後手が穴熊、先手が左美濃となった図です。
矢倉先生は55歩同歩64銀と動いていったのですが、AIに聞くと、ここは動かずに
82銀67金45歩。角筋を通しておくのが良いと。64歩を突いていないので、65歩には44銀で大丈夫です。よって駒組が続き
96歩94歩86歩71金87銀51金78金62金左36歩44銀
後手はこの形で待つのです。先手は6~8筋の位を取れるのですが、65歩72金寄85歩74歩
この図の評価値は-87、66銀とすると55歩同歩同銀とさばかれかねない形です。先手から動くのは難しそう。
ちょっと戻って
85歩72金寄86角51飛77桂41飛
この図の評価値は+77、形勢は互角で、先手が手を出しにくい状況は変わりません。
玉頭位取り対策で振り飛車穴熊が指されるようになったのと同じ理屈で、争点のできない穴熊の形 (64歩を突いていない) には位取りが有効になりません。ということで、この中飛車穴熊に居飛車銀冠は失敗です。