齋藤大悟 : Daigo Saito

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語らい

2013年04月26日 | 山の麓

語らい

Nikon F6   Carl Zeiss Planar T* 1,4/50   RXP

 

 先日、近所の方々と地元の歴史についてお話をする機会がありました。この地の成り立ちや人々の暮らし、昔の生活環境など、お聞きすればするほどその営みの深さを実感し、気が遠くなるような思いでした。人から人へ伝わるもの、古い文書などに記されているもの、様々な形で残されている当時の断片を1つ1つ真摯に拾い集める事によって、始めて、歴史の輪郭が少しずつ見えてくるのだとつくづく感じた次第です。
      
 私の住む地には残された歴史文書などが極端に少ないようで、聞くところによると30~40年くらい前からその事を危惧されていた方々がいらしたようです。そのため、地元住民からの情報収集のもとに、地元自治会発行という形で、この地の歴史を冊子にまとめ、各家々に配布したと言います。発行は1983年3月と1986年3月。運良くその冊子を手にする事ができ、早速目を通して見ると、内容は地元の神社に由来する事から自然災害、鳥海山や個人の思い出話にまで及び、特に自然災害については洪水に悩まされ続けた歴史があるようです。しかし、それぞれの文章の結びには故郷を愛する気持ち、素晴らしい自然の恵みに対する敬意が記されていて、当時の人々の思いを目の当たりにするようで感慨深いものがありました。
    
 自分の生まれ育ったバックグラウンドを1つ1つ深めていく事で、自分自身をさらに客観視できるかも知れませんし、故郷に対する気持ちや風景の見方にも深みが増すかも知れません。楽しい事、残酷な事、様々な時代背景の中で苦労に苦労を重ねた方々の存在を身近に感じる事で、大自然の中で思い知らされる事と同様に、自分自身の在り方なり立ち位置が見えてくるのかも知れません。まだまだ分からないこと山積ですが、この日の語らいを通してまた1つ、活力なるものを得たような気分でありました。

 

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