望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

海部川逍遙 山家数え歌

2016-01-21 15:17:14 | 思いダイヤル



(徳島県海陽町 海部様式の山家)

海陽町相川は海部川支流の山間部 休耕田 すすき野 ざれた石垣 飼い犬に鎖はなく自由におおらかに遊んでいる

山際には軒の低い海部様式の山家 きびしい山の暮らしが忍ばれるなんとも言えぬ雰囲気
日々淡々とひっそり暮らす山人の生きざま山家に息ずいていた

「山家 数え歌」

しびれ切れた幼子は耳を傾ける
足をさすられながら老婦の唄う数え歌
数え歌にのってコウモリは闇の林に落ちついた

ざれた石垣に幼子は遊んだ
砂まんじゅうの玩具が嬉しくて老婦と唄う
一つ二つ建てる砂上の数え歌

山家に住まう老婦は唄いたい数え歌
老婦は聴きたい幼子の泣き声

山家に朝日の光あり
山家にともる灯り夕陽のオレンジ
老婦は唄ういつまでもひとり数え歌