最終回文庫◇◇雑然と積み上げた本の山の中から面白そうなものが出てきた時に、それにまつわる話を書いていきます◇◇

※2011年9月以前の旧サイトで掲載した記事では、画像が表示されないものがあります。ご容赦ください。

私の絵本コレクション *イワン・ビリービン(2) 『ロシア民話集』復刻版の中から残りの4編

2014年09月25日 | 絵本





イワン・ビリービンの『ロシア民話集』は6分冊で、その復刻版のタイトルは以下です。

№1 『りりしい鷹フィニストの羽根』1977年
№2 『蛙の王女』(ロシア語版1982年)
№3 『姉アリョーヌシカと弟イワーヌシカ、白い鴨』1977年
№4 『イワン王子と火の鳥と灰色狼』1977年
№5 『乙姫マリヤ』1976年
№6 『うるわしのワシリーサ』1976年

所蔵のものは№2『蛙の王女』がロシア語版で、それ以外の5冊は英語版です。
復刻版がこれ以外に出版されているかどうかはわからないので、手元のものだけのデータです。

いずれも製本は2つ折りのホチキス止めの中綴じで簡易ですが、
印刷は金・銀の特色使用の6色印刷という豪華さがあります。

№2 『蛙の王女』と№4 『イワン王子と火の鳥と灰色狼』は前記事で表紙と中の挿絵の一部を紹介したので、
それ以外の4冊を紹介します。


№1 『りりしい鷹フィニストの羽根』






№3 『姉アリョーヌシカと弟イワーヌシカ、白い鴨』








№5 『乙姫マリヤ』






№6 『うるわしのワシリーサ』




この作品には邦訳絵本(ほるぷ出版 1986年)があります。


邦訳はハードカバーですが、通常の4色分解で印刷されているので、実物をご覧になれば、復刻版との色表現の差は歴然としています。


今回、『蛙の王女』の復刻英語版を持っていないことが判明しました。
バラバラに入手したからといって、全容が把握できなくなるのはマズイですね。











私の絵本コレクション *イワン・ビリービン(1) 『ロシア民話集』復刻版の中から2編

2014年09月19日 | 絵本






アレクサンドル・アファナーシェフの編纂した『ロシア民話集』の中から、イワン・ビリービン(画家、舞台装置家。1876~1942)が挿絵を付けたもの。
イワン・ビリービンは1901年~1903年に『うるわしのワシリーサ』など6分冊にして絵本を刊行しました。それらは石版で印刷されているようです。

当時のものは希少で、私などが所蔵しているはずはありません。この6冊は後世の復刻版で揃っていると思っていましたが、バラバラに置いてあったのをまとめてみたら……
1冊が1982年刊のロシア語版で、他の5冊は1976年~1977年に刊行された英語版でした。
しかもダブっているのが3冊もありました(^_^;) 今回はその中から2冊だけ紹介します。

まずはロシア語版『蛙の王女』表紙。サイズがA4判より大きいので、端が切れてしまってます。




その1ページ目。





ビリービンの絵本を探しているときに、1981年にイギリスのPan Booksから刊行されたビリービンの図録が出てきました。




その図録にモスクワの Goznak Museum 所蔵の"Fairy-tales"の書影が載っていました。






『イワン王子と火の鳥と灰色狼』は英語版で1976年~1977年に復刻されたもの。 "Retold in English by Irina Zheleznova" とあります。
英文のタイトルは "THE TALE OF TSAREVICH IVAN,THE FIRE-BIRD AND GREY WOLF" となっています。




見開きページ。





石版刷りではありませんが、4色分解に金色、銀色は特色を使うなど、豪華な印刷になっています。




挿絵にはビリービンの版上サインと製作年の1899年と入っています。

ひところはネットオークションに度々出品されていましたが、最近は見かけなくなりました。






私の絵本コレクション *クヴィエタ・パツォスカー(6) "TAJEMNA PISTALA"

2014年09月15日 | 絵本





"Tajemná píšťala" 
文はボフミル・ジーハ(国際アンデルセン賞・作家賞受賞)で、
パツォウスカーが絵を担当した10篇からなる童話集のようです。
1990年初版13000部発行。
「ようです」というのは、チェコ語が全く分からないからです(^_^;)

 表紙。




 裏表紙。




言葉はわからなくても、パツォウスカーの絵がたくさん入っていて、
見ているだけで楽しめます。中のイラストを1枚だけ紹介します。














私の絵本コレクション *ドーレア夫妻(6) "TOO BIG" & "THE TWO CARS"

2014年09月14日 | 絵本





少し前のドーレア夫妻の絵本に戻って、そのつづきです。

THE NEW YORK REVIEW CHILDREN'S COLLECTION に選定されている2冊を一緒に紹介します。
と言っても、オリジナルを持っているのは"TOO BIG"だけです。

"TOO BIG" のオリジナル表紙。
1945年が初版。印刷はリトグラフなので、風合いがあります。




同じく見返し。





同じく表題紙。




現在入手可能な版の表紙。US$14.95。4色分解した現代の印刷方法で刷られています。



縦×横の寸法が初版とは少し違っていますが、リトグラフの風合いは上手に再現されています。



"THE TWO CARS" の現在入手可能な版の表紙。US$14.95




これは初版を持っていないので、表紙を紹介するだけです。





【ご案内】 展覧会 「日本人類学の黎明」 ―小金井良精資料を中心に―

2014年09月13日 | 展覧会


     *会期は終了しました*



作家、星新一さんの父は星製薬の創業者として知られる星一(ほし・はじめ)ということは良く知られています。
祖父が小金井良精(こがねい・よしきよ)というのも、星新一さんの著書『祖父・小金井良精の記』があるので
ご存知の方もいらっしゃると思います。
その祖父の妻、つまり星新一さんの祖母、小金井喜美子は歌人であり、森鷗外の妹なのです。


