漢字を学び心を育む

2回目のチャレンジで漢検1級に合格。
現在、ペン習字に傾倒。
硬筆書写検定1級が欲しいです

一生契れないオシドリはとっても不幸だと思う。(だいたひかる調)

2010-04-08 21:33:22 | ◆準1級:書き(故事・成語・諺)
手前が鴛、奥が鴦。



 
 ・鴛鴦( えんおう )の契り。

 【意味】夫婦仲のむつまじいことのたとえ。おしのちぎり。





エンオウ(おしどり)
鴛鴦

 【意味】おしどり。水鳥の一種。形はかもに似て小さい。雄を鴛、雌を鴦という。




メスの気を惹こうと派手な格好でアピールするのは、孔雀などに代表されるよう鳥類に多いようです。

でも、メスの前でパフォーマンスし自分を飾って見せるのはゴリラだって人間だって同じようなものですね。



さて、次の訓読みは何と読むか知っていますか。


 鴛鴦(おしどり)※つがい

 鴛 (おしどり)※オス

 鴦 (おしどり)※メス



そう、すべて ”おしどり” です。


漢字で書くと

 「番」 か 「単独」 か

 「雄」 か 「雌」  か

を瞬時にして書き分けることが可能です。(ブラボー!)



でも、話し言葉では

 「おしどりがつがいでいる」

 「メスのおしどりがいる」

と、わざわざ説明が必要になります。





 ・おしどり(    )が庭の池に浮かんでいる。



上のような ”書き問題” では、「鴛鴦」でも「鴛」でも「鴦」でも正解なのかしらん。




漆喰の上塗りに借金の目塗り 漢検協会さん ごめんなさい。

2010-03-21 21:55:24 | ◆準1級:書き(故事・成語・諺)
 
 いつもは喫茶店で漢検の勉強をしているんですが、今日は気分を変えてというか珈琲一杯で2時間も3時間も粘れるほど図々しくはないので、市の図書館まで足を延ばし勉強してきた。若い学生達に混じり机に向かって問題集に取り組んでいると独り勉強している時と違い勇気を貰って力がみなぎってくるよう。

 予定より捗ったので、そろそろ切り上げて帰ろうとしたときに、ふと ”アレ” を思い出した。大手書店に置いてあるどの辞典にも載っていなかった ”アノ諺” を。
そして数ある分厚い辞典を繰ってやっとお目に掛かる事ができた時はなんとも言えない気分。てっきり単純な語呂合わせだと思っていたが、完全にわたしの早とちりだったようです。結局2冊の辞典にしか載っていませんでしたが、編集者はどちらも同じ人物。










 ・漆喰の上塗りに借金の目塗り。


 【意味】しっくいの上に塗ってもはげる。借金もその場限りのしのぎを付けてみても、結局ぼろを出す。

      続故事ことわざ辞典 鈴木棠三(すずきていぞう)編









少しでも疑ってしまったわたしをどうぞお赦しください。

 ガッツリは、「喰う」だと思う。:喰 [2010-03-03]


この諺は、生涯消えることなくわたしの心に刻み込まれることでしょう。

いえ、わたしの座右の銘とさせていただきます。


おそらく、この諺の意味をインターネット上に公開したのは、わたしが初めてだと思います。

せめてのもの罪滅ぼしだと思ってください。


「なんじ、今何時?」は、おやち゛ギャグ。:汝

2010-03-18 22:07:40 | ◆準1級:書き(故事・成語・諺)
 
 ・艱難ナンジ()を玉にす。


 【意味】人は多くの苦しみや困難を経て初めて立派な人間となる。
     ★西洋のことわざ「逆境は人を賢くする」の意訳。




ジョ
なんじ




【解字】形声文字。水+女。川の名。借りてなんじの意味に用いる。


  1. なんじ。なれ。そなた。おまえ。対等またはそれ以下の相手の人の称。
    <新漢語林より>




爾との違いがよくわからない。

なんとなく感じていたのは、


 汝 = 教会

 爾 = 神社



汝は、キリスト教の「汝の隣人を愛せよ」を連想する。ほか[汝曹]

爾は、禰宜(ねぎ)とか天皇陛下、皇国を連想させる。ほか[莞爾、爾後、爾来、云爾]


