最終回文庫◇◇雑然と積み上げた本の山の中から面白そうなものが出てきた時に、それにまつわる話を書いていきます◇◇

※2011年9月以前の旧サイトで掲載した記事では、画像が表示されないものがあります。ご容赦ください。

私の絵本コレクション カレル・チャペック "DASCHENKA"

2023年05月30日 | 絵本

カレル・チャペックが飼っていた愛犬ダーシェンカをモデルに、その成長を記録しています。

文/絵/写真 全部をチャペックが担当し、1933年に発表されました。

本書はベルリンの BRUNO CASSIRER VERLAG から1935年に出版されたドイツ語版の初版。

布装なので経年の汚れが目立ちます。

 

数日前に愛犬を亡くした身には、なんとも言えない思いがあります。

 

 

 

 


私の絵本コレクション ドーレア夫妻(8)『エブラハム・リンカーン』(本邦初訳か?)

2020年02月09日 | 絵本
ドーレア夫妻作品をこれまでにいくつか紹介してきましたが、この『エブラハム・リンカーン』(昭和25年4月15日 羽田書店)が格段に古いので、この本が本邦初訳ではないかと思われます。

表紙



表題紙



この作品でコルデコット賞を受賞しました。



ネットオークションで見つけて入手したのですが、残念ながら奥付は貼り奥付だったようで、剥がし跡があって、付いていませんでした。


こんな奥付がついていたはずです。


私の絵本コレクション バージニア・リー・バートン “Song of Robin Hood”

2019年04月10日 | 絵本





“Song of Robin Hood” Published by HOUGHTON MIFFLIN Co. 1947年の初版。

ロビンフッドの劇中歌を紹介する絵本。『いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう』『ちいさいおうち』『はたらきもののじょせつしゃ けいてぃ』『せいめいのれきし』などの著者、バージニア・リー・バートンが構成・デザイン・絵を手掛けた大作。


 表紙ジャケット。A4判のスキャナーでは少し切れてしまいます。



 裏表紙ジャケット。



 ジャケットを取った表紙。



 奥付部分。




 撮影すると、こんなです。





 タイトルページ。
 


 目次。








 あとはランダムに見開きページを紹介します。


















2018年3月に銀座教文館ナルニア国ホールのバートン展で展示されたときの解説によると「1947年刊行の未邦訳作品で、バートン芸術の最高傑作と言われています。緻密で美しい場面の数々はバートンが2年に及ぶ研究を重ねて描いたもの」とあります。













訃報 トミー・ウンゲラー(絵本作家)

2019年02月15日 | 絵本





絵本作家のトミー・ウンゲラー(トミー・アンゲラーの表記も)さん(1931年11月28日フランス東部のストラスブール生まれ)が2月9日、お亡くなりになりました。享年87歳。


  『月おとこ』『オットー』(評論社)、『すてきな三にんぐみ』(偕成社)、『へびのクリクター』(文化出版局)など、
  日本でも親しまれてきました。1998年「国際アンデルセン賞」画家賞受賞。



  『すてきな三にんぐみ』(偕成社)の表紙。





  “Rufus”の表紙ジャケット。



  1961年HERPER&ROWから出版。

  本書の最初の邦訳は1994年12月に岩崎書店から『こうもりのルーファス』というタイトルで出版されましたが、
  現在入手可能なのは、BL出版の『こうもりのルーファスくん』(2011年6月刊)。




私の絵本コレクション ドーレア夫妻(7)" CHILDLEN OF THE NORTHLIGHTS"

2018年12月01日 | 絵本



ドーレア夫妻の絵本 "CHILDLEN OF THE NORTHLIGHTS"


福音館書店から世界傑作絵本シリーズの1冊として翻訳が出版されました(^^♪



2018年11月15日発行 定価(本体1500円+税)

書影を追加して、新たな記事として再掲します。



原書は手元に2冊あって、1冊は1935年の初版。
もう1冊は1956年の7刷です。


 初版の表紙。




 初版の裏表紙。




 初版の標題紙。




 初版の奥付。


 初版の本文に版ズレと思われる個所があるのが残念です。
 そのページ。上が初版、下が7刷。
  

 7刷本の方がずっと良くなっています。



 1956年発行の7刷の表紙。
 クロス装ですが、ジャケットがあったのではないかと思われます。
 絵柄は初版の裏表紙から採られています。




 7刷の標題紙。





 7刷の奥付。












私の絵本コレクション 原書と邦訳を比較する “THE WINTER CAT”(『ふゆねこさん』)

2018年08月08日 | 絵本





“THE WINTER CAT” Story and Pictures by Haward Knotts Harper&Row,Publishers 1972







邦題『ふゆねこさん』まつおか きょうこ/訳 偕成社 1977年初版 画像は1988年の14刷






邦訳書の著者紹介では「アメリカのイリノイ州に生まれる。シカゴ美術大学卒業。現在、妻と12匹の猫とともに、200年前に建てられた農家に住んでいる。」とあります。

比べたのは原書初版と邦訳1988年の14刷。
本文はモノクロですが、用紙が原書がナチュラルっぽい白なのに比べて、邦訳は真っ白。
原書はモノクロのトーンに深みがあるのに対して、邦訳は飛び気味で、明らかに深みが失われているのが残念です。





私の絵本コレクション『あひるさんとにわとりさん』 村山籌子/作 村山知義/画

2018年05月09日 | 絵本






『あひるさんとにわとりさん』村山籌子(かずこ)/作 村山知義/画
昭和23年4月15日発行 発行所:ニューフレンド


  表紙





 裏表紙





 表紙絵と裏表紙絵はつながっているので、見開きで。




 奥付部分拡大





 見開き、ひとつの短い話に4つの挿絵、それが9話が収められています。
 「あるひさんとにわとりさんはなかよし」
 「あひるさんとにわとりさんはのんきもの」
 「どろだらけののりまき」
 「しんせつなあひるさんのおかあさん」
 「わがままをいったばかりに」
 「いじめっこの犬さん」
 「あひるさんのおたんじょう日」
 「おくびょうなあひるさん」
 「プールへゆきました」



