紹介しましたが、その続編として計画されていたのが『ゆの字ものがたり』。
本書は亡くなられてから4年後に刊行されたので、編集内容についてご本人の意向が反映されているものではありません。

そのジャケット。

2007年3月10日初版発行 新宿書房刊 定価3000円 

ご本人が装幀したのではないかと思えるデザインですが、装幀をしたのはやはり桂川潤さん、本扉の文字は田村義也さんご本人によるものです。


本書のタイトルおよび本扉の文字は、厚冊の『人生の階段』(1999年2月 福音館書店刊)で、見開き2ページ(184~185ページ)で展開されたものです。

左ページの図版は本書に再録されていますが、右ページの図版は載っていません。

巻末付録として(完全版)田村義也装幀作品一覧が載っています。
装幀作品一覧は『田村義也 編集現場の115人の回想』でも載せていますが、こちらは(完全版)です。



この後、つづけて装幀本を紹介するつもりでしたが、間が空いてしまいました。

2017年3月にまとめてアップしましたので、つづきはこちらからご覧ください。









私のコレクション 気になる版画家 *谷中安規

2014年07月05日 | コレクション




谷中安規の版画オリジナル作品は、高価でとても手が出ません。
ですから、手元に置けるものといえば、挿絵が入っている本ぐらいでしょう。

『胡桃割人形と鼠の王様』(ホフマン/作 石川道雄 内藤吐天/訳 昭和18年12月31日初版 5000部発行 青木書店刊)





その標題紙。




その目次。「装幀・口絵・さしゑ 谷中安規」とあります。
 



5枚の挿絵はモノクロですが、口絵はカラーです。




納品書が挟まっていたので、購入時期と購入価格がわかりました。
買ったのが平成5年ですから20年以上も前で、購入価は12,000円と、けっこういい値段でした。

現在の古書価を調べると、初版本ではヒットしませんでした。
2刷本を9,000円で販売しているところがあるので、まあ妥当な値段だったのかと……。






私のコレクション 気になる装幀者 *田村義也さん(2)

2014年07月04日 | 気になる装幀者




田村義也さんの『のの字ものがたり』(1996年3月25日 朝日新聞社刊)の刊行をお祝いする会が開かれたのは同年4月27日、場所は教育会館でした。

本は横判ですが、函は縦置き出来るようになっているので、口は上に開いています。


ジャケット。


ジャケットを外した本の表紙。


日本で出版される本の題名を見ると、「の」が入っているものがとても多いんです。
ご自分の蔵書を眺めてみてください。多いことを実感できると思います。


私もお祝いに駆けつけて、ご署名をいただきました。