改正すれば善くなるんじゃないかなんて思うけど、
国で改正することって、本当は改悪のほうが多い。
そのうち、それは正しくなるんじゃなくて、悪くなるだけじゃないか。
と、国民にツッこまれて、
最近は、改正じゃなくて改定って言うのが多くなった気がスル。
何にしても改めるつもりなら、
根本から改善してほしいものだ。
ただ、誰にとって善いのかと考えると、かなりの疑問が出てくる。
国民にとって……と、ならないのが今の政権。
おかしな国だ。
で、
Ｍは今年、５年ぶりの免許の更新だった。
２月から「早く行かなきゃ」と、焦りつつ、
「面倒」が先にたっちゃって、忙しさにかまけてなかなか行けず、
先日、やっと思い……、じゃなくて重い腰を上げて行って来た。
すると……、
４月１日から講習手数料が変わりました。とのこと。
ハガキにも書いてあったようで、Ｍはちっとも気がつかなかった。
チェッ。
変わるなら３月中に、とっとと来ればヨカッタ……と、心の中でつぶやいた。
ら、
なんと、１００円安くなります。と、おっさるではないか。
てか、更新するための手数料って３１００円もしてたんだ……
２５００円～２７００円くらいかなって思ってた。
いつの間にか、地味に値上がりしてるし。
まぁ、その３１００円がなぜか分らないけど、３０００円になるという。
安くなることについては、文句など出て来ない。
てか、イマドキの１００円ショップでさえ、１０８円。
１００円で何か買えたっけ？ とビミョ～に思いつつ、
たかが１００円、されど１００円。
公共の料金はもっともっと安い方に改定、改正してくれてもいいのに。
と、思いつつ、
３月中に更新に行ってたら、３１００円だったのね～～。
重い腰のお陰で４月に行って、ラッキーだったのかちらん。
しかし、
その講習で、Ｍはとてもしんどい目にあった。
髪の毛をひっ詰めて、化粧ッ気なしでマスクして、
ちょっと豊満な体つきのオバサンが、
Ｍの横にドスン座った。
さり気なく観察すると、Ｍより年下だと思った。
机に置いた札の後ろに書いた名前が見えていて、
ちょうどＭが生まれた後から流行った名前。
その名前からは想像できないほど、彼女は凄かった。
……なにが？ って？
鼾。
講習１５分前には、すでに爆睡していて、
Ｍの横でゴォ～～、グゥワォ～～と、豪快な鼾をかき始めた。
本を読んでいたＭは、えぇぇ～～？？？ と思って、
周囲を見渡すと、みんなこっちを向いているではないか。
ひやぁ～～、と、なぜかＭが恥ずかしかった。
まだ始まっていないからいいんだけど、始まったら起きてほしいわぁ、
と、祈る気持ちでいたんだけど……。
始まるといったん静かになったので、起きたのかと思えば、
すぐグワァ～……と、聞こえてきた。
こりゃ、ヤヴァイ！ と思って、ひじをつついたら、
静かになったから、やっと起きてくれたのかと思えば、
またすぐ小さくグォ～……と。
もう、ずっとその繰り返し。
鼾がきこえてくると、さっき貰った交通ルールの本を
机でさりげなくトントンと揃えたり、
ボールペンで机をトンと叩いたり、他の人に分らないように
あの手この手で、彼女の鼾を止めていたＭ。
もう、大変だった……。
なぜ、こういう面倒な人ばかりＭの近くにくるんだろう？？
Ｍは講習中にマジで考えた。
結論は出なかったけど……。
優良講習なので３０分で終ったけど、Ｍにとっては地獄の３０分だった。
長かった……。
で、終わったらケロっとしてＭより先に新しい免許証を手に出て行った。
ふぅ……
頼むから、もう二度とＭの前に現れないでね。
てか、彼女は自分が鼾をかくって知らないんだろうか？
知ってたら、人のいるところでは寝られないと思うけど、
女を捨てていたカンジだったしなぁ……。
彼女、いろんな意味で改善の余地あり。
と、Ｍは疲れた頭で思った。
ホント、マジで疲れた。
ところが、もっと疲れたことがその後に……。
その日はちょっと寒かったのでストールをしていた。
免許証の写真を撮る時、
次の人が待っていたので、上着も脱がず、
ストールは首に巻いていたのを解いたまま、
鏡も見ずに、そのまま流れでアッサリと写真に納まった。
免許証を受け取ったＭは愕然とした。
写真のＭは、
たった今、農作業が終わりました。
……という顔をしていた。
きびしい畑仕事で疲れ果て、水くれ～～って顔をしてる。
ストールは首からかけた手ぬぐいみたい……。
これ、５年間持つんだよね？
カンベンして～～～～。
改善の余地があるのは、
実はＭだった……。
