タイトルからはピンときませんが、筋を読めば、ああ、あの話だと、誰もが思うと思います。
昭和21年4月二葉書店発行の、わずか12ページの絵本。紙質も良くありません。
表紙。
オヂイサント オバアサンガ アリマシタ。
オヂイサント オバアサンハ、ハタケヲ タガヤシテ、
カブノ タネヲ マキマシタ。
そう、あの「おおきなかぶ」の話です。
この絵本では、お婆さんが手伝っても抜けないので、娘を呼び、それでも抜けないので犬を呼び、
ミンナデ
「エンヤ、エンヤ……」
ト ヒッパッタノデ、カブハ タウトウ ヌケマシタ。
オヂイサンノ ヌイタ オホ
キナ カブヲ ミテ。オバアサンモ
ムスメモ ニッコリ ワラヒマシタ。
イヌモ ウレシサウナ カホヲ シテ
ヰマス。
と、お話はあっけなく終わってしまいます。
裏表紙。
このお話は、ロシヤのアファナーシエフといふ人があつめたロシヤの國民童話の中の「蕪靑」を日本の子供にわかるやうに書いたものです。とあります。「蕪靑」は「かぶら」と読みます。