後手番升田先生の手を考えます。
第1問
放置しても65銀は死なないですが、ちょっと動きたいです。
A 56歩 B 77歩成 C 85桂
第2問
攻めるところを探します。
A 64歩 B 85桂 C 24角
第3問
升田先生自慢の一手です。
A 24飛 B 37桂成 C 54飛
第4問
後手の駒得でも先手玉が広く見えます。
A 76銀 B 44歩 C 74馬
第5問
食いつかれたようですが。
A 14角 B 31金 C 55歩
後手番升田先生の手を考えます。
第1問
放置しても65銀は死なないですが、ちょっと動きたいです。
A 56歩 B 77歩成 C 85桂
第2問
攻めるところを探します。
A 64歩 B 85桂 C 24角
第3問
升田先生自慢の一手です。
A 24飛 B 37桂成 C 54飛
第4問
後手の駒得でも先手玉が広く見えます。
A 76銀 B 44歩 C 74馬
第5問
食いつかれたようですが。
A 14角 B 31金 C 55歩
今日の棋譜20210524
昭和33年4月、升田幸三先生と第16期名人戦第1局です。
大山先生の先手で矢倉です。
5筋を突き合う普通の矢倉ですが
升田先生は飛先を受けずに73銀~64銀と繰り出します。急戦矢倉ですね。
大山先生は高飛車で受けます。
升田先生は5筋の歩を交換して
56歩は取れないので銀を引きます。
1歩得たので75歩同歩76歩
飛先の歩を切って
急戦矢倉というよりは、旧型の相掛りのようです。大山先生は玉を左に囲っても固くならないので右玉へ。
升田先生は居玉のままですが銀をぶつけます。大山先生は銀を交換すると攻められるだけなので
交換せずに中飛車で受けます。後手の角筋が止まっていればつぶれないというわけです。
取れないからと銀を引いたのは微妙なところで、銀ばさみですが、66歩には56歩があるので銀交換にしかなりません。後手に持ち歩を使わせようということでしょうか。
升田先生は軽く77歩成同金右(同角や同桂は76銀がある)55角、ちょっと指しやすくなったでしょうか。
66歩に56歩は強気ですが、68銀ならば54銀でしょうからこれも微妙なやり取りです。
大山先生は銀交換に応じます。
44角45歩(端攻めが気になるから)33角59飛と進みますが、
24角67金寄、後手の角が働いています。
角の働きの差が気になって、ぶつけてみたのですが、結果的には面白くありませんでした。46銀打くらいでゆっくり指すところだったか。
升田先生は角を交換して35歩
35同歩に28銀、37銀成同玉25桂の強襲をしようというねらいだったでしょうか。大山先生は銀を打って受けます。
升田先生はそれでも桂を取って桂を跳ねます。成立しているかどうか微妙なところですが、この桂は36玉~25玉と取られるようなことにはなりません(24飛や14角があるので)。36玉24桂26玉36歩とでも進めば後手の成功です。38玉や28玉は端攻めがありそうですし、
消去法で48玉になるのですが、55桂があるとは。
もちろん取れば37角で
馬を作れば後手の駒得です。さて銀を打たれてどうするか。皆さんこの図を見て思い浮かびますか? 馬を逃げても悪くないですが、
37桂成というのが有名な手です。私は子供のころに升田先生の本で読みました。残念ながら大山全集にはこの途中図が載っているので、ひとつ前の図だけで思い出せたかどうか定かではないのですが。
55銀には24飛、角損でも飛を成り込んでよし、という升田先生自慢の手です。それでも大山先生は応じるしかなかった気がするのですが。
38桂と我慢しても64馬
55歩47成桂75馬、こうなると駒得で攻めている後手有利がはっきりします。
29飛に升田先生の74馬というのもぴったり過ぎる手です。この馬のラインは止めにくく、
56桂に37歩同銀54歩
大山先生は46角と受けて反撃をねらいました。55歩同角で香取り。
33歩34歩54銀、先手玉が近いのでこの銀打は攻防です。やはり後手有利ですが、
33角成から切り込んで勝負になった感じです。
でも32金33銀31金、珍しい受け方がありました。23飛成は14角ですね。
36銀に52玉、後手玉が安定し、23飛成は35歩でも間に合います。何もしなければ55歩ですから
44歩を突いたら61玉、もう後手玉は捕まりません。
