“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

春闘スタート 労使の発想

2013年02月05日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
規制緩和による非正規労働が急速に拡大してきました。2000年初めの自公政権により、雇用の規制緩和が進められ、現在の非正規労働割合は40%近い構成比を持つところまで増加しました。そのことが、中間層を没落させ、低額所得者を著しく拡大しました。この反省がまったく無くて、非正規労働、その拡大を容認した上で、春闘交渉を行っても、労働条件、就労条件は低いほうへ、低いほうへと引き下げられるしかありません。経団連、大手企業の思惑は、正規労働者を減らし、人件費を圧縮することで、利益を最大化することを狙っているからです。

そのために、小泉・竹中が強力に進めた規制緩和、構造改革路線を歓迎し、賛美し、政治による労働法のなし崩しの改悪を狙ってきたのだと思います。この点を連合、労働者は自覚した上で、交渉を行わない限り、彼らの思惑を打ち破り、賃金、就労条件を改善することは困難です。

<春闘スタート 労使ともに発想変えよ>

 デフレ脱却を掲げる安倍政権が積極的な経済政策を打ち出す中で、今年の春闘が始まった。物価上昇だけでなく賃金や雇用の改善も伴う望ましい景気回復に向け、労使が議論を深めてほしい。
 先進国で十年以上も平均賃金(名目)が下落基調にあるのは日本だけである。この間、企業は利益が出ても賃金を抑えてきた。それが消費市場を一段と縮め、企業の値下げ競争を激化させ、デフレと低成長が常態化している。
 連合は今春闘で「個人消費を拡大させるには賃上げが必要だ。それがデフレ脱却につながる」として、定期昇給とは別に、給与総額の1%引き上げを要求している。対する経団連は「雇用確保が最優先でベースアップの余地はない」と反論し、定昇すら「凍結や延期もあり得る」と強硬で、労使の主張に隔たりは大きい。
 ここ数年は「雇用か、賃金か」の二者択一を迫られ、労働側は賃下げを受け入れてきた。しかし、今春闘はそんな従来型の労使交渉から抜け出すべき時である。安倍晋三首相は緊急経済対策を発表した先月の会見で「企業収益を向上させ、雇用や賃金の拡大につなげたい。経営者にも協力いただきたい」と経営側に要請した。賃上げや雇用を増やした企業には法人税を軽減する制度もつくった。
 政府・日銀は2%のインフレ目標を決めており、物価上昇に賃上げや雇用の改善が続かないと国民生活は苦しくなるだけだ。そこで今春闘で議論すべきは、単年の賃上げ交渉に加え、企業の成長や業績拡大に向けた労使協調である。
 グローバル競争の激化を直視し、勝てる分野に事業を選択集中する。これまでは「社内失業」などを抱え、非効率な事業も温存させてきたが、教育訓練などで労働の有効活用や流動化に力を入れる。業績が好転すれば賃金を引き上げるルールも明確にする。
 四月に始まる希望者全員の六十五歳までの再雇用についても、労使は経営改善につながるよう知恵を絞ってほしい。
 旧態依然の春闘はほころびが目立つ。例えば、円高やアジア諸国の追い上げで国際競争力が落ちた金属・機械産業が相場形成をリードする方式はもはや限界であろう。
 正社員中心にも無理がある。働き手の三割以上となった非正規の待遇改善にもっと力を入れるべきだ。消費拡大など強い経済の実現には、非正規も含めた労働者全体の底上げが必要だからである。
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邦人輸送見直し 武器緩和は方向が違う

2013年02月05日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
自民党政権は、アルジェリア事件を契機に、自衛隊法の改悪を狙っています。どうやったら、政情不安定を政治的安定に持ってゆけるかを考え、日本としての貢献、政治外交を築けるかを考えることこそが最優先です。そのことを抜きに、紛争地帯に入り込み、自衛隊が軍事行動を可能とするように法制度を変えてしまう。今回の事件は、自民党政権にしてみれば、自衛隊法の改悪の千載一遇のチャンスと考えているようです。

日本国憲法は交戦権を認めず、外国を武力で侵略することを禁じています。その結果、戦後、日本人が外国人を殺さずに戦後数十年を過ごせたことは本当にすばらしいことです。その法的な根拠が平和憲法でした。その憲法を形骸化させ、なし崩し的に戦争できる国家、戦争できる自衛隊に変質させようとする自民党政権、右翼的政治勢力を批判し、彼らの意図を暴露してゆくことが必要です。

<邦人輸送見直し 武器緩和は方向が違う>

 政府・与党はアルジェリア人質事件をきっかけに海外からの邦人輸送を定めた自衛隊法改正の検討をしている。邦人救出や武器使用基準の緩和に踏み込むとすれば、議論の方向がずれていないか。
 政府は被害者帰国のため航空自衛隊の政府専用機をアルジェリアへ派遣した。自衛隊法で規定された邦人輸送は自衛隊機のほか、自衛隊の艦艇やヘリコプターも使用できるが、いずれも「輸送」であり、「救出」ではない。
 政府は関係省庁の局長級による検証委員会を立ち上げ、自民党は自衛隊法の見直しに入った。
 たたき台となるのは、自民党が野党だった二〇一〇年、現防衛相の小野寺五典氏らが国会提出した同法改正案だ。
 この案では陸上輸送を加え、現行法では正当防衛・緊急避難に限定される武器使用基準を「合理的に必要とされる限度」に緩めて「救出」の色彩を強めている。
 当該国にとって、国の玄関である空港や港へ自衛隊を受け入れるのと、内側の領土で自衛隊が活動するのとでは重みがまるで違う。武装した自衛隊が動き回る事態を軍や警察を持つ主権国家が歓迎するはずがない。現にアルジェリア政府は米英の軍事支援の申し出を拒否した。
 改正案でさらに問題なのは、任務遂行のための武器使用を認めていることだ。輸送途中で妨害を受けた場合、相手が丸腰でも発砲できるようになる。
 自民党は国連平和維持活動(PKO)に派遣された自衛隊が他国部隊を救出する「駆けつけ警護」を認めるべきだと主張しており、ひとたび武器使用基準が緩和されればPKO論議に波及する。海外での武力行使を禁じた憲法九条の解釈変更につながりかねない。
 現行法でも自衛隊の保護下に入った邦人や外国人を守るための発砲は認めており、空港や港での活動としては十分といえる。
 これまでも政府は紛争地からの帰国や政情不安な国への渡航自粛を呼びかけてきた。今後、求められるのは情報収集力を強化して、危機管理体制を整えることにある。危険が察知できれば、邦人の早期帰国につながる。
 米国やロシア、フィリピンなどは事あらば、民間航空機をチャーターして、いち早く自国民を帰国させる。学ぶべき手法だろう。情報も土地勘もない外国に武装した自衛隊を送り込む「救出」論議が最優先であるはずがない。
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生活保護削減に思う

