友人と話をしていると、目の上に違和感を覚えたので、
指で触って確かめていた。
最初は丸くて硬かったのに、
触るたびに少しずつ伸びてきた。
1センチほど伸びたところで、
先端が丸くなっているワイヤー状のものだと気付いた。
なんだろう??
さり気なく友人と離れて、Mは化粧室に向かった。
躍起になって前髪で隠そうとしたけど、
前の日に前髪をカットしたので隠れない。
焦ってMは片手で目を隠して、人ごみをすり抜けて化粧室に向かった。
なんと……
内視鏡の先端部分のようなものが、Mの眉のあたりから出ていた。
すぐ主治医に診てもらった。
白髪頭のお爺ちゃん先生。
「あぁ、これか……」
何も動じないお爺ちゃん先生は普通に言うので、Mは困惑した。
「先生、これか…って、これはなに?」
「中の部品が出てきたんだ」
「……中の部品??」
「まぁ、年取ると良くあることだ」
「え??」
「中の部品は経年劣化するからな」
「先生……言ってる意味がわからない……」
「アンタ、自分が女のアンドロイドって知らなかったのか?」
Mは驚いた。
お爺ちゃん先生が言うには、人工皮膚が老化したために
経年劣化していた部品が突き破って出てきたらしい……と。
えぇぇぇぇ~~~??
「この部品は、人工脳を覆っているチタンの一部分が損傷して、出てきたんだ。
目玉から外れて出てきたからまだ良かったよ。修復は簡単だ
アンタ最近、目が見えにくくなってたはずだよ? かなりコレ劣化してるから」
お爺ちゃん先生はのんびり言うけど……。
Mは、自分が人間じゃなかったことに大きなショックを受けて
「いや~~~」と、声を上げて泣きだした。
で、その声に驚いて目覚めた。
……という、今朝見たばかりの夢。
夢を見ているときにすぐ起きるとめっちゃダルっ。
朝からダルくて、まだボ~っとしてる。
しかし、ヘンな夢だった。
夢の中のMはソルジャーだったのよさ。
黒ずくめで、めっちゃスタイルの良い女戦士。
取り敢えず夢の中で、自分の欲求が通るのは嬉しい。
たいていは自由にならないもんね。
しかも、司令官的なカンジ。
てか、Mは戦争とか軍事のことは、全くわからんので
自分の夢なのに、よくわからんかったス。
ダレとドコで戦っているかは定かではないけど、
全天候型の巨大なドームの中に街がスッポリ入っていて、
その街の中に列車が突っ込んでくる……という…
なんだか、ヘンな夢。
でもさ、思ったよ。
Mがアンドロイドだったら、めっちゃ不良品ジャン。
やっぱ無いやね……。ぷ。