55歩同銀43歩成、先手玉も上に逃げ出せば逆転ですが。
升田先生は46歩同桂56銀
56同金55桂57玉48銀、あとは56金を取るだけです。ここまで。
陽動振り飛車は生き残れませんでしたが、急戦矢倉は今でも見かけます。升田先生の陽動振り飛車は苦労している感じですし、振り飛車自体もあまりうまくいきませんでした。自分から動きたい棋風の場合は居飛車が良く、居飛車党のまま新戦法を考えていたら、もう少し良い実績を残したのかなあと妄想します。
大山先生は攻めるのがうまくはないので振り飛車があっていて、独自の世界を創っていきます。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1958/04/22
手合割:平手
先手:大山王将
後手:升田幸三名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 6八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(68)
6 4二銀(31)
7 2六歩(27)
8 6二銀(71)
9 4八銀(39)
10 5四歩(53)
11 5六歩(57)
12 7四歩(73)
13 5八金(49)
14 3二金(41)
15 3六歩(37)
16 7三銀(62)
17 2五歩(26)
18 6四銀(73)
19 2四歩(25)
20 同 歩(23)
21 同 飛(28)
22 2三歩打
23 2五飛(24)
24 5五歩(54)
25 同 歩(56)
26 同 銀(64)
27 5六歩打
28 6四銀(55)
29 4六歩(47)
30 7五歩(74)
31 同 歩(76)
32 7六歩打
33 6六銀(77)
34 8五歩(84)
35 7八金(69)
36 8六歩(85)
37 同 歩(87)
38 同 飛(82)
39 8七歩打
40 8四飛(86)
41 4七銀(48)
42 7三桂(81)
43 4八玉(59)
44 6二金(61)
45 5五歩(56)
46 9四歩(93)
47 3七桂(29)
48 6五銀(64)
49 2九飛(25)
50 1四歩(13)
51 6八金(58)
52 4一玉(51)
53 5九飛(29)
54 1五歩(14)
55 5七銀(66)
56 7七歩成(76)
57 同 金(68)
58 5五角(22)
59 6六歩(67)
60 5六歩打
61 同 銀(57)
62 同 銀(65)
63 同 飛(59)
64 4四角(55)
65 4五歩(46)
66 3三角(44)
67 5九飛(56)
68 2四角(33)
69 6七金(77)
70 3三桂(21)
71 2五歩打
72 1三角(24)
73 7九角(88)
74 同 角成(13)
75 同 飛(59)
76 3五歩(34)
77 同 歩(36)
78 2八銀打
79 4六銀打
80 3七銀成(28)
81 同 玉(48)
82 2五桂(33)
83 4八玉(37)
84 5五桂打
85 同 銀(46)
86 3七角打
87 5八玉(48)
88 5五角成(37)
89 4六銀打
90 3七桂成(25)
91 3八桂打
92 6四馬(55)
93 5五歩打
94 4七成桂(37)
95 同 玉(58)
96 7五馬(64)
97 2九飛(79)
98 7四馬(75)
99 5六桂打
100 3七歩打
101 同 銀(46)
102 5四歩打
103 4六角打
104 5五歩(54)
105 同 角(46)
106 3三歩打
107 3四歩(35)
108 5四銀打
109 3三角成(55)
110 同 銀(42)
111 同 歩成(34)
112 同 金(32)
113 3四歩打
114 3二金(33)
115 3三銀打
116 3一金(32)
117 3六銀(37)
118 5二玉(41)
119 4四歩(45)
120 6一玉(52)
121 5五歩打
122 同 銀(54)
123 4三歩成(44)
124 4六歩打
125 同 桂(38)
126 5六銀(55)
127 同 金(67)
128 5五桂打
129 5七玉(47)
130 4八銀打
131 投了
まで130手で後手の勝ち