裏面に「定時株主総会招集御通知」と印刷されている、1951年の(お年玉くじ1円の寄付金付)官製年賀状です。(当時の葉書の郵送料は2円)
星 新一(本名:星 親一)の父、星 一(ほし・はじめ)は星製薬の創業者として知られています。
星新一が東大大学院に在籍していた1951年1月19日、父がロスアンゼルスで客死したため、急遽、大学院を中退して星製薬の取締役社長に就任(1月21日)することになりました。
その頃には、すでに星製薬は経営が傾いていて、翌年(1952年6月)、ホテルニューオオタニの創業で知られる大谷重工業の大谷米太郎に譲渡することになるわけですが、その前後の日々は、本人が「思い出したくもない」と言うほど苦難の連続だったようです。
1952年6月には社長を退任して、副社長になっているので、取締役社長として定時株主総会を招集したのは、おそらくこの1回だけだったのではないかと思います。それだけに、「取締役社長 星 親一」と記載された資料は貴重だと思います。
星コレクターとして、50年以上にわたって星新一著作や星製薬の資料を集めてきましたが、「取締役社長 星 親一」と表示されている資料は、初めて目にしました。