最終回文庫◇◇雑然と積み上げた本の山の中から面白そうなものが出てきた時に、それにまつわる話を書いていきます◇◇

※2011年9月以前の旧サイトで掲載した記事では、画像が表示されないものがあります。ご容赦ください。

私のコレクション *追悼*赤江瀑(14) 映画ポスター

2012年07月16日 | 赤江瀑






赤江瀑作品が映像化された中で、これは珍しいと思えるものです。

「白い肌の狩人 蝶の骨」(赤江瀑原作 西村昭五郎監督 1978年 にっかつ 出演者:野平ゆき・山口美也子・戸浦六宏・中原潤ほか)が、イタリアで上映された時のポスター。


ポスターの大きさは全紙で、畳1枚分ほどもあるので、画像2枚をつなげてあるために歪みがあり、上下を一部分カットしてあります。
"VIOLENZA"はバイオレンスのこと。なんとなくわかりますね。"vietato ai minori di 18 anni" は「18」と入っているので、何となくわかりますね(^_^;) 「18禁」です。
主演の「野平ゆき」さんの名前が「YURI NOMIRA」になっているのがご愛嬌。


赤江瀑作品を映像化したものは、他に以下の3作品がありますが、ここでは作品名だけ挙げておきます。
 ☆「雪華葬刺し」高林陽一監督 大映 1982年
 ☆「オイディプスの刃」成島東一郎監督 角川春樹事務所 1986年
 ☆「くれないものがたり」池田敏春監督 パイオニアLDC 1992年

記事をアップして、新聞を読み始めたら、「雪華葬刺し」の高林陽一監督の訃報が載っていました。びっくりです。



私のコレクション 木山捷平*礼状

2012年07月15日 | 肉筆葉書





寄贈された詩集の作者に送った木山捷平さんの礼状葉書です。もちろん私宛ということはありません(^_^;) 

これも古書展か古書店で入手したものです。





消印が昭和39年7月とあります。右手の指をケガしての悪筆とありますが……

たしか、お住まいだった吉祥寺で、バスと接触する事故に遇って手をケガし、全冊署名入りの限定本『耳學問』に署名するのが大変だったと読んだ記憶があったので…しかし『耳學問』の刊行年を調べると昭和32年4月なので、時期が違いました。
手をケガすることが多かったのでしょうか。

葉書の宛先の詩人をお名前と書名(画像ではともに加工して消してあります)で検索してみると……この詩集で読売文学賞を受賞したものの、その年から体調を崩し、翌昭和40年2月の授賞式の当日の朝、危篤状態に陥り、翌月に亡くなられたそうです。





私のコレクション 深沢幸雄銅版書票集 (限定1部)

2012年07月11日 | 深沢幸雄




銅版画家の深沢幸雄さんに作成していただいた銅版書票(蔵書票)8点を収めた自作、手作りの1部本です。

表紙。マーブル紙はティニ・ミウラ女史の作品。革は爬虫類系ですが、なんだかわかりません(^_^;)
     


その見返し。深沢さんにご署名をいただきました。
     


個人の書票ということは、依頼主のお名前が入っているわけですから、全部アップするのはいろいろと差し障りがあります。


故人の有名人ということで、前にも紹介した星新一さんの作家活動25周年を記念して制作を依頼した作品です。
     


深沢幸雄さんにとっての初めての書票作品です。



深沢さんがカタログレゾネをお作りになるときに、書票作品が全部集めてあったので役立ちました。












私のコレクション *追悼*赤江瀑(11) 最後の肉筆豆本『幻啼記』(限定20部)

2012年07月05日 | 赤江瀑






ここで何度も登場し、熱烈なファンも多い赤江瀑さんが、先日お亡くなりになりました。

絶筆となった肉筆豆本です。『幻啼記』(未来工房 2011年7月7日刊 限定20部)


このようなセットになっています。




ケースは指物師の作。さすがです。





建石修志氏の鉛筆肉筆画が添えてあります。





標題部分。




本文の冒頭部分。





肉筆の裏は色のついた和紙を貼っているのですが……







裏側を見ると……




本文のつなぎ部分は……


最初から巻紙に書いていただいていれば、このような形にはならなかったでしょうに……


最終ページの裏側を見ると……




これでは雑な製本だと言わざるを得ません。
いきあたりばったりに作った(本冊だけだと良いのですが)としか思えません。


奥付に記載されるべき内容は、別紙になっていますが、「オークション形式で」とすべきところが「ー」になっていなかったのか、手書きで直してあります。





また本書は○番本という限定部数を表示した紙にも「本書は限定弐拾部発行のち第○番」と「のうち」とすべきところ「う」が抜けています。



肉筆限定20部ということで、かなりの高額な頒布金額だったのに、これはいったいどうしちゃったんでしょう。

絶筆となった作品ですが、限定本としてのレベルは、悲しいかな、かなり低いものになっています(T_T)