昭和53年には、ほるぷから「復刻絵本絵ばなし」(全53冊)の中の1冊として復刻版が出版されています。






私の絵本コレクション 『ミンナノチカラ』

2018年03月17日 | 絵本




タイトルからはピンときませんが、筋を読めば、ああ、あの話だと、誰もが思うと思います。
昭和21年4月二葉書店発行の、わずか12ページの絵本。紙質も良くありません。

 表紙。


  オヂイサント オバアサンガ アリマシタ。
  オヂイサント オバアサンハ、ハタケヲ タガヤシテ、
  カブノ タネヲ マキマシタ。





 そう、あの「おおきなかぶ」の話です。



この絵本では、お婆さんが手伝っても抜けないので、娘を呼び、それでも抜けないので犬を呼び、
 ミンナデ
 「エンヤ、エンヤ……」
 ト ヒッパッタノデ、カブハ タウトウ ヌケマシタ。

 オヂイサンノ ヌイタ オホ
 キナ カブヲ ミテ。オバアサンモ
 ムスメモ ニッコリ ワラヒマシタ。
 イヌモ ウレシサウナ カホヲ シテ
 ヰマス。


 と、お話はあっけなく終わってしまいます。


 裏表紙。


このお話は、ロシヤのアファナーシエフといふ人があつめたロシヤの國民童話の中の「蕪靑」を日本の子供にわかるやうに書いたものです。とあります。「蕪靑」は「かぶら」と読みます。








 

私の絵本コレクション クヴィエタ・パツォウスカー(9) "MIDNIGHT PLAY"

2018年02月08日 | 絵本





クヴィエタ・パツォウスカーの絵本"MIDNIGHT PLAY"

 表紙。B4判変形になるのでしょうか、A4のスキャナには収まりません。


英文でアメリカとカナダで1994年に出版されたもの。
初版はスイス・チューリッヒで1992年に出版されたようです。
仕掛け絵本で、表紙と裏表紙には中のイラストの一部が見えるように窓が開けてあり、中も面白い仕掛けがいろいろあります。

検索すると、同じタイトルで出てくる絵本に、表紙絵もサイズも違うものがあります。
この表紙絵は所蔵本の中には含まれていないので、いくつかのバージョンがあるのかもしれません。
 〈参考画像〉



私の絵本コレクション チェコの子ども向け雑誌 「SLUNICKO」

2018年01月29日 | 絵本





チェコの子ども向け雑誌「SLUNICKO」(スルニーチコ)
1989年 No.12 表紙を入れて32ページの雑誌。

 表紙。この号はクヴィエタ・パツォウスカーの絵。



 裏表紙。


バックナンバーを扱っている古書店のサイトを見ると、他の号でクヴィエタ・パツォウスカーが表紙絵を描いている号がありました。この雑誌のバックナンバーは、800円~1000円程度で入手できるようです。





私の絵本コレクション クヴィエタ・パツォウスカー(8) "THE LITTLE FLOWER KING"

2018年01月28日 | 絵本






"THE LITTLE FLOWER KING"



 この表紙絵と同じ邦訳は『小さな花の王様』というタイトルで、
 太平社から1992年7月に発行されましたが、現在は品切れ。
 本のプロポーションが、以下のものとは違います。
 内容が違っているかどうかは、不明です。

 AMAZONなどで現在入手可能なものの表紙。



 数年前に入手したものは英語版。その表紙。
 Penguin Young Readers Groupの発行。


 この英語版の前に、ドイツ語版 "DER KLEINE BLUMENKONIG"
 1987年に発行されているようです。


 検索で出てきた表紙は、タイトルの入れ方などに相違があります。



 これはスペイン語版かな。


いずれも表紙と裏表紙には正方形の窓穴が開けてあり、前後の数ページにも窓穴が開けてあります。






私の絵本コレクション クヴィエタ・パツォウスカー(7)"Velka dobrodruzstvi maleho kocourka"

2018年01月27日 | 絵本





"Velka dobrodruzstvi maleho kocourka"
文・Jurij Brezan / 絵・Kveta Pacovska クヴィエタ・パツォウスカー 
出版社 ALBATROS 1970年刊ですから、比較的初期の作品のひとつです。
19×20.5cm 88ページ 


 表紙。男の人はどうやら猛獣使いのようです。

 手にしているのはムチですが、先が細い線で描かれているので、
 スキャンすると飛んでしまって線が見えません。



 裏表紙。




 見返し 見開き。




 冒頭ページ。




 本文 見開き。




 本文。



チェコの古書絵本を扱うお店のサイトに同じ書影がありました。でも、タイトルが『黒ねこミケシュのぼうけん』となっていて、はて、どこかで聞いたことがあるタイトル……そう、ヨゼフ・ラダの作品に同じタイトルのものがありましたよね。たしか岩波書店から出ていたと思います。


この本のタイトル"Velka dobrodruzstvi maleho kocourka"を翻訳サイトに入力してみると、『小さな乙女の大冒険』となりました。「冒険」は合っていて、MIKESという綴りは果たしてミケシュと発音するのかどうかわかりませんが、それらしき黒猫も描かれています。しかし、列車に乗っているたくさんの動物は、どうやらサーカスの動物たちのようで、ヨゼフ・ラダ作の『黒ねこミケシュのぼうけん』とは内容が違っているようです。