今日からは基本定跡の研究と題して、完成された(とされている)現代定跡をAIで検証していきたいと思います。
どこまでつづくかわかりませんが、対振り飛車の急戦定跡を見ていきます。最初に対四間飛車右46銀の急戦から。
AIは水匠5を使っています。PCスペックは低いのですが、しばらく待って評価値が安定したあたりで見ていきます。(それでも変動するので、確定値ではありません。)
目安としては、+300で先手有利(-300で後手有利)、+1000で先手優勢(-1000で後手優勢)です。序盤の研究なので、+300になれば十分だと言えます。
まずは初期配置。評価値77、これくらいが先手の得という理解をしておきます。
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 2五歩(26)
8 3三角(22)
9 6八玉(59)
10 4二飛(82)
後手の四間飛車です。評価値165、振り飛車の評価は低いです。
11 7八玉(68)
12 9四歩(93)
13 9六歩(97)
14 7二銀(71)
15 5六歩(57)
16 6二玉(51)
17 5八金(49)
18 7一玉(62)
19 5七銀(48)
20 8二玉(71)
21 3六歩(37)
この定跡の基本図。ここから分岐しますが 評価値は141。居飛車の作戦としては今一つでしょうか。
22 4三銀(32)
23 4六銀(57)
24 5二金(41)
25 3五歩(36)
右46銀の仕掛けの図です。評価値は41、ずいぶん下がってしまいました。
26 3二飛(42)
27 3四歩(35)
28 同 銀(43)
29 3八飛(28)
30 4五歩(44)
31 3三角成(88)
32 同 飛(32)
33 5五銀(46)
55銀は私の好みではないのですが、上に出る方が定跡とされています。評価値は-76、やはり後手が良いのでしょう。
34 4三銀(34)
35 3三飛成(38)
36 同 桂(21)
37 3四歩打
38 同 銀(43)
39 3一飛打
これで先手有利とされていた時が長かったのですが、評価値は-37です。
40 3九飛打
41 3三飛成(31)
42 4三角打
この43角が藤井猛先生の新手でした。20年くらい前の話だと思います。評価値は-1で形勢は互角です。
形勢判断をしてみると、歩と桂の交換で竜を作っているから先手の駒得です。(ただし桂香を取り合うでしょうから、駒の損得は消えていくはずです。)玉の堅さは後手のほうが堅いです。攻め駒の数は3対2、まあ形勢互角として良いでしょう。
急戦で仕掛けたのに先手有利にならないから、何か先手の工夫が必要なのですが。玉の囲いを変えたらどうか、という方向があります。私は55銀がおかしいのではないかという工夫で指していました。
居飛車穴熊やその対抗策としての藤井システムのブームがあり、後手陣の形が違っている可能性があります。64歩を突いて71玉型だとか、95歩の形とか。それは先手にとってのプラスになるだろう、というところも見ていきたいと思います。
初回はここまで。
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