ここからが本題。
新潟県長岡出身の小金井良精の展覧会が、新潟県歴史博物館で開かれます。会期は2014年9月27日(土)~ 11月9日(日)休館日あり。

展覧会のチラシ(表)


展覧会のチラシ(裏)


大きく載っている写真は、小金井良精の銅像を見上げている星新一さんです。
ふつうだと、取り上げた「その人」に光を当てますが、この展覧会はアプローチの仕方がひとつやふたつではないようです。

展示品の中には、星新一さんの著書『祖父・小金井良精の記』の原稿や、星新一さんの「印章コレクション」があります。
チラシには「印章」とありますが、根付(ねつけ)のコレクションでは?? ← 関係者の方から「印章も根付も展示されています」とのコメントをいただきました。

   ***   ***   ***   ***   ***   ***   ***   ***   ***



星新一さんがコレクションしている根付を紹介したグラビアの切り抜きが、
どこかにあったはずだと探してみたら……

小さなサイズで載せます。


根付が紹介されていると思っていたのですが、ひとつも載っていませんでした(^_^;) 
いい加減な記憶でした。


その代り、星製薬の木製看板の写真が載っていました。



キャプションには「筒井康隆氏が西宮の骨董品店で見つけて送ってくれた」とあります。

向かって右側の看板は、うちにもあるんです。ネットオークションで入手しました。画像を追加します。これです。



コレクションもここまでくると「病膏肓」ですね。


















9月6日はホシヅルの日

2014年09月07日 | 星新一





9月6日は星新一さんの誕生日で「ホシヅルの日」と定められました。ウィキペディアの説明は以下のようになっています。
「星新一が1997年12月30日に死去し、その翌年、小松左京の提案で彼の誕生日である9月6日を「ホシヅルの日」として定めた。」 ご存命なら88歳を迎えたことになります。

ここでも以前にご案内した、世田谷文学館で開催中の「日本SF」展のイベントのひとつとして、次女のマリナさんが星新一さんにまつわるお話と、星家のアルバムから抜き出した写真をスライド上映しました。

ほぼ等身大の星さんとバースデー・ケーキ。参加者の皆さんと一緒にお祝いしました。




ホシヅルのバースデー・ケーキ。




イベント終了後、関係者だけでいただきました(^o^) 
ホシヅルのくちばし部分を食べたかったのですが、ホシヅルを解体することなく、周りのフルーツがのった部分だけをいただきました。



2011年9月16日の記事、「私のコレクション 星新一(5)日本のSF短編アンソロジー(旧ソ連)」で紹介しましたが……

星新一さんの作品が収録されているアンソロジーの表紙。



星新一さんの署名。




「これは前にも見たよ」と言われそうですが、このイベント終了後に、実際に星さんがお使いになっていた落款を押していただけるという企画もあり、この本を持っていきました。

マリナさんに押していただいた落款。














私の絵本コレクション *クヴィエタ・パツォスカー(5) "Ostruvek zelena bota"

2014年09月03日 | 絵本




"Ostruvek zelena bota"
この本も洋書絵本を扱う古書店で良く見ます。タイトルを訳すと『緑靴鳥』となるのだそうですが、挿絵を見てもさっぱりストーリーがわかりません(-_-;) 
1974年発行 16000部発行 全220ページ。

 表紙。



 裏表紙。



 奥付。



 中のイラストを1点だけ紹介します。



1ページ大のイラストが6点、モノクロのイラストはカットまで含めると18点ですが、一部を流用したり逆版使用が数点あります。












 

私の絵本コレクション *クヴィエタ・パツォスカー(4)"Karlicka a bily konik"

2014年09月02日 | 絵本




"Karlicka a bily konik"
タイトルを訳すと『カリッカと うそつきビリー』となるのだそうで、1960年にスロベニアで発行されたものをチェコ語に翻訳した版のようです。
洋書絵本の古書を扱うお店ではよく目にします。状態にさほどこだわらなければ、そんなに高くはありません。
Branka Jurcova/文 パツォスカー/絵 1968年 15000部発行 204ページ。


 表紙。




 表題紙。




 奥付。



どれが出版社名なのかもわかりませんが、Albatrosではありません。



 裏表紙。




挿絵をいくつかご紹介します。

  


  


  









私の絵本コレクション *クヴィエタ・パツォスカー(3) "SVET POHADEK BRATRI GRIMMU"

2014年09月01日 | 絵本





"Svět pohádek bratří Grimmů"
「グリム兄弟」という固有名詞がこのタイトルに含まれているようですが、チェコ語がまったくわかりません。


 その表紙。




 裏表紙。




 奥付。




 目次なのかな?





しかし、クヴィエタ・パツォスカーの挿絵を見る限りでは、グリム童話の中の、どの話が載っているのか、見当が付きません(-_-;)

ですから、いくつかの挿絵をお楽しみください。











何か見当がつくのがありましたか?