赤江瀑作品が映像化された中で、これは珍しいと思えるものです。
「白い肌の狩人 蝶の骨」(赤江瀑原作 西村昭五郎監督 1978年 にっかつ 出演者:野平ゆき・山口美也子・戸浦六宏・中原潤ほか)が、イタリアで上映された時のポスター。
ポスターの大きさは全紙で、畳1枚分ほどもあるので、画像2枚をつなげてあるために歪みがあり、上下を一部分カットしてあります。
"VIOLENZA"はバイオレンスのこと。なんとなくわかりますね。"vietato ai minori di 18 anni" は「18」と入っているので、何となくわかりますね(^_^;) 「18禁」です。
主演の「野平ゆき」さんの名前が「YURI NOMIRA」になっているのがご愛嬌。
赤江瀑作品を映像化したものは、他に以下の3作品がありますが、ここでは作品名だけ挙げておきます。
☆「雪華葬刺し」高林陽一監督 大映 1982年
☆「オイディプスの刃」成島東一郎監督 角川春樹事務所 1986年
☆「くれないものがたり」池田敏春監督 パイオニアLDC 1992年
記事をアップして、新聞を読み始めたら、「雪華葬刺し」の高林陽一監督の訃報が載っていました。びっくりです。
寄贈された詩集の作者に送った木山捷平さんの礼状葉書です。もちろん私宛ということはありません(^_^;)
これも古書展か古書店で入手したものです。
消印が昭和39年7月とあります。右手の指をケガしての悪筆とありますが……
たしか、お住まいだった吉祥寺で、バスと接触する事故に遇って手をケガし、全冊署名入りの限定本『耳學問』に署名するのが大変だったと読んだ記憶があったので…しかし『耳學問』の刊行年を調べると昭和32年4月なので、時期が違いました。
手をケガすることが多かったのでしょうか。
葉書の宛先の詩人をお名前と書名(画像ではともに加工して消してあります)で検索してみると……この詩集で読売文学賞を受賞したものの、その年から体調を崩し、翌昭和40年2月の授賞式の当日の朝、危篤状態に陥り、翌月に亡くなられたそうです。
どういう経緯でこの色紙が私の手元にやってきたんだか……(^_^;)
古書展で購入したんだったかなぁ……
色紙はA4判の用紙より幅が広くてスキャナーにかけられないので、写真にしたら、ちょっと歪んでしまいました。真四角に撮るのは難しいですね(^_^;)
追悼の意味を込めて、赤江瀑さんの年賀状をご覧ください。
いずれも昭和の時代 56年、59年、61年、63年の4枚です。
残念ながら私宛のものではなく、さる編集者宛の年賀状で、まとめて古書店で入手したものです。
銅版画家の深沢幸雄さんに作成していただいた銅版書票(蔵書票)8点を収めた自作、手作りの1部本です。
表紙。マーブル紙はティニ・ミウラ女史の作品。革は爬虫類系ですが、なんだかわかりません(^_^;)
その見返し。深沢さんにご署名をいただきました。
個人の書票ということは、依頼主のお名前が入っているわけですから、全部アップするのはいろいろと差し障りがあります。
故人の有名人ということで、前にも紹介した星新一さんの作家活動25周年を記念して制作を依頼した作品です。
深沢幸雄さんにとっての初めての書票作品です。
深沢さんがカタログレゾネをお作りになるときに、書票作品が全部集めてあったので役立ちました。
ここで何度も登場し、熱烈なファンも多い赤江瀑さんが、先日お亡くなりになりました。
絶筆となった肉筆豆本です。『幻啼記』(未来工房 2011年7月7日刊 限定20部)
このようなセットになっています。
ケースは指物師の作。さすがです。
建石修志氏の鉛筆肉筆画が添えてあります。
標題部分。
本文の冒頭部分。
肉筆の裏は色のついた和紙を貼っているのですが……
裏側を見ると……
本文のつなぎ部分は……
最初から巻紙に書いていただいていれば、このような形にはならなかったでしょうに……
最終ページの裏側を見ると……
これでは雑な製本だと言わざるを得ません。
いきあたりばったりに作った(本冊だけだと良いのですが)としか思えません。
奥付に記載されるべき内容は、別紙になっていますが、「オークション形式で」とすべきところが「ー」になっていなかったのか、手書きで直してあります。
また本書は○番本という限定部数を表示した紙にも「本書は限定弐拾部発行のち第○番」と「のうち」とすべきところ「う」が抜けています。
肉筆限定20部ということで、かなりの高額な頒布金額だったのに、これはいったいどうしちゃったんでしょう。
絶筆となった作品ですが、限定本としてのレベルは、悲しいかな、かなり低いものになっています(T_T)