草野心平の『日本海』にある、「とほい海づらに雪が降り屏風になつて進んでくると。」と表現された景色が、この時期の海の日常である。今日は青空もあれば鈍色の空もあり、日が差し込んだり吹雪になったりと、めまぐるしく変化する景色が広がっていた。
高校時代の同級生と再会。一人は22年ぶり、もう一人は7年ぶりである。歳を重ねても変わらない「何か」があって、会食しながら話題は尽きることがなかった。それぞれの人生の「歩み」というものを実感。感謝したい。
新しい年の海の夜明け。今朝は少し波こそあれ比較的おだやかな景色が広がっていた。昨年の元日の朝は雨とあられが強かったものの、鳥海山の方から一瞬の陽光が差し込むと鉛色の景色は一変し、水平線に虹が現れたことを思い出す。夕方、改めて足を運んで波打ち際に三脚を立てた矢先、能登半島地震が起きた。防災無線のアナウンスが響き、急いで帰路に着いた。対照的に、海は非常におだやかだったことを覚えている。今年はどんな年になるのだろう。どんなことが起きても一つ一つに真摯に向き合いながら日々を送ることができればと思う。そして淡々と日常の景色をフィルムに収め続けていきたい。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
今年も様々な景色を眺めてきました。特に郷里のそれは、私の価値観を作り続けていると思いますし、日々の支えにもなっていると思います。ひきつづき目の前の景色に心を寄せながら精進してまいります。一年を振り返りまして感謝と御礼を申し上げます。どうぞ良いお年をお迎えください。