活字でしかお目に掛かったことはないが、どちらも ”上から目線” で話し掛けている。
使う漢字が違うのは信仰している神の違いによるものなのか。



【爾汝の交わり】という諺がある。

 互いに「お前」「貴様」と呼び合うような親しい交わりのこと。
「爾」も「汝」も「なんじ」と読み、お前、貴様の意。



【汝の語源・由来】<語源由来辞典>

「な(汝)」に「むち(貴)」が付いた「なむち」が変化した言葉。
「な」は自分を指す語であるが、ここでは目下や親しい人に対して用いる二人称代名詞で、「むち」は貴い者を表す。本来は、相手の尊敬の意を含んで用いられていたと思われるが、中世には対等かそれ以下の者に対して用いられている。漢字が「水」+「女」なのは、元々、河南省の嵩県から淮水に流れる「汝水(ジョスイ)」という川の名であったためで、「ニョ」や「ジョ」など昔の二人称代名詞の音に近い発音を持つことから、人称代名詞に当てられたものである。




やっぱりよくわからない。

おそらく今後も「ナンジ」を耳にすることはないと思う。



メッキに漢字があるの? :鍍

2010-03-08 21:51:07 | ◆準1級:書き(故事・成語・諺)
 
 ・メッキ ( 鍍金(滅金) )が剥げる。


 【意味】取りつくろうことができなくなって、本性が現れる。外面の飾りが取れて、悪い中身が現れる。上辺の誤魔化しが利かなくなって、本性が現われる。






めっき




【解字】形声文字。金+度。音符の度は、渡すの意味。薄い金・銀などを他の金属にかぶせわたす、めっきの意味を表す。

  1. めっき。金銀などを溶かし、物の表面に流しつけてかざること。また、そのかざり。
    <新漢語林より>




「鍍」の字を見たことある人はほとんどいないと思います。

これは、ことわざの書き問題ですが、


 メッキ ⇒ 鍍金、鍍、滅金


「鍍」一字でもメッキと訓読みで読むようです。
でも不思議なことに、高橋書店の問題集では「鍍金」と「滅金」しか正解に載っていませんでした。
それとも、上のことわざの場合は「鍍」ではなく「鍍金」限定なんだろうか。



読みでもなかなか難しい。いわゆる難読。

わたしを含め「トキン」と読む人が大半なのではないでしょうか。
上のことわざの問題なら「メッキ」しか正解ではないと思うけど、


 「鍍金工業組合」


なら、メッキコウギョウクミアイ より トキンコウギョウクミアイ の方がより相応しいと感ずる。
(正解はどっちだろう?)


でも、

 鍍金 ⇒ メッキ、トキン


で合ってると思います。



最後に、おそらく皆さんが疑問に感じてること↓


東京都鍍金工業組合


一般には外来語と信じられている「メッキ」という呼び名は,実ぱ“滅金”という純粋な日本語である。 太古のメッキ技術は主として金や銀を水銀に入れて溶融,その溶液中に被加工物を入れるか, または溶液を被加工物に塗り、たいまつであぶり被加工物の表面に金や銀を析出するという方法で行なっていた。 このため水銀中で金銀が溶解して原型をとどめなくなるところから「金が滅する」つまり“滅金”と呼ばれた。

後世になって「鍍金」という字をつかうようになり、さらに漢字制限で「鍍」が使えなくなって, カナ文字の“メッキ”が幅をきかすようになった。


ガッツリは、「喰う」だと思う。:喰

2010-03-03 21:44:30 | ◆準1級:書き(故事・成語・諺)
 
 ・シックイ ( 漆喰 )の上塗りに借金の目塗り。


 【意味】はっきり言ってわかりません。駄洒落のようですが・・・。
     漆喰の上塗り→剥がれやすい?
     借金の目塗り→塗って塞ぐ?

