これって初冬の空の花火です
喜んでいるんですよヒヨドリやムクドリたちの小鳥が、この柿はやがて冷たい雪にさらされて渋のぬけた甘い柿になるんです。そして小鳥たちのおいしいご馳走、いや命を繫ぐ食料になるのです。
豊かなことはわびしいです。
今はスーパーに行けば美しく磨かれて大きな会津みしらず柿が買えます。だから同じみしらず柿なんですけどこの近くの畑に植えられている柿を収穫して渋を抜き自分の家で食べたり知人に送ったりする人は少なくなくなりました。手入れがされていませんから実は小さいし美しくもありません。だから柿の木を植えられた広い畑に収穫されないで美しく輝いている柿がいっぱいあるんです。ほとんどが小鳥たちの餌になるのです。
スーパーで売っている選果されて大きくて美しく化粧された柿は甘さが控えめな上品な味がします。価格も美しく上品ですから結構な価格です。
そして町営温泉の糸桜里の湯の売店で売っている柿はたぶん熟年の方が自分の家の畑の柿を採って渋を抜いた柿だと思うんです。玉の大きさはスーパーで売っているものよりやや小ぶりで化粧されていませんから美しくもありません。ビニール袋に入った6個入りが250円くらいで買えるんです。味はスパーで売っている柿のように上品な薄い甘さではなくて、深い味わいのある甘さが口いっぱいに広がります。私はこの味こそが本当の会津みしらず柿なんだと思うんです。
私は一日おきに朝ばばちゃん(家内)を糸桜里の湯に車で送って夕方迎えにいって自分も入浴して帰ります。そのときばばちゃんは6個いりの柿を一袋か二袋を買って置いてくれます。
その柿を私は一度に二個ぐらいずつ自分で皮をむいて食べます。口いっぱいに広がる甘さ、それを食べるとき私は生きてることが本当に幸せだと思うんです。今年もおいしいみしらず柿をいっぱいいっぱい毎日食べられる会津の秋はすばらしいとしみじみ思うんです。上品な薄い甘さの柿は私に向いてはいないんですよ、化粧されて形は美しいんですけども甘さが上品で薄いんです。