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不安な思いをウダウダ書き散らす日記

習慣

2013年04月11日 15時24分30秒 | 辛辣うだうだ放題

Mの家は、レースのカーテンの端を少し上げている。
夜になると、分厚いカーテンもレース同様少し上げている。

それは……
昼も夜も、クーちゃんが外を見られるように。
ダーの車がバックしてきて、
テールランプが見えると、クーちゃんはしっぽを振る。

Mがどこかへ出かける時は、出かける気配を感じて
クーちゃんは視線だけでMを追う。
クーちゃんを置いてけぼりにする罪悪感を感じつつ、
Mはこっそり外出する。
そんな時は、寂しくならないようにテレビはつけっ放し。

夕方近くにMが外出するときは、まだ明るくても必ずカーテンを引いて、
電気をつけて出かける。
ついでに、ストーブも「弱」にしてつけっ放し。
もちろん、テレビもね。
本当に、ものすごぉ~~く、気を遣って外出する。

買い物の時は、ビニール袋に入れる必要のないものまで
しっかりビニールに入れて持って帰る。
そのビニールは、クーちゃんのトイレ用に便利だったりするもので、
水漏れのしないものまでビニールを使わせてもらってた。
だからといって、グルグルと手に巻いて持ってくることはしない。
買ったものを入れるだけ……。

そうやって、生活の全てがクーちゃん中心だった。
でも、それも一昨日、突然終わった。

4月9日 午後8時57分
クーちゃんはとうとう逝っちゃった。

今まで当たり前にやってきたことだったけど、
クーちゃんがいなくなると、全部必要のないことばかり。

カーテンは留めていた端をおろした。
外出するときは、ストーブを消して、テレビも消さなきゃ……。
買い物のとき、ビニール袋はもういらないんだって気付いた。

でも、もうMを見上げるクーちゃんがいない。
帰ってもクーちゃんがいない。

13年一緒にいたから、全てが当たり前になってた。

賢いワンコだったクーちゃん。

仕事部屋には絶対入ってこなかったし、
Mが一度「ダメ」と言ったことは絶対やらなかった。
飼い主に似ず、本当に賢い犬だった。

最期は、Mダーが看取った。
Mが仕事に出る時、クーちゃんの頭を撫でて「行ってくるよ」と言ったけど、
「帰ってくるまで待ってて」とは言えなかった。
何となくわかったから……。

10日の午前中にお寺に連れて行って、合同火葬の手続きして、
お坊さんにナムナムしてもらってクーちゃんと別れた。

葬儀を終わらせて家に帰るとクーちゃんがいない。
当たり前だけど、いない……。

火が消えたようっていうのは、こういうことなんだ。
自己主張しないクーちゃんだったから、居るか居ないか分らない時があった。
だから本当に小さくて、有るか無いかわからないような灯だったけど、
消えてしまうととっても暗い。

何度も覚悟はしてきたけど、実際現実になるとこんなもんだ……。

クーちゃんの使ってた食器、バスタオル、リード……諸々ゴミ袋に入れて捨てた。
家の中にクーちゃんがいた痕跡を早く消し去りたかった。
死んだことで、いつまでもメソメソしたくなかったから。

でも、もらってきたばかりのクーちゃんの薬を捨て忘れていて、
それを見たとき、初めて声を出して泣いてしまった。

たかがペット、されどペット。
娘を育ててくれて、M達を癒してくれた。
「ありがとう」と「ごめんね」が行ったり来たり。
お金持ちの家に飼われてたら、痒がってた皮膚だって治っただろうな……
……なんてね。

そういうわけで、
クーちゃんは逝ってしまったのでした。

そしてMの家は、ペットロス症候群に陥らないように、
何とかバランスを保ってる状態。
今日も買い物に行く前に、罪悪感を感じながら周りを見回すと、
見上げるクーちゃんはいなかったし、
食パンをビニールに入れようとして、必要のないことに気付いたMデあった。
もちろん、家に入っても待ってくれるクーちゃんはいなかった。
あとどのくらい、この感覚が続くものやら。
マイッタ、マイッタ……。

ホント、習慣ってヤツは……。

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