やっと以前住んでいた家の掃除も終わり、
ホッとしているMデあった。
遊牧民のようなM家だけに、引越しだってもうプロのよう。
立つ鳥跡を濁さず。
ってことで、くたびれたクッションフロアまで張り替えて出て行く。
まぁ、どんなに綺麗にしたところで、清掃代はとられるんだけどね。
でもそこで生活させてもらえた感謝の気持ちとして、
やはり出来る限り綺麗にして出たいと思う。
馴染みのご近所さんに、お世話になったご挨拶をして、
最後にハナシ好きの向かいのオバサンの家へ。
ご主人の体が不自由で、いろいろとストレスが溜まっているらしく、
Mが庭にいるときに彼女につかまると長くなる。
とにかく愚痴を言う相手を探しているのデあ~る。
ドアをノックすると暫くしてパジャマ姿で出てきた。
肺炎で2週間ほど入院していたらしい。
で、よくよく話をきくと、4月にご主人が亡くなっていた……と。
全く知らなかったのでとにかく驚いた。
町内会での知らせもなかったし……。
というか、ちょうどM家が引越しのためにバタバタしていた頃で、
オバサンとも暫く顔をあわせていなかった。
ご主人は不自由な体ながらも、1人で外にでてよく日向ぼっこしていた。
あまりお元気そうではないけど、いつもニコニコしている人だった。
肺がんも患っていたらしく、突然呼吸困難になったらしい……。
「あんな体の人で、いろいろ大変だったけど、
それでもいないとなると、寂しいわ」
と、しみじみと言ってた。
確かにそうだろう。
馴染んでいる人の気配がないのは寂しいことだと思う。
お参りをさせていただき、すぐおいとまする予定が
いつものオバサンのマシンガントークに翻弄され、
長い時間引きとめられてしまった……。
今後はもう、彼女の話相手にはなれないけど、
娘や息子、孫たちがよく来るらしいので少し安心した。
Mさんは御主人を大切にしてねと言われたが、
Mは、ちゃんと大切にしている。
……つもりだけどなぁ……。