2015年4月8日、乳がんで亡くなった歌手の千葉はなちゃん(羊毛とお花/vocal)のご主人、藤沼晋也さんは今青年海外協力隊としてナミビアの方々に、「ナミビアの方々のために、水道をはじめとした様々なインフラを整える活動をしています。
以前私は、オグルビ&メイザ―の久保さんにご紹介いただいた水問題のビデオで、アフリカの多くの少女たちが水を運ぶために一日の時間の多くを費やしていることを知り、ショックを受けました。
それはそれで一つの文化でもあり、なんでも便利だから人間の質が上がるというものではありませんが、でも彼女たちがその時間を勉強や芸術や、他の色々なことに振り分けられたらもっといいと強く思いました。同じ日本人の藤沼さんがその負担を軽減する活動をされていると知り、とても誇らしく思います。
藤沼さんは、最愛のはなちゃんを失った悲しみを忘れるためもあるでしょうが、はなちゃんという一人のアーティストの凄絶な闘病と、勇気ある死の受け入れを間近に見たことで、「社会に何か貢献しなくては」と根強く思われたのだと思います。自分の幸福追求もいいけれど、もっと何か、人のために生きる、そんな人生にしたいと本当に思われたのだと思います。
はなちゃんは「死ぬってどんなことかしら。たのしみよ」と言って亡くなったと、お母さんからの手紙で私は知りました。なんという境地に花ちゃんは達したのかと。逆にここまで達観できる魂ゆえに、彼女は天才的な歌声を与えられ、そして短い人生で一つの到達点として死を迎えることになったのだろうかと思い、鳥肌が立ました。
そして、涙が止まりませんでした。
皆さん、ぜひ今からいつでも「羊毛とおはな」「千葉花」を検索して、彼女の人生をたどってみてください。
それから、素晴らしい歌声が記録になっているCDをぜひ注文してくたさい。
以下はあまりに素晴らしい藤沼さんからのアフリカからのお便りです。
写真と共に転載許可をいただいたので、ぜひそのまま読んでください。
こんな風に、愛する人を思いながら、その愛のままに生きている人がいます。
アフリカの広大な自然の中で聴くはなちゃんの歌声はどれだけ素晴らしいことでしょう。
それはきっと天国への階段だろうと、私は想像するのです。
以下、藤沼さんのメールの転載です。
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未明さん
ご無沙汰しております。
ナミビアで青年海外協力隊として活動しています
藤沼です。
連絡が遅くなってしまい申し訳ありません。お元気でいらっしゃいますか。
その後お体の具合はいかがでしょうか。
こちらナミビア共和国に来て早いもので6か月が経過しました。こちらの生活にもだいぶ慣れ、こちらに来て一度も風邪をひくことなく元気に楽しく過ごしております。今はヘンティスベイという大西洋に面した小さな町でインフラ整備の手伝いをしています。ヘンティスベイという町はナミブ砂漠の中にあっていわゆる砂の町です。海と砂漠が近接している特殊な環境の中にある町で、砂丘上から見る大西洋は絶景です。ヘンティスベイは釣りが有名なところなんですが休日には多くの釣り人が浜辺で釣りを楽しんでいます。
現在ヘンティスベイ町役場(日本で言う市役所のようなところです)で現地のナミビア人の同僚と発展途上の町のインフラ整備に協力しています。技術指導的なところが私の主な役割です。帰るまでには彼らに私の知識や技術を覚えてもらいたいなと思っています。
それ以外にも現地の学校やイベントなどで他の協力隊員とともに日本文化を紹介したりもしています。それから休日には旅行も楽しんでいます。こちらナミビアは自然が豊かで海、砂漠、渓谷、野生動物など観光するところがたくさんあるんです。本当に素晴らしいところです。
もっと書きたいことはあるんですが長くなってしまうのでこれくらいにしておきます。
日本は初雪も観測されたそうですね。これから冬に向けて寒さが一層厳しくなると思いますのでどうかご健康に留意されお過ごし下さい。
また連絡します。
ナミビアより
青年海外協力隊 藤沼 晋也