     2010.03.21追記
     意味がわかりました!こちら




く(う)、く(らう)



国字(和字)
現代表記では、「くう」は全て食うを用いるが、大いに飲んだり食ったりする事を強調したり、それと好ましくないことである事を示すために喰うを用いる場合がある。

・大めしを喰う
・泡を喰う
・出喰わす



”食う” を大袈裟に表現したり、下品な食べ方を蔑んだりする時に ”喰う” を使っているようですね。

”喰う” は動詞ですが、名詞の当て字として、「漆喰」と「馬喰」があります。


 漆喰(しっくい)・・・ 家屋の土で造られた壁の上塗り材

 馬喰(ばくろう)・・・ 牛馬の売買や周旋を職業とする人


漆喰は「石灰」の唐音。(石灰=シックイ)

馬喰は「伯楽」の音便。

 はくらく(伯楽)→ ばくろう(博労/馬喰)


余談ですが、
北海道の方言で「交換する」ことを意味する「ばくる(ばくろう)」は、「馬喰」からきているのは結構有名。


おっと、馬喰町もありましたね。語源はやっぱり博労のようです。


※ちなみに準1級の問題には「漆喰」の書きしか出ないでしょうね。



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伯楽

 馬の良否を見分ける名人、馬医。転じて人物を見抜く眼力のある人物をさしていう。名伯楽。 晋の趙鞅の臣、郵無正が馬を御する名人であったことから、後に馬の鑑定人をさす言葉となった。伯楽は郵無正の字。また、天帝の馬をつかさどる星の名であるいう。由来については諸説あるが、字が楽で一家の長男(嫡出)であれば伯楽と呼ばれるので、春秋戦国時代にはかなりの数の伯楽がいたと思われる。


いけにえに捧げたのは牛。:鵠

2010-02-27 17:58:14 | ◆準1級:書き(故事・成語・諺)
 
 ・セイコク ( 正鵠 )を射る。


 【正鵠】弓の的。正は布を張って的を作り、中心に正を描く。鵠は皮を張って作り、中心に鵠を描く。正も鵠も鳥の名前。狙い所・要点を言う。『礼記』<射義>



コウ、コク
くぐい、まと、しろ(い)、ただ(しい)、おお(きい)




【解字】形声文字。鳥+告。音符の告については下参照。

  1. くぐい。白鳥。こうのとり。雁より大きく、羽毛は白く、非常に高い所を飛ぶ水鳥。
  2. 白い。
  3. まと。弓のまとの黒星。「正鵠」
  4. 正しい。あきらか。
  5. 大きい。
    <新漢語林より>



さらに、鵠の音符である「告」の字は、告の旧字。(告の上の部分は牛)




【解字】会意文字。口+牛。牛は、甲骨文では、捕らえられた牛の象形。いけにえとして捕らえられた牛を捧げて神や祖霊につげるの意味を表す。常用漢字は、牛の部分を変形させた、告による。
<新漢語林より>


 わたしみたく、 告 + 鳥 と書く人がいるかと思って。



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heyqlowさんのご指摘により、追記させていただきました。

正鵠(せいこく)を得る

「正」は正(鴟鳥、とび)を描いた布の的、「鵠」は鵠(くぐい、白鳥の古名)を描いた皮の的です。
つまり正鵠は弓の的の中心の黒い部分を言い、転じて物事の急所・要点を指すようになりました。
「正鵠を射る」という言い方もしますしそちらを採用している辞書も多いのですが、、語源的には、『大学』『中庸』の「正鵠を失う」から来ており、失⇔得 ですから正鵠を得るの方が良さそうです。
この言葉からでた、「的を得る」もこちらが良さそう。もっとも、「的を射る」方が幅を利かせているようですが。




最近は手にしていません。:鍬

2010-02-05 21:43:16 | ◆準1級:書き(故事・成語・諺)
 
 ・使っている クワ()は光る。

  絶えず努力する者は、生き生きとして美しいというたとえ。




ショウ
シュウ
すき
くわ




【解字】形声文字。金+秋。


  1. くわ(くは)。すき。
  2. 農機具の一種。
    <新漢語林より>




私は農家の次男坊として育ちました。
物心ついた時から家の農作業の手伝いをさせられたと思います。
学校から帰ってくるとカバンを置き、着替えをしてすぐ仕事です。
米を作っていたのですが、何でもやらされました。
高校生になると一人前として働かされます。
たまに遊んで帰ってくると烈火のごとく叱られ家に入れてくれないことも。
だからというわけではないけれど、鍬、スコップ、ツルハシ、箕、マサカリなどの農機具は上手に使いこなしていたと思います。


