窓辺の光Ⅰ / Nikon COOLPIX P5100
窓辺の光Ⅱ / Nikon COOLPIX P5100
大正期の木造洋風建築に見る「美」。
100年近く経過しても不変的な美しさを醸し出すその姿。
この建造物を見て、私が大変尊敬している写真家・白川義員さんの言葉にある、
「100年後でも評価される写真を撮る」というのを、ふと思い出しました。
この言葉というのは、何も、未来を見越しての思惑云々などというものではなく、
その時点におけるその人の持つ最高の力を持ってして、
渾身の力で作品を生み出していこうとする、その意志を表わす言葉だと思っています。
この建造物(上の写真:窓辺の光Ⅰ)は、
酒田市の日和山公園地内にある「旧白崎医院」です。
説明によると、”白崎敬之助氏の緻密で正確な設計と、
名工とされる小松友治郎氏の堅実で精巧な建築技術が、
良質な材料と相まって、
見事な大正期における木造洋風建築の美を保っている”とありました。
そして、この洋館造りにどれだけ精根を注いだかの説明も
資料に記されてありました。
人間によって出力されるものには、その人間が出ると聞きます。
何かを成し遂げようとする懸命な人間の精神は、
どんなに時が経とうとも、いつの時代の人間にも届く「確かなもの」だと強く感じます。
100年経っても色褪せないその「美」の本質は、
まさにこの部分を根源に成立しているものと考えます。
自身の未熟な精神の中に、少しでもこの根源を取り込んでいきたい・・・。
そう感じながらこの場所を後にしてきた次第です。