今日の棋譜20211224
昭和38年3月、二上達也先生と第12期王将戦第6局です。
大山先生の先手で矢倉です。
64歩と46歩の対抗ですが、
二上先生が中央の位を取り、
中飛車へ。
大山先生は67金左から78玉の形で待ちます。
二上先生の玉は右ですね。陽動中飛車ということになりました。
43銀型を作れずに43金
先手の飛が5筋に移動したので、左銀は53へ。
矢倉と木村美濃の対抗では玉が薄く、後手の作戦負けです。なにしろ二上先生の振り飛車なんて珍しすぎます。
大山流をまねて金銀は次第に玉の周りに集めていきます。
62銀を引いたので、銀冠に組みなおすのだと思ったのですが、
なぜか62に戻っています。単なる手待ちならば作戦負けがひどいということになるわけですが。
大山先生の飛は89へ。二上先生の42飛は特にねらいがあるわけではありません。
大山先生は4筋の位も確保して、玉を引いて8筋を攻めるようです。こんなことをしないで銀冠に組んでいる方がきれいですけど。
52飛85歩同歩同桂
84歩73桂成同銀までは良いとして、もう一回77桂を打つのですか。
継ぎ歩で攻めているという感覚なのでしょう。85同歩には95歩同歩54歩同金92歩同香93歩同香85桂と攻めるつもりでしょうか。65歩同歩54歩同金53歩という攻め方でしょうか。
後手の55歩には84歩82歩が入って
44歩同金45銀、これならば攻めは切れないか。
二上先生は42飛の受けではなくて、54桂57角46歩。48歩の受けならば42飛かな。
44銀同角43金。この両取りは痛そうですが。
47歩成39角56歩、「両取り逃げるべからず」だけど、角を取られたらひどいでしょう。
大山先生は53歩同角52金、歩切れを気にしない癖が出ましたし、ただで角を取らないのですね。後で45桂を跳ねる方が筋が良いということでしょうか。
52同銀51飛61銀打
21飛成58と。駒得ではありますが、後手の攻めも嫌らしく見えます。
88玉84銀
56金95歩。89飛は攻めに働いていませんし、先手玉が安定していないです。ならば攻め合いしかないでしょう。
でももう少し面倒を見るのですか。67金68金
58銀同金までは良いとして、この59歩は
49金と遊ばせて十分だと考えたのですが、57角と逃げるので後手を引いています。端も謝らせされて、
46歩45桂44角53桂打。やっと寄せ合いです。59歩を打ったので53歩と打てなかったのですね。53歩ならば52歩成~61と が厳しかったのですが、61桂成ではちょっと甘いのです。
47歩成を手抜けずに68角、55歩を打たれては61桂成しかないでしょう。
56歩62成桂41歩、後手は妙に粘りが利きます。
52成桂66桂。これで78桂成同玉57歩成は詰めろになっているでしょう。
41竜71金打、金を使わせても後手玉に詰めろもかからないので、79金と逃げますが、
57歩成44竜68と。もう駒得なんて意味がありません。後手玉は安全なので受け切るしかないですが、
68同金57と
57同金78角。87銀~89角成を受けられず、ここまで。大山先生は王将を失冠しました。
順当にいけば二上時代が来るところなのですが、大山先生の全盛期はこれからです。
二上先生の振り飛車が最後に来るとはびっくりしました。駒損で粘っているのでうまくはないですが、小駒だけの攻めで追いつくとは。
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# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/03/19
手合割:平手
先手:大山王将
後手:二上達也8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 6二銀(71)
7 2六歩(27)
8 4二銀(31)
9 4八銀(39)
10 3二金(41)
11 7八金(69)
12 6四歩(63)
13 3六歩(37)
14 6三銀(62)
15 5八金(49)
16 7四歩(73)
17 6九玉(59)
18 5四歩(53)
19 2五歩(26)
20 3三銀(42)
21 4六歩(47)
22 7三桂(81)
23 6六歩(67)
24 5五歩(54)
25 4七銀(48)
26 5二飛(82)
27 6七金(78)
28 6二金(61)
29 7八玉(69)
30 9四歩(93)
31 7九角(88)
32 4四歩(43)
33 5六歩(57)
34 同 歩(55)
35 同 銀(47)
36 6一玉(51)
37 5五歩打
38 7二玉(61)
39 9六歩(97)
40 1四歩(13)
41 6八金(58)
42 4三金(32)
43 5八飛(28)
44 4二銀(33)
45 8八玉(78)
46 5三銀(42)
47 7八金(68)
48 3三角(22)
49 1六歩(17)
50 8二玉(72)
51 4五歩(46)
52 7二金(62)
53 3七桂(29)
54 6二銀(53)
55 4六角(79)
56 4二飛(52)
57 2八飛(58)
58 2二飛(42)
59 8六歩(87)
60 5三金(43)
61 6八銀(77)
62 8一玉(82)
63 7七桂(89)
64 7一銀(62)
65 2九飛(28)
66 6二銀(71)
67 8九飛(29)
68 4二飛(22)
69 4四歩(45)
70 同 金(53)
71 4五歩打
72 4三金(44)
73 7九玉(88)
74 5二飛(42)
75 8五歩(86)
76 同 歩(84)
77 同 桂(77)
78 8四歩打
79 7三桂成(85)
80 同 銀(62)
81 7七桂打
82 5四歩打
83 8五歩打
84 5五歩(54)
85 8四歩(85)
86 8二歩打
87 4四歩(45)
88 同 金(43)
89 4五銀(56)
90 5四桂打
91 5七角(46)
92 4六歩打
93 4四銀(45)
94 同 角(33)
95 4三金打
96 4七歩成(46)
97 3九角(57)
98 5六歩(55)
99 5三歩打
100 同 角(44)
101 5二金(43)
102 同 銀(63)
103 5一飛打
104 6一銀打
105 2一飛成(51)
106 5八と(47)
107 8八玉(79)
108 8四銀(73)
109 5六金(67)
110 9五歩(94)
111 6七銀(68)
112 6八金打
113 5八銀(67)
114 同 金(68)
115 5九歩打
116 4九金(58)
117 5七角(39)
118 9六歩(95)
119 9八歩打
120 4六歩打
121 4五桂(37)
122 4四角(53)
123 5三桂打
124 4七歩成(46)
125 6八角(57)
126 5五歩打
127 6一桂成(53)
128 5六歩(55)
129 6二成桂(61)
130 4一歩打
131 5二成桂(62)
132 6六桂(54)
133 4一龍(21)
134 7一金打
135 7九金(78)
136 5七歩成(56)
137 4四龍(41)
138 6八と(57)
139 同 金(79)
140 5七と(47)
141 同 金(68)
142 7八角打
143 投了
まで142手で後手の勝ち
大山将棋研究はこれで終わりです。
大山康晴全集は第3巻から並べ始めて、絶局までを補い、第2巻、第1巻と逆順で並べ切りました。最初は観戦記のあるところを並べてしまったので、総譜で並べ直した重複があるのですが、香落ちと平手は全部並べたはずです。6年もかかりましたが、いろいろ学べたと思います。
次は天野宗歩先生の将棋を並べるつもりです。またおつきあいください。
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