お悔み申し上げます
私は今、絵に集中するためにテレビをつけない生活を送っていますが、帰宅した主人に「近くの相模原で大変な事件が起こったよ」と言われ、テレビをつけてニュースを見ました。
障害を持つ方の施設で、19人もの方がお亡くなりになられたと。
ご遺族の苦しみ、悲しみは計り知れないと思います。
私も胸が痛んでたまりません。
もう2度とこんな事件は起きないでほしい。
被害者の方、ご遺族や関係者の方に心よりお悔やみを申し上げます。
また、心より故人さまのご冥福をお祈り致します。
重傷を負った方々、どうかご無事に回復されますように。
犯人について、色々思うことはありますが、ただ一言いいたいのは、「障害や病があっても人生は必ず生きるに値するし、家族の負担は勿論あるけれども、それを不幸だと決めつけるのは悲しいことだ」ということです。
私も、身体にも心にも病を負いましたが、それで気がづけたことはたくさんあります。
友人は、事故で障害を持ち、口を利くこともできなくなってしまった息子さんの面倒を見ていますが、「生きているだけで、面倒を看させてくれるだけでありがたい」と、一生懸命ですし、自分の人生を不幸だなどと思っていません。
私の主人も、私が障害や病気を持っているとわかった上で結婚してくれました。
人生の幸・不幸なんて自分の心が決めること。
他者からみたらどんなに恵まれていても、本人は「不幸だ」という人はたくさんいます。
逆に、どんな障害の中でも、それを与えられた意味を考え、神に感謝し、それに立ち向かい、幸福だと感じる人もいます。
私は、病にかかり仕事を失ったときに自殺を考えましたが、やはりあの時死んではならなかったと思います。
川島なお美ちゃんに「今の自分の幸せに気づけないなら死んでしまいなさい。生きたくても生きられない人がたくさんいるのに」と叱ってもらい、横田早紀江さんに「いつか必ずお迎えか来るのだから、天が決めてくれた時まで勇気を持って生き抜かなくてはなりません」と言っていただきました。
その言葉にしがみついて、私は苦しい時を乗り越えることができ、その苦しみがあったからこそ、人生に対して深く考えられるようになったと思います。
周りの人に対しても、少しは配慮をしなくてはと思えるようになりました。
悲しいニュースのあと、レームさんという義足で幅跳びの世界記録をお持ちの方のドキュメントを見ました。
義足を「有利なのでは」とクレームをつけ、彼のオリンピック出場に物言いするなんて、なんて悲しいことでしょう。
義足が有利なら義足の人がみんな世界記録を出しまくるでしょう。
でもそんなことはない。
彼は人の何倍も努力し、あの記録を勝ち得たのだと思います。
彼が、パラリピックでなくオリンピックに出ることはどんなに素晴らしいことか、どれだけ多くの人を勇気づけることか。
人生の障害に負けず、自分を障害の枠に閉じこめず、前向きに立ち向かう彼の姿に、本当に感動しました。
障害を「不幸」と決めつけ、障害を持つ人に刃物を振り下ろした人と、障害によってより高次の魂を勝ち得る人・・・対照的な2人の魂に、心を深く穿たれました。
また改めて、障害をお持ちの方をそのご家族だけでなく、みんなで助け合う必要があると感じました。
元気な人、自立する力を持った人が、応援するのは当然のことだと思います。
優しく助け合うことが当たり前の社会に、みんなでしていきましょう。
優しい愛の輪を広げるために、私は絵や歌を続けていきます。