私の実家は山です。
山の方に有ると言うより、山の中に有ると行ったほうが正しいだろう。
だって、最寄のコンビにまで10キロ。
我が家から一番近いコンビニと、実家からは一番近いコンビニは例え片道10キロでも同じコンビニ。
コンビにはどうでも良いけど、この時期、実家の悩みは何と言っても・・・
カメムシ |
です。
もっとも、カメムシなんて上品な呼び方は実家の方ではしなくって、屁臭虫ヘクサムシと、とっても解り易い名前で呼んでおります。
こいつらが毎年大群で実家にやってきます。
山の中では、やはりこいつらも冬を越すのは辛いようで、冬眠場所を求めて山を降りてくるようです。
冬眠に来たのなら大人しく寝てればいいものを、小春日和の穏やかな日には、窓辺でぶんぶん飛び回り暴れまくります。
それでもまだ飛んでるだけならかわいいもので、何と言ってもこいつらの困ったことはとにかく・・・
くさい!! |
油断して踏んづけたり触ったりしようもんなら、あたり一面悪臭が漂う。
おまけに付いた臭いは石鹸で洗っても中々取れないのだ・・・
閑話休題
それはまだ、結婚する前の事・・・
前の晩したたか飲んで、昼過ぎにやっと起き出してきた私は、とにかく腹が減りまして、ラーメンを煮て食うことにしたのです。
ガスコンロの周辺でも、ヘクサムシたちは楽しそうに飛び回っていたのだ。
触らないように、細心の注意を払いながら、私はラーメンを煮た。
鍋を火に掛け、麺が茹で上がりスープを入れた直後だった・・・
こうなっちゃったら、どう頑張っても再生して食うことは出来ません。
泣く泣く、茹で上がったばかりのラーメンを生ゴミに捨てました。
鍋をガシガシ洗って、窓辺のヘクサ様たちを何とか追い払って再び鍋にお湯を沸かしました。
麺が茹で上がりスープを入れた直後だった・・・
どこからとも無く飛んできたヘクサ様が、再び私の煮あがったばかりのラーメンに飛び込みやがった・・・
食うな! |
って事なのね。どうしても私にラーメン食わせたくないんだね。
こうなりゃ意地だ!
何が何でも食ってやる!
そう思ったけど、すでに買い置きのラーメンは無かった・・・
買いに行くにもコンビには10キロ先・・・
もっともその頃はそのコンビにすら無かった。
私はすきっ腹抱えて再び寝るしか無かったのでした・・・