2013年02月05日 06時00分00秒 | 臼蔵の呟き
13年度予算案は生活保護削減に踏み込みました。民主党野田政権末期におきた芸人家族の生活保護費受給を自民党議員が集中的に攻撃し、あたかも不正受給が大半であるかのような宣伝、攻撃をおこないました。その攻撃に載り、自民党政権になり、年度予算そのものを削減しました。生活保護費の不正受給は2-3%はあると言われていますが、大半の97-98%の受給者は本当に職もなく最低限どの生活を行うために保護の申請を行う人だと言われています。本来であれば、生活保護受給資格があるような人が、対面などを気にして、新生をしていないとも言われています。一部の不正受給者を根拠にして、受給者の攻撃、受給額の切り下げなどを行うことは本末転倒です。

デフレの大きな要因が勤労者の所得が削減されていること。正規労働の減少により、非正規労働が増加、低賃金労働が拡大していることが指摘されています。その所得の減少を根拠に、生活保護費の削減も本末転倒です。政治、政権がすべきことは、大手企業に賃上げ、正規労働の拡大を指導すべきです。その指導を行わずに、低いほうへ、低いほうへ賃金、就労条件を誘導することはデフレを更に長期化し、深刻化させるものです。

憲法に規定された国民1人1人が基本的な人権を尊重され、生きる権利を有しています。そのためには、生活保護制度は最後の安全装置です。その最後の救済制度の水準を下げることで、質的な劣化を引き起こし、低額所得者を一層不安にさせる行為です。一生懸命働けば、生きられる社会でなければ、安心して労働することは出来なくなります。自民党、自公政権が支出を減らしたいのであれば、政党助成金の受給を止めることがまず、必要です。今回の生活保護費の削減額は、生活保護費削減額よりもはるかに大きな金額となっています。自公政権はこのことにどう応えるのでしょうか。

<生活保護削減/理解に苦しむ格差是認策>

 2013年度政府予算案に、生活保護の支給水準引き下げが盛り込まれた。
 生活扶助費の基準額を受給世帯平均6%強引き下げる。期末の給付見直しと合わせ、扶助費全体で8%の削減を見込む。節約できる国費は3年間で743億円になるという。
 最低賃金と生活保護の逆転現象が起き、働いても収入の上がらないワーキングプア層が増えていることは確かだ。
 しかし、それをもって生活保護給付基準を引き下げるというのでは話の順序が違う。まず正されるべきは、働きに見合った賃金が支払われていない労働者の置かれた窮状だ。
 政府は、同じ予算で大規模経済対策によるデフレ脱却を掲げる。その一方で、一層の格差拡大につながりかねない施策を盛り込む不整合について、どう説明するのか。
 社会保障審議会の部会報告書は予算化に先立ち、夫婦と子ども2人の4人世帯モデルで生活費と支給のギャップが14.2%に達すると指摘した。支給が「生活に必要な費用より高くなっている」との認識だ。
 報告書が指摘したギャップは「過剰給付」を裏付ける数字とされ、デフレ下で「勤労者との公平感を保つ」ための論拠とされた。
 だが厚労省の別の試算では、低所得勤労者の生活費と比較した場合に世帯類型によりまちまちの結果が示された。
 4人世帯モデルで、低所得勤労者の生活費よりも給付が上回ったのは全体の0.4%。20~50代の単身世帯では23.9%が勤労者の生活費を上回ったものの、60歳以上の単身世帯では全体の半数以上が生活費を基準額が下回った。
 むしろ生活保護費の総額が増加しそうな数字だ。にもかかわらず、基準額が引き下げられるのは「経済情勢などを総合的に考慮し、政府として判断する」(厚労省)ためだ。政治が決めたセーフティーネット(安全網)の縮小にほかならない。
 最低賃金を決める際には、生活保護の給付水準との「整合性に配慮すること」が求められている。生活保護切り下げは、最低賃金を引き下げる方向に働くのだ。
 民主党の「最低賃金時給1千円」は現実的に困難で、画餅に帰したが、安倍政権が政策転換を急いだ印象は拭えない。
 社会的格差の縮小に向かうのか、拡大を辞さないと構えるかは、大きな政治選択となる。転換について、政府は説明を尽くす必要がある。
 新年度予算案には、地方公務員の給与削減を前提とした地方交付税の減額も盛り込まれている。「国も地方も給与を下げている」というメッセージは、春闘はじめ労使交渉の場で、労働者側に不利に働くことは言うまでもない。
 問われているのは、組織化されていない働き手や、働くこともままならない人のための安全網だ。苦境に拍車を掛けてはならない。
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