最近、感じるのは50才代くらいの方がスコップを上手く使えないのをよく見掛けます。


使えないというのは、道具に負けている使われていることを言います。
農作業を長年やっている人は惚れ惚れするほど上手に使いますね。
柄のついたものは、間違いなくテコの原理を応用しています。
手と腰とスコップとがうまく力点、支点、作用点になってるわけです。
美しく使いこなすと、疲労度は半減どころか4分の1程度になるでしょう。
農家の人は、筋肉痛とか疲れてはいけないのです。これも知恵なのです。


たまに野良仕事をやって翌日疲れるのは、たまにしかやらないのもあるけれど、道具を上手く使いこなせていないのが原因だと思う。

今日はなんとなく。






これも使いこしていました。



怖いことわざです。:姑

2010-01-27 22:18:41 | ◆準1級:書き(故事・成語・諺)
 

 ・嫁の留守はシュウトメ()の正月。

 ※「頻出度順問題集」高橋書店




しゅうとめ
しゅうと
おんな
しばら(く)




【解字】形声文字。女+古。音符の古は、ふるいの意味。古い女性の意味から、夫の母、しゅうとめの意味を表す。


  1. しゅうとめ。夫または妻の母。
  2. おば。父の姉妹。
  3. しばら-く。とりあえず。一時。
    <新漢語林より>



こんな怖い諺、初めて耳(目)にしました。


でも、これは

 嫁 = 悪

 姑 = 善


という感じがします。
嫁にだって言い分はあると思います。
ましてや嫁と姑が入れ替わっても意味が通じる場合も多々あるでしょう。




でも、そんな事より

  

という字を通じ、知識や教養を身に着ける為このような諺を出題することは果たして適当なんだろうか。嫁と姑が犬猿の仲なのは世間の常識として知っておかなくてはいけないけれど、だからと言って。




病院ではお目にかかっていますが。。:喉

2010-01-26 22:34:33 | ◆準1級:書き(故事・成語・諺)
 

 ・ノドモト( 喉元 )過ぎれば熱さを忘れる。

   熱いものも、飲みこんでしまえばその熱さを忘れてしまう。転じて、苦しい経験も、過ぎ去ってしまえばその苦しさを忘れてしまう。また、苦しいときに助けてもらっても、楽になってしまえばその恩義を忘れてしまう。




コウ
のど




【解字】形声文字。口+侯。音符の侯は、うかがうの意味。外部からその形をうかがうことができる口、のどぼとけの意味を表す。


  1. のど。のどぶえ。
  2. かなめ。要所。急所。
    <新漢語林より>





また、恥を忍んでここに書きたいと思います。

私だけかもしれませんが、喉の字は

 + 

だと、ずっと思っていました。

そう、右のつくりの方は、候(そうろう)、気候(きこう)の候だと思っていました。


 の本字は、 

 の本字は、 + 



では、

 弓の的。うかがうの意味。 刀(人) + 厂 + 矢。



やっぱりよくわかりませんね。

喉という字をマジマジと見たのは実は今回が初めて。
思い込みはいけません。


またの名を「〇〇の勇」と申します。:匹

2010-01-22 21:05:45 | ◆準1級:書き(故事・成語・諺)
 

 ・ヒップ( 匹夫 )の勇

   『孟子』道理をわきまえない男が血気にはやってがむしゃらに行動するような、浅はかな勇気。







ヒップ
匹夫


  1. ひとりの男。
  2. 身分のいやしい男。また、道理に暗い男。
    <新漢語林より>



hip ←面白いけど英検ではないので不正解。

まさか、ヒップに当てはまる漢字があるなんて思いもよりませんでした。
ましてや、相原勇のお尻を想像しただなんて・・・

”匹”は、一匹二匹だから犬畜生と蔑んだ呼び方だったのでしょう。


 「匹夫」は男性をあらわします。

 「匹婦」も同じ意味で女性をあらわすようです。


これらを合体した「匹夫匹婦」という熟語があります。
意味は、身分のいやしい男と女。道理に暗いものども。

読みは期待通り?「ひっぷひっぷ」になります。