春風駘蕩

いつの時代でもこうありたい

自民党流の政治ゲーム

2005年03月02日 | 日記
平成17年度予算案が3月2日夕、衆議院を通過した。今国会での予算審議は、野党が「政治とカネ」の問題で
橋本元総理の喚問を要求してくるので難航が予想されていたが、結果は順調に終わった。これで政治の焦点は
郵政民営化法案をめぐる政府と自民党の調整に移る。

民営化法案は、当初、今国会での成立は無理、継続審議になるというのが大方の予測だった。ところが、小泉総理は、
さる2月9日、「今国会で必ず成立させる。継続審議のつもりはない。継続は廃案と同じ。廃案は小泉内閣への不信任であり、
退任要求の倒閣運動と受け止めるのが自然だ」と、解散も辞さない強固な姿勢を表明した。

会期内に民営化法案を成立させるには3月中に法案を提出しなければならない。会期末は6月19日。現状からして
それは無理な話だ。そこで、自民党執行部から「50日間延長」の声がもれ始めた。法案を5月の連休前に提出し、
8月のお盆前に成立させるというのが執行部の筋書きのようだ。

民営化に対する自民党内の反対論は根強い。反対派は3月中に「郵政公社改革法案」を策定するという。
対立は深まるばかりに見えるが、そこは自民党のこと。いま党三役が中心となって落しどころを探りつつ水面下で激しく
動いている。結果として法案の8月成立は可能だろうし、成立後の内閣改造が絡んでくるのは必至だ。

対立はするが壊さない。収まるところに収めていく。これが長年政権を担当してきた自民党の知恵であり、
自民党流の政治ゲームだ。民営化問題もこうした視点から見ればそれほど心配することはない。